アニメ「神之塔 他3本」 ~感想

録り貯めしていたアニメをここ2~3週間で一気観しました。

 

以下、多少のネタバレを含む感想となります。

基本的には、可もなく不可もなくという様な作品ばかりの感想となります。

 

「邪神ちゃんドロップキック'(ダッシュ)」
こちらの作品、1話目を見逃しています。新番組チェックなんてやってなくて改編期になったらアニメで検索かけて手当たり次第に録画してるだけなので「邪神ちゃんドロップキック」の再放送だと思っていて録っていませんでした。その後どうやら再放送ではなく新番組だと気付いたのですが…、再放送が多い時期だっただけにもっと第2期であると分かり易いタイトル付けてくれてれば、と思ったのですが。。。まぁギャグ作品だし関係ないかと2話から観始めました。


そして3話か4話あたりのエピソードで、この作品って「こち亀」だったのか気付かされ驚きました(2期目にして)。邪神ちゃんは両さんよろしく意外と手先が器用で商才もあるのに変に暴走して失敗して大原部長ことゆりねに怒られるという展開がまさにこち亀だなと感じたのでした。そこでこの「邪神ちゃんドロップキック」という作品は美少女キャラ版こち亀なんだな(ちなみにこち亀両さんのATMこと中川の役割はメデューサですね)と、、、「こち亀」ってもうジャンルの一つなのだなと驚かされました。
しかし、こち亀感を強く感じたのはその1話だけだったので、もっと強く「こち亀」感出していけば良い作品なのになとちょっと寂しく感じたのでした。

 

ペコラが可愛い、もっと出番があって欲しかったな。。。

 


イエスタディをうたって
青春群像劇?らしいのですが基本メインキャラ3人(+1人(弟くん))の、群像劇というには少なすぎるし基本的には3人(+1人)の恋愛関係メインの物語。
遠回りして結局収まるところに収まったって感じで終わり、ハルがかわいいだけのアニメ。特に語るとこなしという作品でした。


(まぁ、しな子のキャラクターについては納得できない部分はありますが…。弟くんの元へ戻る意味とか…、前へ進めているのかいないのかよく分からないキャラクターでした。
リクオのキャラクターについても色々と思うところはありますが、最終話での自己分析・内省している点が多少は観ている側の不満を解消する助けとなっています)

 

原作は漫画のようです。作者は元々めぞん一刻みたいなのを描きたかったのかなと感じました。しな子は「管理人さん(音無響子さん)」で、早世した幼馴染の兄くんは「惣一朗さん」であり、亡くなった人を想い続けるしな子の心を解してゆく~(最終的に結ばれるかどうかはともかく)そんな話にしたかったんじゃないかなぁと思われます。

 

(めぞんでいうとハルは「こずえちゃん」というより「八神」ポジかなぁ。八神をかな~りマイルドにした感じだけど)

 

12話で(ストーリー的には)まとまっている様でまとまっていない(キャラクター描写的に)、作品でした。

 

 

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」
1期2期を一気観しました。多少思うところはありますが可もなく不可もなくという作品。
なかなか話が進まんね、と感じました。2期終盤の話は必要ないとは言いませんが(異世界感を出すために)唐突にできてた魔法バトル要素感ですね。いや設定は前からあったと思いますが、あくまで本作りをメインに進んでいけば良いと思っていたので…。その本作りがなかなか進まん事に多少焦れったさを感じました。


1期は特にそうでなかなか本作り、紙作りさえままならない、まずは紙作りのための資金稼ぎを行うという遠回りしている状況でした。
マインの目的は本がない世界で本を作り読む事だと思いますが、それは前世に自分が読んだ本を作って出版する事じゃないよね、と思っています。


マインの本当の目的は、この世界で本を一般的なものにして「この世界の住人が描いた物語」、自分が読んだことがない物語を読みたいと思っているはずで、そこになかなか向かって行かない事に、焦れったさを感じたのでした。


前世にはなかった平民と貴族等の関係のしがらみを丁寧に描く事の面白さも話の魅力ではあると思いますが、本来の目的・本当の目的を果たすためにもう少し早く進んで欲しいと思っています。
マインの本当の使命…、本を一般的なものにし誰もが読み書きできる様になり、そこから新たな物語が紡がれる~という人々を導く使命・目的こそこの物語が本当に面白くなるところだろうと考えています。
原作はどんな感じか知らんけどね…。

 

 

「神の塔」
一応、可もなく不可もなくですが、限りなく「不可」寄りの作品です。
話の主軸である「塔を進んで試験合格を目指す」という展開はハンター×ハンターのハンター試験まんまって感じですね。
まぁ多少気にはなりますが、限りなく「不可」寄りになる程のマイナス要素はそこではありません。

 

問題はキャラクターを描くというのがどういう事かを分かっていないという点です。原作はWEB漫画の様ですが、漫画を・物語を・キャラクターを描くという事がどういう事か理解していない…担当編集が教えてやらんのか?(そもそも担当がいるのかどうかも分かりませんが)と、その「キャラクター」の描き方にイライラする・キャラクターを描く事がどういう事か理解せずに物語を作っている点が問題なのです。

 

その人物を構成している・成り立たせている過去を描く事は大事なのですが、ただ過去を描く事がキャラを描く事ではありません。大事なのは、その「過去」があったから今のその性格・キャラクターが形成され、そしてだからこそ「現在」~「今後」そのキャラがどう考え行動するかを描いて行き続ける事がキャラクターを描く事になるのです。

 

ストーリーの流れを軽く説明すると、
まずバトルロイヤルで互いに殺し合わせて人数絞られたらグループ作って争わせ、最後は残ったものが一丸となって試験に挑むみたいな流れとなっています。

 

その試験の中で、人数がある程度絞られ、サブキャラにフォーカスが当たる回では紋切り型の様に薄っぺらく悲劇が語られその過去がトラウマになっている・コンプレックスになっているという展開が続き辟易しました。


「試験」なので合格する者不合格となるものが当然出てきますが、その過去を描いたキャラをすぐに退場させる様な事をやってはいけないのです。。。そのキャラクターを描く意味がないから…。
別に、キャラクターを描くために必ず過去を描く必要はなく、他者と会話させ、その人物のモノローグを入れ、何を考えその結果どう行動するのかを描けばキャラクターとなって行くのです。
ステレオタイプの様な過去話とキャラクターの描き方として同じパターンの繰り返しに作品としての拙さを感じずにはいられません。

 

 

しかし、それよりも問題なのはキャラクターを描かずに物語を進める事です。。。物語の最終盤、ヒロインは主人公を裏切るのですがヒロインがその行為に至るキャラクター付けが為されていないために観ている側は全く意味不明なヒロインの行動に理解が追いつきません。
一応、次の話数で説明・ヒロインが何を思っていたのかが語られますが薄っぺらい内容で突然語られたそれは全く共感・納得がありません(何故そうまでして、他人を騙して害してまで星を求めるのか)。
つまり全くキャラ付けができていないのです。物語を・キャラクターを描くという事を理解して描いて欲しいと原作に対し強く思いましたね…。

 

キャラクター以外のところでは、物語の中盤、受験生がグループになって戦う展開の中で一人が命を落とし受験生全員で弔うみたいな話が合ったのですが…、お前ら、物語序盤で平気で殺し合いしとっただろうにどういう思考回路じゃ、と納得出来ません。


後の展開を考えての物語の構成ができていないのでしょうね、おそらくキャラクターも物語の構成もその時その時で適当に考えて作っているのではないでしょうか。そう感じるほど雑な造りになっています。
(原作漫画を)しっかり見てくる人がいればね…、と残念に思います。一人で創作するのではない強みを生かしてほしいですね。。。
「不可」までは行きませんが限りなく「不可」寄りの残念な作品でした。

 

 

(2020年07月23日18:48mixi日記投稿分)