アニメ「不滅のあなたへ(Season2)」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「不滅のあなたへ(Season2)」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


なんか回を経る毎に設定やらテーマやらがワヤクチャになって何をやりたいのかもう訳分らんくなってる…そんな作品。

 

いやね、Season1では主人公が刺激(主に他者の死)に触れる事によって色々と成長・変化するというお話だったのだけど…、、、なんかSeason2ではもうノッカ―倒す事(ノッカ―の被害を出さない様にする事)が目的となってるんですね。。。
最初の目的(主人公の目的ではないけれど)、この作品を読む読者の感覚、目的としては色々なものに触れて刺激を受けて変化・成長する主人公を見る物語作品だと思ってたけど、Season2ではその新しい刺激、変化・成長がほぼないという構成のお話になってるのよね。
そんなSeason2の序盤観ててこの作品何がしたいの?どこに向かおうとしているの?と思ったもんじゃよ。。。


ホントに物語の構成(テーマ、終着の想定)できて作ってんの?この作者は?

 

物語序盤~中盤で描かれる主人公が持つ能力の強化・拡張みたいなのは描かれるけどそういう物理攻撃能力/戦闘能力的な変化・成長を見たい訳じゃないのよ読者/視聴者は…(少なくともSeason1を観て俺が期待していたものとは違う成長・変化の方向なのよね)。
戦闘能力的な変化・成長ではなく主人公の心/内面の変化・成長こそを見たいと思ってたわけなのよね…それが…、、、新しい刺激を受ける事はなくノッカ―打倒が第一義となる物語構成の意味が全く理解できんのですわ。

ホント「聲の形」(感想)「不滅のあなたへ(Season1)」(感想)からして理解できない・納得のない物語構成の作者だわね。

 

 

いやね「不滅のあなたへ(Season1)」の感想でも書いたけど、俺が主人公の心の成長・変化に期待するエピソードとして避けられない死(老衰)での別れのエピソードを描いて欲しかったのよね。
そしてその後は(主人公の心が老成する前に)主人公の子供が産まれるエピソード…この場合主人公は男である方が都合が良いかな…、女性体で主人公が出産を体験するエピソードを描こうとした場合、もし途中でノッカ―が襲ってきたら変身と共にお腹の中に宿った新しい生命も消える事になるからね…そんな話は観たくないからね。。。


で、産まれる主人公の子供、そしてやはり主人公より早く亡くなってしまう(寿命の問題)子供達との別れ…しかし、子・孫と紡がれていく生命という様な新たな刺激を受けて心の成長・変化を得る主人公みたいなエピソードを期待していたのですが…。。。
なんかもう新たな刺激など何もない~成長・変化もない~ただノッカ―を倒す事だけを目的とした(Season1序盤で描かれた事の意味が全く無くなる様な)Season2の物語構成がホント意味分からん・納得がないのですよ、ホントなんなんだろこの作者は…呆れるばかりよ。

 


またSeason2序盤~中盤で描かれたエピソードの中で設定としてこれおかしいんじゃないの?と気になったというか納得できない所があります。
それは「ボン編」終盤の牢に囚われてたボンや少年、イス子ちゃんを助ける際のお話での事。
主人公が変身できるモノの条件て生物の場合はその変身対象が死んでいるという必要があるんじゃなかったけ?
牢に入れられてた少年やイス子ちゃんに(死体としてだけど)変身できていた理由が分からんのですわ…。
なに?作者は自分で作った設定忘れちゃったの?主人公の能力が成長したってわけでもないよね?成長・進化したというのならその事を描写しないといけない(まだ生きている人間に変身できたことに驚く主人公、自分の能力が成長・進化した事に気付く主人公の描写が必要)のに描いてない…ホント、この作者・この作品には納得がない…。

 

他には「トナリ編」で登場した医者志望の少年の成長した姿に主人公が変身して治療を行う場面があるのですが…、主人公の変身・コピー能力ってあくまでガワだけ/身体的特徴だけ(火を吐く体の構造だったり、毒が効かない身体の特徴だったり)であり、その変身対象の持つ知識・記憶まではコピーできないんじゃないの?それなのに医者として知識で治療できる描写がおかしいんだよね…なに?作者は自分で作った設定忘れちゃったの?

いやいやいや医者としての知識まで持って変身できるなら「トナリ編」で怪我を負った少女の治療をやれば良いじゃん…瀕死のグーグーを救った酒じいの知識・医療技術を持った体に変身すれば救えたんじゃなかったの、と疑問(まぁこの頃はまだ酒じいも存命だったかもですが…まぁだとしても上述した変身対象の条件の矛盾が出てくるのですがね)

 

ホントこの作品・この作者の設定はメチャクチャだ、納得がないと感じる訳なのですよ。。。

 


あと、この「不滅のあなたへ」という作品全体のテーマについて。
Season2が始まる前の特番みたいなやつで作者がこの作品で描きたい事は「聲の形」の続編である、と語っているのですよね。
自ら命を絶たないで欲しい、命の尊さを描きたいみたいな事を語っていたのですが…。
いやいやいや終盤の展開を観てると全く真逆の事を描いている感じを受けるんですけど…この作者なに言ってんだ?大丈夫か?とホント意味分からん、と納得のない造りなのですよ。。。

 


まずノッカ―の目的…肉体という器があるために様々な苦痛を感じる事になる、だから死によって・魂だけの存在になる事によって苦痛から解放されるみたいな目的が語られるのですが…、
いくら敵側・悪側の言い分だとしても死によって苦痛から解放されるみたいな事をよく言えるなぁ、、、苦痛がなくなる・楽になれる、と死を推奨している様な言い分であり上述したテーマと全く逆の事だぜ…。
もし自ら命を絶とうかどうか迷っている瀬戸際の人が観たら苦痛から解放されるのかぁ、楽になれるのかぁと自死を求めちゃうかも…とか考えないのかしらこの作者は。。。なんかもうこの作者は人を自死させたいんじゃないかとさえ思えてくる、そんな気持ち悪さ。。。

 

 

さらに物語の終盤も終盤の不死の戦士たちの話。
これも命が軽く扱われてる様な話であり「命の尊さを描く」とは全く逆の事じゃろ…ホントこの作者の思考が理解できんわ。
あとその話の中で主人公が不死の戦士達を自ら手に掛けるシーンがあるのですが、それは主人公がやっちゃダメだろ、と思ったんですよね。
過失ならしょうがないとは思うのですが自覚的にやるのはダメでしょ…主人公の心に負の成長・変化をもたらす事になると思うんだけど今後の展開として大丈夫なの?ちゃんと考えてるの?と疑問なのですよね(おそら何も考えてない作者なのでしょうがね)。


で、最終盤での展開も主人公の能力により復活する住民達…という、命が軽く扱われる物語展開…ホントなんじゃこれ、と作者が語っていたテーマとのあまりの乖離にというか真逆の事をやってる様な作者の物語構成・構築に全く納得がなく本当にただただ呆れるばかりなのですよね、、、ホント酷い。

 


なんか3期も決まっている様ですがこの支離滅裂な物語がどう終着するのか逆に興味がありますわ(おそらく「納得」はなくただただイライラする結果に終わるであろうと考えてますが)。

 

作品の評価としては、「不可」となります。


以上