アニメ「わたしの幸せな結婚」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「わたしの幸せな結婚」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


2023年夏アニメの中では世間の評判が良かった作品であった気がするので期待して観たのですが…、う~ん、最初の内(第3話か第4話くらいまで?)はまだ世界名作劇場の悲劇系ヒロインみたいな感じがありこれから先の展開が気になる/面白くなりそうな気配があったのですが…、なんか俺的には中盤以降失速した感じなのよね。

 


いやね、なんというか「異能」設定が邪魔してる感じなのですよ。
俺的には世界名作劇場チックなまま進んで欲しかったのよさ…それが「異能」なんて(世界名作劇場にはない)余計なものを入れちゃってさぁ。。。
入れるならせめて主人公【だけ】が特別な能力「夢見の力」を持っているという設定で良いのよ…他にも「異能」使いがゴロゴロ居る(異能組織・集団が存在する)みたいな、ともすると異能バトル展開へ移行しそうな設定は邪魔だと感じるのよね。

 


また、この「異能」設定に関連しての強さ設定について納得のない部分があります。
物語序盤での黒幕的な存在の堀内賢雄のおじ様。息子との念動力勝負では圧倒的強者感を出していたのですがイケメン旦那の前では勝負にすらならない感じで負けたのよね。別に堀内おじ様が負ける展開は良いのだけどさぁ(旦那様は異能組織・集団のトップだからそりゃそうだろとは思うのですが)、「異能」の強さ設定がしっかりと出来てるのかと疑問なのよね。
おそらくこの作者は「異能」バトルとか『強さ設定』についてはそこまで深く考えていないと思うのよね…。
なので悲劇性や驚愕展開でドラマを造りたいと作者が考えた場合は強さ設定を無視して(赤ん坊が大人に勝利するみたいな)無理やりな展開になる事もあり得ると考える訳なのよ。。。
…そういった展開ありき/「設定」よりも「ドラマ」を優先させる事での納得のないストーリーへ変貌してしまう事を恐れるのですよね。

 

 

更に言うならこの堀内賢雄おじ様の行動・計画も意味不明なのですよね。
なんか主人公の妹を使っての策略をめぐらしてたけど…なにあれ?結局はイケメン旦那を家に誘き寄せて力尽くでねじ伏せようとしたって事なの?
ほとんど考えなしじゃん…、アホじゃん、何故勝てると思ったし…、と意味不明な物語の流れだったのですよね。
(特に深い考えがある訳でもない強さ設定・バトル要素を変に入れようとするからこういう意味不明な展開になったと考えています)

 

 

俺の中で第3話か第4話くらいから失速していったのはやはりこの「異能」設定が表に出始めてから、なのですよね。
ホント「異能」なんて設定を入れずに人間関係・ヒューマンドラマを軸に描いていればまだ面白く観れたのにな、と残念な感じの作品でしたね。

 

 

あと、物語中で重要なポイントとなるイケメン旦那が主人公を選ぶ点について、納得がないというか薄いというか弱い…という問題。

なぜ旦那様は主人公に惹かれたのかあんま分からんのだよね。主人公の境遇に同情したから?情に絆された?

他の追い出された嫁候補と主人公の違いは何だったの?他の嫁候補がどんな感じだったのか、その詳細・主人公との違いの描写がないから何故旦那様は主人公を選んだのか納得がないのよね、弱いのよね。。。違いを描かないのであればせめてもう少し旦那様の心情描写を丁寧にやって欲しいわ。

 

 

 

期待していただけに(ハードルが上がっていただけに)ちょっとがっかりな作品でしたね。

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以下、雑感


この作品のアニメーション制作ってキネマシトラスなのよね。
あっ「メイドインアビス」のアニメ作ってる所だと思ったのですが、今作「わたしの幸せな結婚」を観ていて背景美術にちょこちょことハッとさせられるものがあったのですよね(特に近景の背景)。
この背景美術ってもしかしたら「メイドインアビス」の増山さんじゃないか?と感じOPクレジットを見直したらやはり増山修さんの名前がありましたね(まぁ美術監督ではなく美術監修というクレジットでしたが)。
背景は「静止画」ではありますが作品の格調が高まるというか作品が引き締まるというか土台がしっかりするという「アニメーション」の中でも重要な要素だなと改めて感じましたよというお話。

 

 

あと、これは評価と関係ないところになりますが、
今作「わたしの幸せな結婚」は作品の名前だけは知っていたのですよね。
それは、漫画版「わたしの幸せな結婚」の作画が「高坂りと」であったため…「高坂りと」作品を追っていたので以前から作品名だけは知ってはいました。
ただ高坂りとオリジナル作品ではなかったようなので(その前は「文学少女」のコミカライズをされてましたね)作品名だけ確認して(漫画は購入せず)終わってました。

いや、俺としては今作「わたしの幸せな結婚」のアニメ化で「高坂りと」の名前が売れて「プラネットガーディアン」のアニメ化にでも繋がれば良いなと考えていたのですが、OPクレジットに「高坂りと」の名前がなく(あくまで原作小説のアニメという事だろうね)残念に思ったというお話。

 

 

以上