アニメ「うちの師匠はしっぽがない」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「うちの師匠はしっぽがない」(以下「しっぽな」)を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


落語を扱ったお話。全編に渡り落語紹介をやっており結構真面目に落語を扱っています。
落語アニメというと「昭和元禄落語心中」が思い出されますが、あの作品は落語メインというかヒューマンドラマメインなお話でしたからね。

翻ってこちらの作品は本編終わりにその回で紹介された落語の解説まで行うガチっぷり。最初(第1話終わり)この解説を観たときはお笑いの解説なんて野暮な事を…と思ったのですが、まぁ落語を扱っているといってもどメインな訳ではないですからね、回によってはおまけ程度に紹介される回もありそういう場合は必要にはなりますね。
しかし、この解説が視聴者を落語ファンへと誘う事に有用かどうかは微妙ですが(何もしないよりかは遥かに有用ですけどね)。

 

 

登場人物を愛らしい動物(豆狸)、そして可愛い女の子とファンシーに描く事で「落語」というものを扱っていながらも取っ付き易くしてますね。
またお話の内容も「昭和元禄落語心中」ほど暗く重いものにはなっていません(それでも「しっぽな」も少し重い内容ではありますけどね)。
落語を扱っていますが落語メインではなく物語の展開は基本まめだの関係性の変化(落語との関わり、師匠との関わり、人との関わり)がメインとなってますね。

 

 

まぁしかしこの作品の一番の見所を語るならやはりまめだの可愛さですかね。
そしてそのまめだの可愛さをさらに高めてるのがM・A・Oさんですよね。
戦隊もの・特撮出身のM・A・Oさんですがホント凄い活躍ですね。毎クールどこかの作品で(主役級からサブキャラまで)M・A・Oさんの声を聞きますよ。
M・A・Oさんの活躍ぶりはその声の良さもあると思いますが、その真価は演技の上手さ…というかその裏にある努力・仕事に対する真摯さ・一生懸命さにあると思いますね。
先ほども述べた様にM・A・Oさんは戦隊もの出身で声優として同年代の声優と比べると後発になるのですが、上達っぷりが凄いですよね、観る度に上手くなってる。
それは才能という話ではなくおそらくM・A・Oさんの直向きな努力の賜物だと考えています。
戦隊ものの倍率って結構高いと聞いていてそんな中で見事役を勝ち取ったM・A・Oさん(市道真央さん)は努力に人なんだろうなと考えているのですが、
その努力が今は声優に向けられている、その結果の上達っぷりなのだなと感じるのですよ。
(いやね、声が良いだけの声優で努力してないのは(誰とは言いませんが)ホント15年、20年経っても下手なままだからね…そういう声優は総じてインタビューで「劇団に居たけど声が良いから声優やれば、と周りから勧められて声優を始めた」と答えていて、声優業界・アニメ業界を劇団の掃き溜め(劇団で芽が出なかった奴の墓場)みたいな言い様に腹が立つのですよね。そんな奴らは声が良いから声優を勧められたのではなくて努力しない奴だから劇団から見放された・見捨てられたんだろうと思ってますよ…。自らの声の良さにかまけて努力しない人はいつまで経っても下手なままで、仕事に対し誠実で努力する人は1年2年3年でも上達っぷりが凄いとまざまざと感じる、、、というお話)


ちょっとお話が作品内容から逸れましたが、M・A・Oさんのまめだだけでも観る/聴く価値ある作品だと思います。

が、お話の内容的には特に褒める所はなく(落語を扱うというその心意気は面白いと思いますが)、
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。


以上