アニメ「とあるおっさんのVRMMO活動記」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「とあるおっさんのVRMMO活動記」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

 

 

タイトルから始まり物語展開、キャラクター設定、世界観設定に至るまで(ついでに言うなら作画も)納得がないかなり残念な作品でしたね。

 

物語展開は感覚的には「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」(以下「防振り」)みたいな感じ(ゲームを始めたばかりの主人公がなんやかんやでトップクラスのプレイヤーになりゲームを進めていく展開、また裏で運営が動いている様も似ていますね)。
しかし、防御振り程にとがった設定がない、ただ中年が普通のプレイで普通にゲームを楽しんでるだけみたいな展開なのですよね。

 

 

で、普通にVRゲームをゲームとして楽しんでるだけの作品なら同時期(2023年秋アニメ)の「シャンフロ」との比較になるのですが、キャラクター設定、(ゲーム世界の)世界観設定等の設定のち密さで今作「とあるおっさん~」の方が圧倒的に負けてる(とがった設定や魅力あるキャラクター設定等でも突出した部分がないので「シャンフロ」に対し何にも勝てていない)のですよね。

 

 


まず、キャラクター設定、強さ設定の納得の無さから。
主人公はゲームの古参プレイヤーでもなく後発プレイヤーなはずなのに熟練プレイヤー?(金ぴか鎧の奴)に勝利するという意味の分からなさ、強さ設定の納得の無さがまず問題だと感じる。

なんだ?この主人公は「シャンフロ」の主人公の様にゲームスキルが高いおっさんって設定なの?そんな説明全くなかったと思うけど…もしかして主人公は伝説的プレイヤーで久々にゲームプレイを再開した、とかの設定なの?違うでしょ?
それなのに新参プレイヤーが熟練プレイヤー?(重課金プレイヤー?)に勝ってしまう…、まずそこに納得がない。

 

 

また他にも強プレイヤー/トッププレイヤーを打ち負かしてしまう様な強さを持った妖精女王に主人公が勝利したり、おそらくレイドボス級のドラゴン相手に(ドラゴンの中では最弱らしいが)ソロで勝利したり…とその強さ設定の支離滅裂さ/メチャクチャさ(強さ設定が全くできていない事)に納得がないのですよ。

 

この主人公のおっさんって仕事終わりに息抜きにゲームやってるだけ(の設定)だよね?一日中、一年中ゲームやってる様なゲームガチ勢じゃないのよね?重課金してる訳でもないのよね?それなのにトップクラス(or重課金)プレイヤーを倒したり、トッププレイヤーでも勝てない相手に勝利したり、前人未踏のダンジョンでソロ攻略を成し遂げたり、レイドボスを一人で攻略したり、と数え上げたらきりがないくらい(は言い過ぎですが)意味が分からん、納得がない事だらけなのですよ。

 


(「シャンフロ」の主人公の様に)ゲームプレイスキルが特別高い訳でなく…(そういった描写は一切ない)、
(「防振り」の主人公の様に)何か特殊なプレイ/他の誰もやっていない様なプレイをしたりという事もなく…(普通に当たり前のプレイを地道にやってるだけ…、他のプレイヤーが同じ事をやっていても全然おかしくない様なプレイをやってるだけ)、
それなのに何故強いのかの納得がない、意味が分からんままの状態であるのに主人公がゲーム進行の最前線に居る、なんだこのキャラクターの設定、強さ設定は!なんだこの物語展開は!アホじゃなかろうか…。

 


物語展開も自然な流れとは程遠い、展開/イベントありきというか無理やり主人公と絡めて話を進める強引な流ればかり…。
もう流れ作業みたいに流れてくるイベント(物語展開)をこちらも作業みたいに観ているだけでしたよ。。。

 

 


あと、主人公が一時的に他プレイヤーとパーティを組むのですが、別にこの仲間プレイヤーが主人公や物語展開に深く絡む訳ではなく、また主人公は基本的にはソロプレイを好んでいるのでこの仲間プレイヤーのキャラはなんか出てきた意味あるの?ただの賑やかし?とそのキャラ配置の意味も分からん、納得がないのですよね。

 

更に言うなら、タイトルにもなっている「MMO」という単語。ソロプレイを好む主人公がソロで活躍するタイトルとして機能しているの?意味あるの?
(更に重ねて言うならタイトルの「とあるおっさん」について、、、ただの普通のゲームスキルしか持たないおっさんという事なら別にこのタイトルで良いけどさぁ、上述した疑問(納得のなさ)に納得を持たせるならば、「ただの普通のゲームスキルしか持たないおっさん」ではなく「神業的なゲームスキルを持つ伝説のプレイヤー」的な『伝説のおっさんの~』的なタイトルにすべき、と感じますね)

 

 

 

あとこれはどうでも良い疑問/気になる事なのですが…、主人公がゲーム内で頻繁に料理をしているんですよね。
アニメの描写としてもそれなりに尺を使って描いているのですが、この料理シーンはゲームでも同じ様に時間を消費しているのかね?コマンドで一瞬で料理完成、ではなく一つの料理作るのに5分とか10分とかそれ以上の時間を料理/調理時間として費やしてるのかね?VRだからと言ってそんなところまで再現されてるのかね?それってゲームとしてどうなんだろ?主人公が料理して疲れている描写があるけどパラメータとして疲れているだけなのでしょうかね…、まぁどうでも良いですけど。

 

 

 

と、タイトルから、物語展開、キャラクター設定、世界観設定等々、色々と納得できない事が多い(ついでに作画も残念で物語愛、作品愛が感じられない)残念なガッカリ作品でしたよ。もっと他にアニメ化する様な作品なかったの?

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上