アニメ「陰の実力者になりたくて! 2nd season」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「陰の実力者になりたくて! 2nd season」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


今作「~2nd season」は大きく、吸血鬼編・偽札編・王女編の3つのエピソードで構成された1クール作品となっていました(第1期は20話の変則編成でしたが第2期は普通に当たり前な12話構成でしたね)。
この中で敢えて言うなら偽札編が一番良かったですかね…。しかし、それはお話そのもの(信用崩壊、展開云々)の面白さという事ではなく主人公組織内のバトル/強者同士のバトルが見れた点が良かったという感じなのですよね。

 

いやね、第1期の感想でも書いたけど、この作品って強さの見せ方が下手なのよね…。最強主人公が敵と戦って圧倒して終わるだけだからさぁバトルがつまらないというかどこに面白さを見出せばよいのか分からないのよね。
敵が本当は大して強くもないのにイキッているだけの奴なのかそれとも主人公が強過ぎるのか分からんのよ、物語展開としての見せ方が下手だから…。
そんな中で、偽札編では主人公組織内でのバトル(主人公と同じ戦術/流派同士のバトル)…主人公vs主人公組織の実力ツートップとのバトルというのが観れて興味を惹かれた部分がありまたね。

 

(結果は、主人公の方が圧倒的に優っているという感じでしたが…、、、何故そこまで主人公が強いのか?同じ戦術/流派を用いるのであるなら血筋・血統・遺伝子的にエルフや獣人の方が基本スペックが高く主人公(人間)より強くなりそうな気がしますが…、努力だけで天賦の才など関係なく圧倒できる様になるもんなの?主人公と同じ努力さえすれば誰でも最強になれるという事なの?とその強さ設定の描き方には納得がないのですがね。。。)

 

 


で、お話自体については、第1期の感想でも語っている様に(上記でも少し語っていますが)面白くはない、のですよね。

 

吸血鬼編でも王女編でも「伝説の~」や「観測史上最大級の~」敵を主人公がいつもと同じ様にただ圧倒して終わるからその敵がホントに強いのか凄いのか恐ろしいのかよう分からんままなのよね、ホント見せ方がヘタ…。第1期の頃から「英雄の~」、「伝説の~」、「最強の~」敵に主人公が圧勝して終わるだけ、の繰り返しだから観ていて何も盛り上がらない…、ただ派手にドンパチやってるだけでその強さの見せ方に納得がない造り、展開になってしまっているのですよね。

 

 

 

あと、教団との直接対決以外のお話について。

第1期の王女(花澤王女)のエピソードなんかの教団との直接対決以外のお話について、、、要らないと思うのよね。強さ的には主人公サイドの戦力とは天と地ほどの差がある訳なのよね?言ってしまえば強さ的には「ほぼモブ」なのですよね…別に居てもいなくても何も変わらない、お話的に盛り上がる事もない、という感じなのですよ。

 

 

 

上述した「お話的に盛り上がる事もない」にもつながる話として、主人公の性格設定の問題もあります。

主人公って基本的に陰の実力者ムーブ以外に興味がなく、仲間意識/家族意識がないという描かれ方なのですよね。血を分けた実の姉に対しても死んでも自己責任という感覚だし、組織内の仲間に対してもおそらく使える駒程度、遊びに付き合ってくれる都合の良い存在程度でしかないですよね。

そんな人間味のない主人公、精神異常な主人公に理解/共感/好感、興味を感じるはずもなく…そんな読者/視聴者の理解の及ばない主人公と他者との関係性を観ていてもお話が盛り上がる事を期待できるはずもないですよね、という話。

(対して「オバロ」の主人公(アニメ「陰実」はおそらく「オバロ」の後釜的位置に据えるために作られた…角川が注力している作品という認識なので比較対象としています)は、自陣営の仲間を家族(息子、娘)の様に思っており「家族の幸せのため」というのが主人公の大きな行動指針となっていますね…そこに理解/共感/好感、興味を感じる事が出来るのですよね、、、まぁ家族・仲間以外の人間については主人公は悪・恐怖の対象でしかないのですが…、そこも含めて納得がある造りとなっているというお話)

 

 

強さ設定、その見せ方、物語展開、主人公のキャラ設定とホント「物語」を作るのが上手くない、と感じる作者なのですよね。。。

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上