「メイドインアビス」 ~最新67話 「誕生日に死ぬ病」、アビスの意思についての解釈・考察

最新67話にてスラージョそしてリコが語った「魂」と「誕生日に死ぬ病」についての自分なりの解釈をば。

 

 

アビスが放つ「魂」が浸透…魂と命が重なる…命の紋が形作られる…魂と混然一体となった存在となる事で「呪いの具現」が起きる様になるとの事。

 

『アビス』は自らの「欠片、一部、分身、肉片」とも言うべき『魂』を生物/命に融合・一体化させる事でその対象生物に干渉できる様になるという事みたいですね。

 


で、「誕生日に死ぬ病」の仕組みについて。
『アビス』は(自らの一部である/アビス由来の)「『魂』と混然一体となった生物/命」(『魂』を浸透させた生物)の情報を『魂』を通して読み取ったりする事ができるみたいで、それ故に『アビス』は対象の「誕生日」を知り得てその日にピンポイントで命を刈り取っている、という仕組みの様ですね。

 

(リコのセリフ「いつ生まれたことにしたのか」…、この意味はちょっと判断しかねる/一概には言えないのですが、おそらく「この世に生まれ落ちた正確な日時…真の意味で「誕生日」でなくても良い」という事かなと考えています。例えば孤児院の子供達の中には正確な「誕生日」が判らない子供が居てもおかしくないと思います。そういう子供達に与えられた「誕生日」(拾われた日や入所日等)…真の意味で「誕生日」(生まれ落ちた日)でなくとも良い…本人が・周りが「誕生日」と認識している日付であれば良い…、(詳細は後述しますが)その認識こそが『アビス』にとっては重要なのかなと考えています)

 


「誕生日に死ぬ病」は事故、病気にかかわらず何故かしら命を落とす(スラージョ曰く)「隠された呪い」とされていますが、この「呪い」(誕生日に死ぬ病での選別)はエラー品に弱いともされています。


考えるにおそらく、「死」という<強い>「呪い」…それはアビス深界の7層の上昇負荷(確実な死)クラスになる訳ですが、それを上昇負荷というトリガーもなしに地上で発生させようとしたら対象(魂と混然一体となった生物)への相当な精密操作が要求されるのではないか…、それ故にエラーを含んだ個体であった場合は「誕生日に死ぬ病」の「隠された呪い」が発動しないという事かなと考えています。

 

 

(スラージョも言っていますがあくまで『【この選別】はエラー品に弱い』という事で『「誕生日に死ぬ病」の「隠された呪い」』についてだけであり、エラー品であろうとも通常の上昇負荷の「呪い」は普通に漏れなく受ける・発現するという事ですよね…エラー品であるリコがこれまで(1~5層の)上昇負荷を受けている事からも明らかですね、、、ナナチについては上昇負荷を受けた描写がない?のですがまぁナナチの場合は特殊で「祝福」を受けているのでもしかしたら呪いを受けない身体になっている可能性もあるかもですが…)

 

 

 

<2024.02.15追記>

白笛と祭壇の膜について確認するために前線基地編を読み直していて気付いたのですが、ボンドル殿が「命を響く石」の原料についての説明をする件(34話)において「命を響く石」に成り得る対象が『消去法』でリコのみであるとしています…、これは「祝福の子」ナナチには呪いが発現しない!?という事ではないかと思い至ったのですよね。

以下は、「命を響く石」の生成には6層の「上昇負荷」が必要であるという前提の下(プル石の出来方を見る限り)の話ですが…、『消去法』でナナチを除外している事に嘘はないと考えています(つくし卿のボンドル殿のキャラ設定が「嘘をつかないキャラ」である事から)。

「機械人形」であるレグには呪いがかからない/上昇負荷の呪いが発現しない…、これは分かります、納得できます。

そして呪いを受けない「機械人形」のレグと並べて語られる「祝福の子」であるナナチ…、ボンドル殿は嘘をつかないという事から考えて『消去法』で「命を響く石」の材料候補から除外されている「祝福の子」もレグと同じく呪いを受けないという事だと考えました(だからこそボンドル殿は自分も「祝福」を受けたかったのかなぁ)。

まぁボンドル殿が「祝福の子」ナナチを『消去法』で除外したのは…、個人的な趣味嗜好/ナナチが可愛いから・ナナチがレアだから/勿体ないからという理由でも「嘘はついていない」と言えるから微妙ではあるのですが、しかし実際これまでナナチが上昇負荷を受けた描写がないのですよね…レグ暴走時5層6層間でナナチが上昇したときも何の負荷/影響も受けてない様子でしたし…。なので俺は「祝福の子」は呪いを受けない説を推していきたいですね。

~追記終わり

 

 


あと、「誕生日に死ぬ病」は事故、病気にかかわらず何故かしら命を落とす、との事から…、
抵抗力・体力の弱い老人や子供には『アビス』が『魂』を通して対象(魂と混然一体となった生物)の熱を上げたり身体の機能を弱らせたりして「病気」として命を刈り取っているのかも…、
または高所(アビス/オースの地形上多数存在すると思われる)から足を滑らせる(『アビス』が『魂』を通して瞬間的に対象の平衡感覚を奪う/崩す、もしくは足や腕の筋肉を瞬間的に弛緩・脱力させる)みたいな事で「事故」として命を刈り取っているのかも…、と「魂」と一体となった対象の身体のちょっとした操作が可能なのではないかと考えられます。
さらに、双子の名前が理由はどうあれ必ず「シェルメナ」になるというのも『アビス』が『魂』を通して双子の親の「無意識」に働きかけ操っている…という事なのでしょうね。。。

 

 

 

と、「誕生日に死ぬ病」の仕組みについて今回色々と明かされたのですが…、
ではなぜ『アビス』はそんな事をするのか(レグがスラージョに問いかけ「知らん」言われてましたが)。


「誕生日」を確認してその日に命を刈り取る…、この事から『アビス』に意思がある事は明らか(スラージョ、リコの仮説が正しいとしてですが)なのですよね。

 

『アビス』に意思があると考えると『「誕生日に死ぬ病」を流行らせる事』に意味・目的があると思われます…。

 

では、『アビス』はどういう意味・目的を持ってそれを行っているのか、と考えて出てきた答えが「アビス信仰」でした。

 


それは…、「デスノート」のキラと同じやり方/考え方で、凶悪犯が次々とそしてその全員が心臓麻痺で死んでいけば誰でもが気付く…何者かが悪を裁いていると。

と同じ様に、誰もが「誕生日」に亡くなれば(その人数が増えれば増えるほど)…『誰か』が何かやっていると気付く…「メイドインアビス」という作品世界・「アビスの呪い」が存在する世界で「誕生日に死ぬ病」が流行れば当然その『誰か』は『アビス』という事になり、人々は『アビス』に救い(「死」からの救い)を求めてか、または逃れられない「死」を齎す絶対的な畏怖の対象としてか「アビス信仰」が高まる事になる…、アビスはそれを狙ってるのか!?と考えました。

 


スラージョはこれを「二千年毎に訪れる大量絶滅の下処理」と言っている事からか「誕生日に死ぬ病」はアビス/オースに止まらず全世界へと広がる事になるものと思われます。
ここからは妄想ですが(ここまでも大概ですが)、『アビス』が「魂の付与」=下処理を全世界へ広げるためにはより強いより多くの信仰が必要なのかな、とそのために『アビス』は「アビス信仰」を高めるために「誕生日に死ぬ病」を流行らせているのでは、と妄想・考察、解釈しています。

 

 

そして、前の段で少し述べましたが…『アビス』が意思を持って双子に「シェルメナ」を名付けているとするとそこにも意味・目的があると考えられ、そうすると最新67話の終盤のあの展開は『アビス』が「双子」を/「シェルメナ」を欲している様にも見えてきますね。どうでも良い存在であったらわざわざ『アビス』が意思を持って名付けようとはしないだろうという考えから、『アビス』にとって/アビスの深淵・魂の発生源にいる存在にとっては「シェルメナ」は大事な意味を持つのではないでしょうか(真相は68話を待ちたい)。

 

 


続いては、レグと「魂」についての疑問。

 

「魂」の役割の一つとして「意思の伝播」が挙げられています。

 

タマちゃんとの再戦(レグ+ナナチのサポート有りでの戦い)で描写されたレグの意思…。
タマちゃんはレグの動きを見て先読みを行ったのではなく力場の流れ~「魂」を通した意思の伝播~を感じ取ったという描写の理解なのですが…、
レグに呪いが効かない理由を…アビスが放つ「魂」が浸透しない=「魂」と命が重ならない=命の紋が形作られない=「魂」と混然一体とならない存在…、であるが故にレグには「呪いの具現」が発生しない、と67話を読んで解釈したのですが、、、呪いが発現しないレグ~アビスの放つ「魂」が浸透しないレグ~「魂」と混然一体の存在とならないレグ~ですが「魂」を通しての呪いは発現しないけど意思の伝播は起きる!?「呪いの具現」と「意思の伝播」では条件・魂の浸透度合いの違いがあるという事なのでしょうかね。

 

 

「意思の伝播」は「魂」と混然一体の存在とならなくても起きる~「魂」が浸透しなくとも起きる~(レグの)体の表面を「魂」が覆う程度であっても起きるという事なのでしょうか。
う~ん、もう少し情報が必要か、解釈・考察を改める必要があるのか…。。。

 

 

 

あとは、何故ファプタに呪い効かないのかという疑問。
ファプタも『アビス』が放つ魂が浸透しない~「魂」と混然一体とならない/「魂」と命が重ならない~存在という事なのでしょうが、機械の体?のレグ(少なくとも生身の肉体ではないっぽい)に「魂」が浸透しない~「魂」と命が重ならないのは何となく理解できます。しかし、レグとは違い明らかに生物であるのにファプタに「魂」が浸透しない~「魂」と命が重ならない~のは何故なのでしょうか(またファプタ以外にも「呪い」が効かない原生生物もいる様子ですが、「呪い」が効かないのはファプタと同じ理由なのでしょうか?)

 

ここら辺りの考察を進めるにはもう少し情報が欲しい所…。

 

 

 

取り敢えず今回は「誕生日に死ぬ病」とアビスの意思についての自分なりの解釈・考察とレグ、ファプタの疑問を提示して終わりにしようと思います。

 

また何か思いついたら(考察を進めるための材料に気付いたら)、「獣相」や「探窟史の恥部」や「ぶちまけられた呪い」についての再考察でもやりたいと思っています。

 

 

以上