アニメ「86-エイティシックス-」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「86-エイティシックス-」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

一気観と書きましたが、正確には少し前に21話までを一気観していて、そしてつい最近22話23話を視聴しました。
少し間が空いたので細かい所は忘れている部分もありましたが、話はまぁ理解できました。

 

で、感想ですが、なんか世間的には評価高いようですが、自分的にはそんなにかな…という感じです。

 

キャラが弱いし、話も弱い。設定自体の意味は分かるけど、設定がシチュエーションを創り出すためだけの舞台装置以上の意味を持たず、話自体が面白くないのです。


キャラの魅力がなく、話自体の面白味もなくただただ流れている映像を見てるだけの、へぇ~、ふ~んという感じるだけのそれ以上の感情が湧き起こらない物語でしたね。

 

キャラが弱い原因は86区の設定の弱さ・浅さ、ですね。86が何故迫害されているのか?過去の経緯・歴史的背景が描かれる事もなくただ迫害・差別されているという状況・設定・舞台装置でしかないのです。
どんな理由で迫害・差別を受けているのか分かりませんが、死地に赴く事を強いられ、武器・機動兵器が与えられていながら、迫害・差別に対する最期の復讐としてその武力が帝国に向かわない事にも納得がありません。
そんな浅い、シチュエーションのためだけの設定であるため、その迫害の裏の86区民の各キャラの過去が描かれるはずもなくみんな一様に酷い扱いを受けたんだろうなぁ、くらいの想像しかできない造りとなっているのです。
それに86部隊のキャラどんどん死ぬからね…、そりゃキャラ描く気ないよね…という造り。

 

主人公のキャラも無口キャラでキャラクターが弱い…。喜怒哀楽がほとんど描かれないから全くどんなキャラか分からんのよ。どんな事で喜び笑い、どんな事で悲しみ泣くのかを描けよ、と無口なら無口なりにモノローグでも使ってしっかり感情を描けよと思うのよ。。。

 

また、お話の設定も納得がないのよね。
帝国ヤバいだろ…。自国民には無人機だと偽って実際はゴリゴリの有人機って。。。
国としての技術レベルが恐ろしく低いのは勿論の事、国民にそんな嘘ついてまでしか運営できない国家、組織としてのヤバさ…どんな弱小・貧困・虚栄国家なんだよ…。


それは例えるなら、完全自律型の二足歩行ロボットの国際コンテストに、二足歩行を実現できる技術がないからといって、メカフレームを付けた人間が中に入ってロボットの振りをしてコンテストに出る様なお粗末国家で、やってる事はギャグ漫画のレベルなのですよ…そんなの国家としてあり得ないでしょう。。。これがまだ決死隊を募ってたり人扱いしていない86区民を搭乗させている事を公言していればまだ納得できるのですがね…。


そして、1期の帝国編と2期の連邦編の構成も良くない、面白くない。帝国編は主人公パートとは別に少佐視点のエピソードも語られる造りになっているのですが
(しかし、このAパートとBパートで少佐視点、主人公視点で分ける意味がほとんどないんですよね…ほぼ同じ事の繰り返しにしかなっていない…追加シーンがちょいとだけあるくらい…の差しかない)、
2期の連邦編では少佐パートはほぼなくて(1期ほどの明確なパート分けがない)、主人公視点のエピソードのみとなっています…なんだよそれ、そんなんなら1期(帝国編)のパート分け意味ないじゃん…元々AパートとBパートの視点分けがほぼ意味をなさなかったのですから、2期(連邦編)で視点分け構成を止めるのなら最初からやらなきゃ良いのに…となる無駄無意味構成なのです。

 

他には、敵であるレギオンの設定もよう分からん、納得がないのよね。
敵はどんだけの数いるんだよ…次から次へどんどん新たに製造されてるの?材料は?燃料は?電力は?どう調達してんだろ?敵国はそれらが無限に自動で湧いてくるご都合設定なの?
人間の脳を取り込んでたりもする様だけどそんな施術もできんの?レギオンってなんでもアリだね、凄いね…とここにも納得がないのです。


とここまでが作品全体通しての感想で、以下は22話23話の感想です。

 

時間があった分、画は綺麗に丁寧に作ってありましたね。

 

最終話の客員士官の話の流れ、見せ方は良いですね。「客員」士官と出た時点で視聴者は誰もがもうわかってる流れ、あぁ~来るのか来るのか、少佐来るのか、
と、視聴者の心を掴み、最後に向けて助走を付けて加速していく感じの流れは良いですね。
まぁここは、この最終回だけは、最初の頃のほぼ無意味だった主人公視点のAパート、少佐視点のBパート構成が少しは活きた感じかな。

 

ただちょっと、理解できなかったのが最後の再開シーンでの少佐(大佐になったんだっけ?)が主人公達と初めて顔を合わせて驚く場面…。あれ?部隊のリストで名前確認してたはずなのに何をいまさら驚いてるの?と。リストを見て驚いていたので、あぁここで気付いたんだなと思っていたのですが、違ったのかね?あれは、主人公達が大統領の養子になってたので大統領と同じ姓である事に驚いたという事かね?いやでもファーストネームで主人公達と気づくだろうし…とよく分からないのでした。

 

あと、最後が少し物足りなく残念に思ったのは、少佐の親友の娘と主人公の再会シーンが描かれなかった事…これはDVD/BDの追加エピソードとかの特典になるのかな?
待たせた分出し惜しみせずしっかり全部描き切って欲しかったのですがね…。


作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。


以上