アニメ「約束のネバーランド」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「約束のネバーランド」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


拡げた風呂敷を『綺麗に』畳む事ができなかった作品。
評価としては可もなく不可もなくとなります。
画、アニメーションとしては良かったのですがお話・構成がちょっと残念な作品だったのでこの評価となります。


第1期第2期とあり、比べると第1期の頃はまだマシでしたが、自分は正直第1期の頃から不安はありました。
農園からの脱出がメインとなる第1期ですが、出荷の「システム」が整ってしまっている世界…たとえ農園を脱出したとしても子供達だけでは最早どうする事も出来ないのではないか、一生逃げ隠れしながら生きて行くしかないのでは…とその希望の光の見えない逃避行に面白さを見出す事ができませんでした。
農園からの脱出がゴールであったなら第1期は良作となっていましたが、そんな簡単に終わりそうにない雰囲気の作品でしたからね…
簡単に終わりそうにない・畳めそうに風呂敷を拡げた結果が…あのメチャクチャに急いで無理やり畳んだ様に見せて収束させた終わり方ですよ…。

 

何か特別な能力がある訳でもないただちょっと頭の良いだけの子供が既に体系化された世界のあり様を変えるなんて不可能でしょう…そこに「納得」がないのよね…


ムジカという物語のキーマンとなる鬼との偶然の出逢いが物語を都合よく展開させる事になるのですが、1000年前の約束やムジカの血の設定など良く分からん・納得できない事が多いのです。

 

たとえば、1000年前の人間と鬼の戦いはどうして鬼に譲歩するような形で幕引きをしたのでしょう…食わせなければ退化する・知能が低下する/維持できないという弱点を抱える鬼相手に何故譲歩する必要があるのでしょうか?

人間世界の文明を見るに明らかに鬼世界の文明より進んでいて技術レベルも段違いだと思うのですが、その科学力で簡単に駆逐できなかったのでしょうか。。。また子供のノーマン一人に完成させられる様な対鬼用の薬品を人間側は当時誰一人作れなかったというのでしょうか…
鬼相手に譲歩しないといけないほど追い詰められている状況だったのでしょうか…分からない、納得がない。

 

そして、ムジカの血についても…
ムジカの血を飲めば退化せずに済むというご都合設定、ここに何の説明もありません。
また、管理・統制したい鬼の王の思惑からムジカの血を飲んだ退化しなくなった鬼たちは一度滅ぼされた過去があります。
今回エマ達のため?もう一度同じ事(自らの血を分け与える)をしますが、何故また同じ事をしようと決意・覚悟したのか、また失敗するかも知れない・また滅ぼされるかもしれない…
今度は失敗しないための策があるのか?何か入念な準備をしていたのか?そういった説明・納得がないのです。(エマ達に何か希望を見た?見たとしたら具体的にどんな?それとも深い考えもなく感情で動いた?)


この辺り(農園編以降がワヤクチャなの)はおそらく週刊少年ジャンプのアンケート至上主義による弊害ではないかと考えています。
作者は農園編で読者を惹きつけ人気を得ようと農園編まではシッカリ構成していたのではないでしょうか。
もちろんそれ以降の話も何となくの構想はあったのでしょうが、アンケート如何によっては打ち切りも考えられるためあまり深く設定を作っても描けるかどうか分からない、と考えて大まかな設定のみだったのではないでしょうか?
その結果が2期のあの惨憺たる様だと思われるのです。

 

アニメ第2期は、色々とカットされた原作エピソードがある様ですが(原作読んだ事ありません未読です)、全編放送されたとしても自分の感じた疑問は解消されなかったのではと考えています。最初(第1期)の構成から見てあまり上手いとは思えない造りでしたからね…

 


しかしまぁ物語の構成とは別の話ですが、色々と原作を大幅カットして無理やり2期で終了させる事をやったフジテレビ…
おそらく鬼滅の刃のTVシリーズ続編をフジテレビでやるんだろうけど、こんな事やってるフジテレビに任せて大丈夫かと不安になりますね。

 

あと1クール分だけ枠を与えていれば良かったのに…鬼滅の刃の先行投資的な意味で…フジは自らわざわざこんな前科を作ってどうすんのさって感じです。


以上