アニメ「君は放課後インソムニア」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「君は放課後インソムニア」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


う~ん、基本的には悪くない作品なんだけど…特段良くもないという感じの作品。
いやね、良いか悪いかで言ったら良い作品である事は間違いないのですが俺的にはそこまでハマれなかった・深く興味を惹かれる事がなかった作品なのですよね。

 


まず物語の導入の印象から良くなかった感じ。
文化祭へ向けての準備中の教室、物語冒頭はモブ女子から始まるのですが、そこから主人公への渡しの話(主人公のキャラ説明話)にもう納得がない。
クラスメイが出し物(多分お化け屋敷)の小道具作りをやっている中ひとり寝ている主人公…、寝てないで手伝えよ、と声をかけるモブ女子ですが、主人公は自分の分の仕事はきっちりやってるみたいなんですよね(モブ女子たちが喋っている間に段ボール墓石を2つ作り終えて寝てたらしい)。
やるべき事をきっちりやって寝てるんなら(協調性云々は置いとくとして)良いんじゃないの?
おそらく主人公よりも仕事していない男子が他にも居ると思うけど…でも、そいつらには声をかけないのよねそのモブ女子は。
で、そのあと吐いたセリフがなんかムカつくからきつく当たってるみたいな事を、なんだコイツ…。んな納得のない理由で主人公を紹介するための渡しのエピソードを挿入すんなや、とこういう納得のないお話・展開を初っ端からかます作者のセンスにもうこの作品ダメだな感がありましたね。

(いやね、これがもしクラス中からこのモブ女子と同じ様に思われているという主人公のキャラ説明エピソードであればまぁ納得するのですがそういうエピソードにはなっていないからね…)

 

また、第4話かでのクラスメイト、先生に深夜徘徊を見咎められる話においても、俺なら天文部の活動に一環です、とか適当にごまかすけどな…それで認められるか否かの話ではなく普通のならそういう言い訳でもすれば良いのにそれをやらない、そこに納得がないという事なのよ、
そして先生に対してのバカヤロー発言もその後どうなったのかわからん納得のない描き方だし…、、、不眠症は病気だ!と舐めんな的な反論を・教師の無知/知識・理解不足を説くみたいな事をしたのかと思ったのだけどそうじゃないみたい…それだったらあれからあの場をどうやって収めたんだ、とそこを描かないことに納得がない。
やはりこの作者はポンコツだな、納得を作ろうとしない作者だなと最初の認識は間違いなかったなと感じましたとさ。

 


そんな感じで観ていたら、天文部の話・カメラの話を結構まじめに詳しくやるつもりみたいでこれは不眠症メインの話なの?天文部活メインの話のなの?不眠症はとっかかりに過ぎず天文部メイン?天文部的には不眠症(夜眠くないの)は良いものだよーと言いたい訳じゃないよね?と話の方向性が分からんくなったのよね。

 

 

でそのまま観進めていったのですが、この作品で納得を感じたのが主人公とヒロインの不眠症の原因の話。
ヒロインは心臓に疾患があり手術後もいつ自分の心臓が止まってしまうか・眠ってしまったら次の朝を迎えられないかもしれないという不安・恐れが原因で眠れない事が語られます。
主人公の方は朝起きたら母親が居なくなっていた…夜眠って朝起きたら大切な人が居なくなっていたという過去があり、また同じ事が起こる不安・恐れから眠れない事が語られます。
これはなるほどと納得・説得力のある設定だと感じましたね…、
ただ思ったのはもしかしたら作者は似たような経験をしているのではないか、、、朝起きたら親しい人が起きてこなかった・目を覚まさなかった…前日までは当たり前に会話もしていたのに急に夜の内に亡くなった、という経験があったのではなかろうかと感じました。
いや、なんかそういう説得力を感じた設定でしたね。

 


正直言うと作品序盤(導入)のイメージが悪かったのもあって不眠症も大した理由はないんだろうなと考えてました(もっと言うと実は不眠症ではなくて「おねてぃ」の『停滞』の様な不思議症状な設定かと考えていました)
それが良い意味で裏切られた感じでしたね。

 

 


良かったと感じたのはこの部分だけでそれから後の物語展開については特に語る事はないのですよね。
(陽キャパリピグループでもないのに男女グループであんな仲良く行動したりせんやろという感じで主人公・ヒロインの友達グループがただ賑やかしの為の添え物になってしまっているのですよね…キャラというキャラがない、人間関係の問題が起こったりしない健全なただの賑やかしメンバーに成り下がってしまっているのですよね。

 

冒頭で述べた物語最序盤で主人公に難癖付けたモブ女子はヒロインの友達の一人だった訳ですが、もしかしたらこのモブ女子は主人公の事が好きなのではないかと考えたりもしていたのですが…そんな展開はありませんでしたね…まぁあったらあったでそんな小学生男子みたいな(好きな子を逆にイジメるみたいな)メンタル設定のJKなんて納得がないのですがね…しかしひょっとすると作者の最初の構想ではそういう展開もあったのかも…、でないと物語冒頭のモブ女子の言動がただ納得がなく不快なだけになってしまうらね。

 

まぁともかく主人公とヒロインの二人の関係だけの物語で他はホントにモブとなってしまっている展開なのですよね…それが残念)

 

 


主人公、ヒロイン共に不眠症の原因は精神からくるものなので、二人が不安・恐れ以上に幸せを感じる事が出来れば不眠症も解消される事になるのかな?(ヒロインの方はまだ不安の方が大きいみたいだけど)
今後どう物語が展開するんだろうね、「四月は君の嘘」みたいな展開はごめんだけど何考えてるか分からん作者だからね…、あのモブ女子が「君の膵臓をたべたい」のヒロインの友達ポジにも感じられる気がして展開が怖いわ。。。

 

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上