前回の感想(の予告)で語っていた通り、今回は白笛・ボンドルドについての深掘りとなります。
…正確には、ボンドルドが「カートリッジに繋がる実験を思いついた・閃いた経緯」の考察…というか作中の表現・描写(リコ、ボンドルドの会話)から推察される~俺自身が納得出来る様に考えた、おそらくこういう物語があったのであろう~事の経緯の解釈/認識についてとなります。
今回「カートリッジ法考案」の解釈にあたり材料にする/キーワードになるのが、
・『~それ以降の我々は精神性を生物でないと判断されてしまい使い物になりません』(34話:ボンドルド)
・『「カートリッジ」に繋がる実験も…「白笛」…「命を響く石」を創り出すやり方をいじってるうちに閃いたんでしょ…』(34話:リコ)
になります。
ボンドルドがカートリッジによる呪いの肩代わり(押しつけ)法を思いつく・閃くに至った前段としてまず、「精神隷属機(ゾアホリック)」を用いて自分のコピーを作成しておきその保険を得た上で自分自身を供物として白笛(物理)になった、という実験があります。
(この辺りは前回(「白笛・ボンドルド」について)の考察でも語っています)
で、自分自身の肉体を白笛(物理)にした後のボンドルドは「精神隷属機(ゾアホリック)」で事前に作成しておいたコピーにより復活します。
(祈手達に植え付けておいたボンドルドの中の一つをサブドルドからメインドルドへ切り替えて(便宜上アンブラAとします)復活を果たします)
ボンドルドは自分自身の肉体がブチブチミチミチと白笛(命を響く石)になっていく恍惚感が忘れられずにもう一度味わうために、、、
というのは冗談で、先の実験で自分自身が「白笛(命を響く石)」になれた事から同じ精神・魂を持っているアンブラAの肉体で同じ実験をすれば「白笛(命を響く石)」を量産できるはず、と考えたのでしょうね。
アンブラAの肉体(魂は表層:ボンドルド、深層:アンブラAの状態)で六層の上昇負荷を受ける実験を試みます。
(ここで前回(「白笛・ボンドルド」について)の考察内での疑問…祈手内のサブドルドがメインドルドになる切り替わった時、祈手(その身体/肉体の本来の持ち主)の魂はどうなるのか…、ボンドルドと入れ替わる様に精神の奥の方で眠る事になるのか、それとも消滅してしまうのか…という疑問についての答えが今回出た感じなので述べておくと…、おそらくサブドルドがメインドルドになってもその身体/肉体の本来の持ち主の祈手の魂は消滅する事はなく、精神の奥の方で眠る…休眠するような形になるのだと考えられます)
そしてその実験の結果は…、
ボンドルドの想定とは異なり、アンブラAの肉体は普通に成れ果ててしまい(「白笛(命を響く石)」に成る事なく)、さらには心(魂)の深層で眠っていた(休眠状態であった)はずのアンブラAの魂の方へ呪いが掛かり人間性の喪失(知性、人格の喪失)もしくは(アンブラAの魂の)死が訪れたのでしょう。
しかし、表層に居たボンドルドの魂(知性、人格)は無事のまま…という事が起こった、と考えられます。
(まぁ魂(知性、人格)は無事であっても肉体・器が成れ果ててぐちゃぐちゃなのではどうしようもないと考え、アンブラAをメインドルドとしていたがサブドルドへ切り替えた(アンブラAのボディを捨てた)のでしょう)
ここでボンドルドは「おや?おやおやおや」と疑問に感じ、次の実験を試みます。
アンブラAを捨てて次にアンブラBの肉体/器で魂:表層…アンブラB、深層:ボンドルド(サブドルド状態)で六層の上昇負荷を受ける実験を再度行い…、
そしてその実験の結果は…、
アンブラBの肉体は普通に成れ果ててしまい、アンブラBの魂は呪いを受け人間性の喪失(知性、人格の喪失)もしくは(アンブラBの魂の)死が訪れたと思われます。
(※身も心もボンドルドに捧げている連中なので、もしかしたら「祈手型」とは異なる別の「白笛(命を響く石)」に成った可能性も大いにあり得ますがね)
で、この再実験においても心/魂の奥の方・深層で休眠状態であったボンドルド(サブドルド状態)の魂は無事であった(アンブラBの肉体/器でサブドルドからメインドルドへの切り替えを行えば知性、人格を持った成れ果てとなる事が出来た)という結果になったと思われます。
上述した様な実験結果があっての、
『~それ以降の我々は精神性を生物でないと判断されてしまい使い物になりません』
なのだと考えています。
(「アビス」からすると遺物によってコピーして造られた魂はたとえオリジナル(ボンドルド)と同じ知性、記憶、人格を持っていたとしても生物/人間の魂ではないのでしょうね…正確に言うなら「魂」ではない、と判断されているのか?「同じ知性、記憶、人格を保持している【物】」と判断されている?
ここをさらに深掘りすると(今回のテーマとは関係ないのですが)…、レグが呪いを受けないのは機械の体だから…、というよりもその「魂」が造り物(と「アビス」から判断されている)だから、という事になりますね)
そしてボンドルドはさらに思考と試行を進めます。
ボンドルド「私の魂が生物でないと判断されたのは遺物によって造られた複製物だからという事なのでしょうが…、(アンブラAやアンブラBの実験時の様に)一つの肉体/器に二つの魂が存在する場合、上昇負荷の呪いはどうなのでしょうか?
両方に等しく呪いがかかるのでしょうか?そもそも「アビス」は一つの肉体/器に二つの魂の存在というのをどう認識しているのでしょうか?
もしかしたら距離が関係しているのかも知れませんね。ある一定距離内に居て同じ速度で上昇すれば「アビス」は二つの肉体を一つの肉体と認識してどちらか一方にしか呪いが掛からない、という事が起こり得るのではないでしょうか…、実験してみましょう、アンブラC、アンブラDちょっと六層へ降りてください」
アンブラC、D「いや~さすがに勘弁してほしいでやんす」「そうでげす、そんな使い捨ての様な実験に俺ら祈手使わなくても…」
ボンドルド「そうですか、では外(オース外)から仕入れてきますか…」
みたいな流れがあったのかも知れません…。で、ナナチやミーティが連れてこられる事になる訳ですね。
(それまでに試行錯誤を繰り返し、ある一定距離内に居る二人の人間/生物を同じ速度で上昇させるための装置としてあの昇降機が造られたのでしょうね)
この辺りが
『「カートリッジ」に繋がる実験も…「白笛」…「命を響く石」を創り出すやり方をいじってるうちに閃いたんでしょ…』
なのだと考えています。
(…このセリフの真に恐ろしい所は、ここまで述べてきた様なボンドルドの思考と試行(の結果)を、リコはわずか数舜の間に頭の中で正確にトレースできてしまっている、という所なのですよね…。
(以前考察の中で語った事ですが「メイドインアビスの作中で登場人物が結論の様に語る(推察する)事はそのまま受け取って良いと考えています。」…件のセリフもこれが当てはまりリコが推察した事はボンドルドの反応から明らかの様にズバリ当たっているのでしょうね)
まぁリコがボンドルドをトレースして推察した内容と俺がここまで述べてきた内容・解釈が一致しているかどうかは分からないのですが…、、、リコは僅かな手がかり、情報からボンドルドの思考と試行を驚くほど正確にトレースできていると思われます、それはあのボンドルドが一瞬黙ってしまう程に…。
ろくでなしや化け物と呼ばれているボンドルドの思考が「分かって」しまう、、、リコ…恐ろしい子。。。というお話)
ここで初見時からずっと疑問だった事があるのですが…、
ボンドルドは呪いの押し付けをどの様に実現しているのか?
(ナナチが受けるはずの呪いをミーティへ押し付ける、という制御をどの様に実現しているのか?)
最初に考えたのは、昇降機は元々あの場所にあった「遺物」であり呪いの押し付けの効果を持っているのかと考えたのですが、そうだとすると呪いの押し付け/肩代わりにはカートリッジ一つ一つにその「遺物」を仕込む必要がある、という事になってしまうのですよね…貴重な?有限の遺物を消費しているとはちょっと考え難いのですよ。
では、どう実現しているのか?
ナナチとミーティどちらに呪いが行くのか分からない、ではなくボンドルドはミーティに「あなたは押し付けられる側です」と呪いの向かい先をはっきり認識しているのですよね…。
で、ここからはこれまで述べてきた解釈・認識の話とは変わって考察・妄想になるのですが、、、
呪いの押し付けは男女が居た場合(ある一定距離内で同じ速度で上昇させた場合)、男から女へ呪いが押し付けられるのではないでしょうか。
ボンドルドの「【あなたは】押し付けられる側です」というセリフ。
「【そちらは】押し付けられる側です」という(左右一対の)昇降機での場所・方向を示すセリフではなく【あなたは】というミーティ自身を指す言葉である事に注目しました
(まぁこの言葉(【あなたは】)に特に深い意味はないという事も大いにあり得ますがね…)。
ボンドルド(男)の呪いを押し付けられたレシーマ、プルシュカは二人とも(女)ですね(他三名ほどの子供達は名前からだけでは性別不明)。
ナナチの呪いを押し付けられたミーティも(女)、という点からの「男から女への呪い押し付け」考察となります。
この考察・仮定の下で言えば、ナナチの性別は(男)という事になりますね。
実はこれ(ナナチは男説)についても若干ですが(弱い材料ではありますが)根拠はあります。
レグはマルルクを一発で男の娘だと見破っています(リコはマルルクを女の子と勘違いしたままなのですが)。
…何が言いたいのかというと、レグは同性/異性を嗅ぎ分ける(文字通り匂いに敏感なレグが嗅覚によって嗅ぎ分ける)もしくは勘が鋭いみたいな能力があるのかなというお話です。
そしてレグは女の子相手だと気後れするというかグイグイ積極的には接触しに行くことはないし、迫られると頬を赤らめ照れたりします。
しかしナナチ相手にはそれがないのですよね(頬を赤らめる様な描写は多分なかったと思う…、ふわふわを嗅いでデリケートレグになったりはしますが)。
上記の様な(弱い材料ではありますが)ナナチ男説が俺の中にあり「男から女への呪い押し付け」考察となっています。。。
という事で今回は、
ボンドルドがカートリッジに繋がる実験を思いついた・閃いた事の経緯の解釈/認識についてとおまけのナナチ男説についてでした。
次回の予定(考察テーマ)は、
白笛でのパワーアップについて、を予定してます(大した内容ではないですが)
以上