アニメ「僕の心のヤバイやつ」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「僕の心のヤバイやつ」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


最初の内は主人公のその言動に共感性羞恥なのか同族嫌悪なのかなんだコイツ…と観ていてイライラしていたのですが観ていく内に(第3話辺りで主人公が自分の気持ち、山田に対する気持ちを自覚する辺りから)段々と面白くなり中盤~終盤はキュンキュン感じながら観ていましたよ。

 


ホントに最初はこの作品のジャンル、タイプが分からず、「久保さんは僕を許さない」、「からかい上手の高木さん」や「イジらないで、長瀞さん」の様な第1話の時点からヒロインの主人公への好意ありそれが揺るがない物となっている設定のタイプの作品…ヒロインが主人公にちょっかいかけてくる系の作品かと考えていたのですがどうやら違う様で、ヒロイン山田は徐々に主人公に惹かれていってる、、、という作品になっているのですよね。

 

なので「ラブコメ」というジャンルよりかは純粋に主人公・市川と山田の恋愛もの、ラブストーリー感が強い作品となっています。

 

そこいらの「ラブコメ」作品より見応えがあり、ストーリー展開にしても主人公・市川の心情描写にしても納得のある流れで観ていて面白かったですね。

 

 

主人公のあの捻くれた性格も受験失敗からくる自信のなさ・自己肯定感の低さが形成されているという設定…、山田からの好意を感じつつも自己肯定感の低さからそれを否定しているキャラ、心情描写は良いですね。
(他のラブコメ物によく見るような相手からの好意に気付かないただの鈍感キャラ、異性を意識しない非人間的なキャラではないというのが良いのですよ)

 

 

また主人公が「山田に利用された!?」と感じた回では、たとえ利用されていたとしても良い・山田とお近づきになれた…と思える様な感情ではなく、自分が好きになった娘が自分の事を何とも思っておらずただ利用されていたと感じられてしまいそれがどうしても耐えられず悔しく悲しく切ないと思う程に山田の事が好きだったという展開・見せ方も良きですね。
(その後この事が原因で山田と距離を取った主人公が山田を泣かせてしまう訳ですが、主人公は悔しいとか切ないとかの自分の気持ちより(泣かせてしまった、好きな娘)山田の気持ちを優先させて仲直り?したというのも良きですね)

 


冒頭でも少し述べた様に共感性羞恥、同族嫌悪を感じるほどに市川の心情描写に納得があり、また要所要所で山田を助けてたりなどそのヒーロー性・主人公性もありちょっと癖はあるけど良い/面白い主人公キャラだと感じますね。

 


ただね…、山田が市川に惹かれる理由の描写がちょっと弱いかな。。。
確かにね主人公は山田を助けたりしてるけど…普通のモブ女子キャラならともかく美少女キャラ設定の山田が惹かれるとなるとそれだけだとちょっと弱いと感じるのよね。
なんか他の男子との違いを見せて欲しいね…例えば他の皆が助けない中で市川一人が山田のために行動を起こすとか(市川一人が気付いているという状況ではなく皆同じ状況でありながら市川だけが動いたみたいな)。

 

主人公・市川の言動には納得があるのですがヒロイン・山田側がちょっと弱いと感じてしまうのですよね…。
山田は可愛く描かれていて(アホの娘かわいい、ちょっと抜けてる娘かわいい的な成分が多分にありますが)そこは魅力的なのですが主人公・市川に対する心の変遷をもうちょっと詳しく、納得のある様に描写して欲しかったかなと感じますね。

 

主人公・市川と山田の恋物語の続き…、2期があるなら期待したいですね。

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

 

以上