アニメ「いわかける!- Sport Climbing Girls -」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「いわかける!- Sport Climbing Girls -」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

基本的には悪くないけど、作画が残念な、というか追いついてないアニメ。
崩壊しているとかの話ではないけど、こういうスポーツ物を・技術的な事を描くには説得力持たせるための相応の作画技術・レベルが必要なのにそれが足りてないと感じるのです。
こういうのはスポーツ物が得意な制作会社にやらせないと…。おそらく圧倒的経験不足からくるチグハグさを感じます。
監督がみせたい画というは感じ取れるのですが、おそらく作画の技術不足・経験不足のために監督の頭の中にあるその画がアニメーションとして表現できていない、レベルが達していないと感じられます。


他にも、キャラクターの感情の機微を表現する顔のアップのシーンにおいて、これもおそらく監督はこういうシーンの画を頭の中で想像してるんだろうな~とは感じるのですが、その出来上がった顔の作画はただの変顔になっていて圧倒的力量不足を感じずにはいられません。

話はそんなに悪くないのに、勿体ないな…と感じてしまいました。

まぁ悪くないと言っても色々と気になるところはあるのですが…

 

たとえば、途中チームメイトの一人がチームから一時離脱し修行するという展開があるのですが、次に登場した場面は修行場面ではなくバイトシーンでした。
え、何やってんの?という感じ。壁から落ちるのが怖くなって登れなくなり悩んでいるという話ではありますが、バイトせんでも…離脱後の再登場シーンの初っ端にそのシーンを選ばんでも…と感じてしまいます。

 

あとは、最終回の展開にちょっと…。11話の終わりまで行ってようやく大会の予選が終わり決勝が始まるかどうかという展開で、え?これあと1話で終わんのか?と感じました。
一応、12話で決着はしましたが、すんごい駆け足でした(特にBパート後半)。
個人と団体で競う大会ですが、団体とは言っても基本的に個人競技ですので(対戦相手との1対1の勝負ではない)、主人公とライバルキャラ以外はほぼダイジェストで結果だけ語られます。
先に述べた様に基本は個人競技なのでダイジェストでも成立するのです。これが団体スポーツであるならダイジェストは成立しませんからね。
そのダイジェスト手法で何とか話を収めるのですが、後半は余韻というものがない急な終わりでしたね。もう少し構成考えた方が良いんじゃないかなと感じました。

 

あともう1点気になるのは、主人公の設定、
元ゲーマー(パズルゲーム)で全国一位を取るほどの腕前という設定について。。。
パズルゲーム得意な事が本当にクライミングのルート探索が得意という能力に通ずるのか、という疑問。
(この主人公にもしモデルが存在して実際に元ゲーマがプロクライマーになったとかなら何も言えないのですがね…)
また、ゲーマーなんて基本的に引き籠りで体力なんかなく運動能力は平均以下だろうと思うのですが、初めてのクライミングでもそれなりに登れて体力がある様子です。
これにはもしかしたら以前バレエをやっていたという設定も絡んでいるのかも知れませんが…、そもそもバレエ設定も必要か?と感じます。
このバレエ設定も以前ちょろっと習っていたという程度ではなくプリマであったというなかなかに恵まれた才能の持ち主の様です。
ゲームで1位(全国)、バレエでも1位(全国ナンバー1とかではないと思う)、クライミングでも…と。。。
スポーツ漫画の主人公はふつう何か一つの特化した才能・特異な/得意な一つの武器をもって、ライバルの天才プレイヤーに挑むというのが定番の展開ですが
この主人公は最初から色々と持っているどうやら天才側の人間の様です。
まぁスポーツでトップ取る様な人物が超努力型の凡人という事は現実にありえず、天賦の才を持つ人間なのでしょうがね…


と、お話や設定にちょこちょこ気になる部分があり、作画レベルには残念なものがありますが、全体的な感想としては、可もなく不可もなくとなります。


以上