アニメ「平家物語」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「平家物語」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


2022年アニメ(2022年冬、春、夏、秋)の感想も100を超えたのでそろそろ2022年アニメのベストを決めようかと考えています。
まだ録り貯めているアニメが残っている状態であり全てを観た訳ではないですが、もう充分かな…と。。。
しかし、2022年アニメを語るに当たりこれは外して語れないだろう話題作みたいなのが2つ程まだ未視聴で残っており取り敢えずはそれを視聴してからにしようと思っています。

 

その内の一つが今回の「平家物語」となります。

 

原典の「平家物語」ほぼ知らない。学校で習う程度の歴史上の人物、出来事と那須与一のエピソードくらいしか知りません。
なので物語についてはあまり語らないようにします(物語構成がどうのと言えない話ですから)。

 

まぁ琵琶の設定(平家の内に入り一緒に暮らす設定)はアニメオリジナルだとは思いますが、平家の盛者必衰、栄枯盛衰の様をずっと傍で見ている存在が欲しかったが故の設定なのでしょうね。
しかしちょっと強引さは否めないですね。また父親が平家のモブ(ネームドではないキャラ)に殺される設定は必要だったのかな?なんかその後、平家の子供達と仲良くなってるから父親を殺された恨みはどこに行っちゃたのかなと感じてしまいましたよ。
「父親の仇」設定は別に要らないんじゃないかな…別の設定でも良かったのでないかなと疑問を感じる訳です。それは例えば、琵琶は実は源氏側のスパイであり平家に送り込まれた、しかし共に暮らすうちに平家側に情が湧いてしまった、みたいな設定でも良かったのではないかなと。

 


ちょっと引っ掛かる・気になる部分ではありますが、「父親の仇」設定、「平家に恨みを持つ」設定の意味は「作品全体」として見たとき活きているのでまぁ有り・許容できるかなという感想にはなりますがね。
それは作品全体に終始漂う静かに重い雰囲気…誰もが平家の結末・最後を知ってるが故に感じる哀しい空気。。。誰もが知っている、と書きましたが念のために「平家が滅びる」運命にある事を視聴者に示すために未来が視えるという設定の琵琶に「平家は滅びる」という事を口にさせる…これが父親を殺された恨みから呪いの言葉として吐かれた様にも感じられる、そういう効果があるのかなと考えられるからです。

 


平家物語の様な軍記物(の原典)って読んだ事ないから分からんのですが、詩歌的な文学性の高い作品なのかそれとも物語展開に重きを置いたエンタメ性の高い作品なのかどうなんでしょうね?
純文学的な作品なのか大衆・娯楽小説的な作品なのかで作品の作り方(構成、表現・演出等)が変わってくると思うんですよね(那須与一のエピソードなんかはエンタメ性を感じる造りだけど)…どうなんだろ、まぁやはりいつか原典を読んでみないと語れないですね。。。

 


作品全体の雰囲気も悪くなく、物語を展開する上でのキャラも必要最低限は描けている(キャラクター数、登場人物数という意味ではなく、性格を持った「キャラクター」が(十分ではないけれど)物語を展開する上で納得を感じられるのに必要な分の性格・キャラ付けは出来ているという意味…この辺りはさすが吉田玲子さんという感じ)
とは感じるのですが、なんか物語が淡々と進む、平家滅亡への道が・出来事が描かれているだけの様に感じられたのですよね。
ここで思ったのは、平家滅亡までを1クールに詰め込んで描くのではなく、平家物語のある巻だけを切り取ってそこを膨らまして1クール使って描くとかでも良かったのではないかなという事でした。
なんかちょっとエピソードだけを詰め込んで駆け足に感じちゃったのよね、というお話。

 

 


お話の内容的には以上かな。

 

あと、本編以外で気になったのが、音楽の違和感。
OP、ED共に物語に入って行けなかった、何であんなんにしたんだろう、変に意表を突く様な事をしないで普通にもうちょっと和風な感じのOP、EDで良かったんじゃないの?
アバンで「平家物語」の世界・雰囲気に入って行こうとしたらあのOPで現実に引き戻される、OP後の本編で「平家物語」の世界・雰囲気様に浸っていたらあのEDで現実に引き戻される、という感じでなんかその作品の雰囲気と合わなさ凄まじく違和感、没入感を削がれる感じになるのよ。なんの作品か忘れたけど以前別の山田尚子作品でも(俺的に)なんか主題歌と作品の雰囲気が合ってねえなぁと感じたのよね…。
まぁねぇ何にも印象に残らないようなOP、EDよりかは良い、とも考えられるけどね…。。。

 


作品全体から感じ雰囲気は全く悪くなくキャラも描かれておりお箸も貶めすほど悪い事はないので
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上