アニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 深章 厄災篇」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 深章 厄災篇」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


「3期の感想」、「4期の感想」でも書いた事ですが、
1話1話に緊張感がありお話はそこそこ面白いし、作画面も安定していてバトル・アクションシーンなんかも悪くない(…特別に良いという事もない)のですが、
(1クールの)シリーズ全体として観たとき大して面白くないという感じなのですよね。

 

 

強敵相手に苦戦する主人公が描かれているのですが…、物語の主人公だし結局は無事に地上に戻るであろう事が想像されるので実際には緊張感はないんですよね。
切られた腕も元通りになるし…。これがもし「メイドインアビス」の様な世界観・設定であるなら深層まで行ったらもう地上には戻れなくなるし腕もご都合で簡単に治ったりしない展開となり緊張感・絶望感も半端ないモノになるのでしょうが、、、(これも「4期の感想」で語った事ですが)

 

ダンジョンに潜っては地上に帰ってくる~の繰り返しというのがゲーム感が強く、命を懸けて/人生を懸けて探索を行う冒険者たちの緊張感、危機感、覚悟というものを薄くしてしまっているんですよね。
そういう所(ゲーム世界という設定ではないのに/主人公達にとってはリアルなはずなのにやってる事がゲーム感覚な設定)が、この作品「ダンまち」を俺が好きになれないと感じる理由であり、
世界観設定・構築に納得のないこの作品がなぜ4期も5期も続編が作られるほど人気なのだろうと不思議に感じるのですよ。

 


作品全体を通して見てもストーリー構成が特に面白い訳でもない…、苦労して強敵を倒したらまた新たな強敵が現れて倒してまた敵が現れて…の繰り返しで単調な展開だよね。。。
深層に行けば行くほど敵が強くなるというのは理解するけど…、(例えばこれまでの敵がLv10、20、30、40…の様に段階的に強くなっていったとしても)
4期からの引き続きの敵であるあの骨のモンスターはダンジョンを護るためにダンジョンが生み出した超特殊個体な訳なのよね?これまでとは明らかに違ういきなりLv100の敵が現れた様なものだと考えてるのだけど…、
それなら基本的には倒すことは不可能であり倒せちゃったらダメだと思うのですよ…。作者の強さ設定が本当にしっかりと出来ているなら倒せてしまうのはおかしい(例えばLv40~50が二人掛かりだとしてもLv100の敵にはどう頑張っても勝てないでしょう)と感じる訳なのですよ。

 


(ダンジョンを護るために)、冒険者(ダンジョン破壊者)達が絶対に勝てない様な(冒険者/ダンジョン破壊者を殲滅するための)モンスターとして生み出されているはずなのに倒して終わるという展開はどうなのかな?
強さ設定を無視して(作者の強さ設定が出来ていない故なのでしょうが)、主人公だから勝てちゃうというのは納得がない展開なのですよね(今回の敵に関しては「勝たない」で「逃げ切る」とか何かしらの理由・設定で「撤退させる」様な決着で良かったのではと考えるのですよ…強さ設定をしっかり守ろうとするならば、ね)。

 


また、深層内でのザコモンスターの強さ(設定)の描写についても。
深層へ落とされた主人公が深層のザコモンスターと戦う場面があるのですが基本的に一撃でやっつけてるのよね…。なんか核を攻撃してるかららしいけど、そんな一撃でやっつけてたら深層の強敵感が全くないのよね。
低層のザコモンスターと変わらんやん、的な感じなのよ。ホント強さ設定が出来ていないのよね。一匹倒すのにも苦労する、みたいな描写が正解だと思うのですよ(それは例えば映画ドラゴンボールのメタルクウラの様な、苦労して倒したと思ったら同じ強さのが何体も出てきた、みたいな)。

 

 

あと他には、これは3期のお話の構成についてとなりますが、
言葉が通じるモンスター達との交流を描いたお話が展開され主人公はそのモンスター達を守る側になるのですが、この設定大丈夫?と感じる。


このモンスターたちとの出会いの後、主人公はモンスターを倒すのにちょっと躊躇う描写があったかと思うのですが、4期5期ではもうそれが描かれていないのですよね(主人公はモンスターをサクサク倒してる)。

いやね、主人公は何を持って判断してんだろ?このモンスター自分に向かって襲い掛かってくる、このモンスターは喋らない、だから倒してイイ…と判断してんのかしら?
いちいちそういう風に(はい、コイツは殺して良い/コイツは殺さない、生かしておく、と)考えてモンスターを倒してる主人公を想像すると怖いわ…。
容易にそういう事が想像される展開になるのに3期にもなって今更、倒すべき敵として設定されていたモンスターに新たな設定を加える意味がわからん、ホント先を見据えた構成が出来てんのかと作者のその物語展開・構成に納得がないのですよ。

 

 

 

と、色々と納得ない点はあるのですが貶めすほど悪くはないので
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

 


以上