アニメ「リーマンズクラブ」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「リーマンズクラブ」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


ここ最近観たスポーツ系アニメの中では一番良かった・まともだった作品。
まぁ直近で観た他のスポーツ系アニメ(「2.43 清陰高校男子バレー部」「バクテン!!」「さよなら私のクラマー」「スケートリーディング スターズ」「いわかける!- Sport Climbing Girls -」etc)
のキャラ設定・配置、シリーズ構成等がダメダメだったのでそれらと比べれば…、という感じの評価なのですが、普通に楽しく観れた作品でしたよ。

 

ホントに、上述した様な最近の1クールスポーツ系アニメはその設定や構成のわやくちゃ加減にイライラしたり、キャラの言動に納得のなかったり疑問を感じたり…と酷いものだったのですが、
この作品はイライラする事はなく、また疑問を生じたりといった事も少なく普通に楽しく観れたのですよ。
脚本・シリーズ構成に内海照子さんの名前を見て、この人ってたしか幾原さんと一緒に「さらざんまい」のシリーズ構成やってたよな、と思い出し、あの幾原さんの手綱を引いて「さらざんまい」を形にしたその手腕を考えると
他の多くのスポーツ系アニメとは一線を画すのもさもありなんという感じですね。

 

 

話の流れ・展開に納得があり、他の作品の様なイライラする様な展開がないのが良いのですよ。
またこの作品はバドミントンの実業団スポーツ選手を主人公とした作品なのですが、社会人としての「リーマン」パートとスポーツ選手としての「バド」パートがしっかり描かれていて(他の作品との差別化・特徴付けのためだけの設定ではない)
【3:7】or【4:6】くらいでそれぞれのパートが描かれています(まぁ「リーマン」パートはほぼネギジンジャー一本のお話のみですけどね…。しかし1クールのシリーズ構成で考えるならこれが最善かと思われますね)。

 


基本的には面白く楽しめたのですが、気になるところはちょこちょことあります。

 

まず、やはり1クールアニメにどうしてもついて回るキャラ多すぎ問題。1クールでは処理できない数のキャラを登場させてキャラの深掘りがほぼほぼ出来ずに終わってしまう問題です。
1チーム5人で主人公チームだけ見ればまぁ全然処理できない人数ではないのですが、ここにスポーツ物作品に必定のライバルキャラまで加えるともうパンクしてしまいます。
それでもまだ敵チーム・ライバルチームを1チームに絞れば対応・処理できなくはなかったかもしれませんが、本命となるライバルチームの他にもう2チームほど加わりますからね…そりゃ処理できんわ。。。という具合でした。

 

各敵チームのキャラ紹介は5人中2人しか出来ていない感じでしたね…残りの3人はまともに顔も覚えていないほど、という感じの扱いでしたよ。。。敵チームは1つ、多くても2チームに絞るべきだったかなと感じましたね。

 

また、敵チームのキャラ紹介はともかく主人公チームの5人(後の6人になる)のキャラ紹介・深掘りを行う必要があるのですが、1クールアニメに(敵チームの主要キャラ含む)10人以上のキャラを出していて一人ひとりを紹介・消化できるはずもなく…、
そこには脚本家の涙ぐましい努力というか苦肉の策が講じられていました。それは、主人公が酔った勢いで先輩たちにダメだしする体で各キャラクターを説明するという苦しい構成…なのでした。
いやね、確かに苦しい構成・キャラクターのダサい・見っともない見せ方ではあるのですが…、その説明を聞いて「あぁ~なるほど、このキャラはそういう性格なんだ」とそこで初めて自分が理解したのも確かなので、
ダサい見せ方ではあるのですが、1クールで10人以上のキャラを紹介・消化する方法としてはまぁ「なし」ではないかなとも感じましたよ。。。

 


次に、ストーリー中盤に6人目が合流する構成について。
6人目が合流する事でチーム編成が変わり(一人はチームを抜けたり(コーチ役兼補欠)、シングルスプレイヤーがダブルスになったり)、と色々と詰め込み過ぎじゃない?
合流後はチームの絆を深める話や新編成での練習・レベルアップの話はなく即試合だったからね(ちょろっと練習回想シーンがあるくらい)。
まぁ6人目が合流する事で生まれたその新ダブルスペアが、敵チームの(別々の実業団に所属する)兄弟プレイヤーの話と絡む話になる構成は面白くはあったのですがね…。

 


あとは、主人公のダブルスペアの怪我の話。
主人公のダブルスペアの相棒が足を負傷するのですが…、この怪我が最終回まで大きく影響する(もう二度と試合できなくなる!?)という事はなく、それならあまり要らん話よなぁ、と感じたのでした。
また最終試合の最中、主人公も目を負傷するのですが、これも特に大事になる(失明や今後の選手生命にかかわる!?)という事はなく、そんなちょっとしたドラマを作りたいだけの余計なアクシデント要素なんて要らんのよね、、、
100%対100%の戦いを見せてくよ、と感じたのでした。

 


上記で述べた様なちょこちょこと気になる点はありますが、ここ最近観たスポーツ系アニメの中では一番良かった作品でしたよ。
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

以上