2022年「良」アニメまとめ ~2022年ベストアニメ~

2022年に観たアニメも百を超えたのでここらで2022年のベストアニメを決めようと思います。
まだ録り貯めている作品が残っており全ての2022年(2022年冬、春、夏、秋)アニメを観た訳ではないですが、もうこの辺りで(話題作はある程度は抑えているつもりなので)決めてしまっても問題ないかと判断します。

 

 

2022年アニメで「優」評価作品はなかったので、2022年ベストアニメは「良」評価作品から選ぶこととなります。
対象は

・「明日ちゃんのセーラー服
・「ドラゴンクエスト ダイの大冒険
・「メイドインアビス 烈日の黄金郷


以上の3作品となります。
2021年は「良」評価作品は8作、と比べると2022年はちょっと評価基準が厳しくなったのかもなと自分でも思います。
(というか2021年がちょっと甘い評価の「良」作品もあったかな)

 


で、2022年ベストアニメを決めるとなると…う~ん、悩ましい問題なんですよね。
いやね、上記の3作品から選ぶ事自体は難しい問題ではないのです。
消去法ではありますが逆に簡単に決まる話です。

 


ドラゴンクエスト ダイの大冒険」2020年放送開始のアニメであり(2022年に完結した作品とは言え)2022年アニメとはちょっと言い難い感じ…。
また自分が原作漫画からのファンであるという思い出補正、贔屓目、バイアスが掛かっていて甘い評価になっているかなという事もあり2022年ベストアニメからは除外した方が無難かな…。

 


メイドインアビス 烈日の黄金郷」については前回の感想でも語った事ですが、
作品全体の雰囲気、唯一無二の世界観、精緻な設定、そしてその細かく設定された「世界」に本当に住んで居ると感じられるキャラクター達とその言動、とその作品造りそのものは「優」評価に値する作品だと考えますが、
やはり「真のエンタメ」…何度でも繰り返し観たいと思う作品かというとちょっとその重くきつい・えぐい内容から手放しで褒められないという感じなのですよね。
(しかしホントに、(重くきつい・えぐい内容を除く…(いや、そのきつさ・えぐさもこの作品を構成する魅力の一部である事は間違いないのですが))作品雰囲気・作品造り自体は素晴らしく心をグワシィッと鷲掴みされる様に・抉られる様に感じる作品そのものは大好きなんですけどね)
そういうスッキリしない・晴れ晴れとした気持ちにならないという点でベストアニメとしては選出できないかなという事で除外。

 

 


以上から、消去法で上述した3作品から選ぶ場合の2022年ベストアニメは「明日ちゃんのセーラー服」に決まるんですよね。
別に「明日ちゃん~」も全く悪くはないんですよね。その映像美、表現・演出は秀逸ですからね。
ただねぇ、ストーリー面・物語展開が弱いのよねぇ(もう一つついでに言えば主人公・明日ちゃん以外のキャラも弱い…話の構成上クラスメイト一人ひとり順繰り当番回みたいになっているからどうしても弱くなるのよね(嫌なキャラが居ないというキャラ配置は良いけど))。
マイナスになる様なお話の展開では決してないのですが…、作画・演出面よりも物語構成・展開(次点でキャラ生成)に評価の重きを置く自分としては大きくプラス評価になるストーリー面の良さがない(少ない)「明日ちゃん~」を強く推せないんですよね。

 

ホント「明日ちゃん~」のストーリーは決してマイナス評価になる様なものではないのですが…、、、
冒頭で悩ましい、と述べたのは、「良」評価にしなかったけど、「限りなく良寄りの可もなく不可もなく作品」にストーリー面、キャラクター面で「明日ちゃん~」以上と思う作品があるからなんですよね。

 


その次点としての「限りなく良寄りの可もなく不可もなく」評価作品が
・「ヒーラー・ガール
・「シャインポスト
の2作品となります。

 


「ヒーラー・ガール」は全体の物語構成・シリーズ構成はちょっと弱いと感じるのだけど、キャラ同士の掛け合い、会話の流れに納得があり、またテンポも良く
さらに絵コンテ・演出も巧く観ていて楽しくなる・嬉しくなる造りの入江監督の素晴らしいセンスを感じる作品だったのが良かったのですよね。
ただ最初に述べた様に物語構成・シリーズ構成が弱い~最終話の・物語の締めが弱い~と感じる部分があったので「良」評価に至らなかったんですよね。

 


で、次に「シャインポスト」。
最初の第1話、第2話はふ~ん、へぇ~という感じで観ていたのですが、第3話4話の杏夏編で「おっ、この作品面白いぞ!」となり、続く第5話6話の理王編で「やべぇ、めっちゃ良い作品に出会った!」となったのですよね。
「シャインポスト」はキャラの描き方・魅せ方とそのキャラを魅力的に描くストーリー作りが巧いのですよね。ホントに、第3話4話で杏夏というキャラを好きになり、第5話6話で理王というキャラを好きになる、
という(まぁ作り手側にまんまと乗せられてる訳ですが)ストーリー面、キャラクター面に評価の重きを置く自分としてはそのキャラ構成、ストーリー構成の巧さに良きと感じる作品なんですよね。

 

杏夏は元々(潜在的に)凄い才能を持っていたけど、春という強い光を見てしまったために(そして(潜在的に)才能を持っていたが故に気付いた)、本物(春)と自分の違いに気付いて委縮してしまう、
しかしそれでも好きなアイドルを辞められないで(春こそが「本物の」アイドルだと感じ、春を輝かせるためにサポートに徹しようと考える)悩んでいるという葛藤、そして主人公(マネージャー)によってそこから救われるという杏夏のキャラとそのキャラの魅力を深める上手く絡んだお話の第3話4話。

(また最終盤では再度、杏夏にスポットが当たる話となり、そこで杏夏は「本物」である春と並べるほどの才能を持っていた…その潜在能力は確かであった、、、しかしアイドルとして一歩先を行っていた(ハイレインの(初期)メンバーとしてのレッスンを積んでいた)春を(そうとは知らず自分と同じスタートラインに立っていた/同期の/新人アイドルの卵だと思っていた春の既に磨かれていて強く輝いていた光を)見てしまったが故に自分は「本物」ではないと感じてしまったというお話の構成は良いのですが…)

 

 


理王は念願叶ってアイドルに成れた(アイドルオーディションに合格して事務所に所属できた)がダンスが苦手でグループに迷惑をかけてしまう
しかしそれでも好きなアイドルを辞められないで、虚勢を張る事で心配を掛けまいとする(心配される事…自分のために春や杏夏の時間を奪う事が迷惑だと考え弱い姿を見せない・強がる)理王というキャラの健気さを描き、
そして理王だけが持っている輝きを示してキャラの魅力を深める上手く絡んだお話の第5話6話。
(また5話6話以外での理王の描き方も良いんですよね…。ビラ配りをもう飽きたと一人でどこかに行ってしまう理王…、しかし実はパフォーマンス・人気で春、杏夏に劣ると考えてる理王はそれ以外のところで自分に出来る事を精一杯やろうと遠くまでビラ配りに行っていたというお話や、下手っぴな自分の事はイイから春と杏夏という凄い二人を観に来てくださいと涙ながらにビラ配りをする理王のキャラの描き方が良いのですよね。
あと、第6話のEDシーンのカットで個人的に好きなのが理王がベッドの上でダンスの練習をしているカット…余所の感想とか見てもあまり話題になってはいないようなのだけど俺はこのカット、あぁ理王は自分の家でさえも迷惑かけない様にと気を遣ってんだなぁ、ダンス下手っぴな自分がそれでもアイドルを辞められないでいる…春や杏夏に迷惑を掛けながらそれでも辞められないでいて夜に事務所のスタジオで独りこっそり練習して帰宅後もまだ足りないと考えダンス練習をする、そしてそんなアイドル活動を続けさせてくれる家族にも迷惑を掛けない様に…、とその優しさが垣間見えるカットに泣けてくるんですよね)

 

 

…しかし、この「シャインポスト」が「良」評価になり得なかったのは第6話がピークだったからんですよね。
7話以降も決してマイナスではなかったのですが、やはり全体としてみると前半(~6話まで)が良かった分、後半(7話以降)が盛り下がった様に感じられてしまうんですよね。
7話以降も前半と同じ面白さをキープしていれば間違いなく「良」評価作品となり、その時は間違いなく「シャインポスト」が2022年ベストアニメになっていたでしょうね。
また7話以降(一番の盛り上がり所・最終話が望ましいですが)で第6話以上のお話が作られていれば「優」評価作品になっていてもおかしくない作品でしたよ…それくらい良かったのですがね…前半は。。。

 

 


と、(作品全体としてではなく一部を見たときに)ストーリー面、キャラクター面で「明日ちゃん~」以上だと考えている作品が存在しているが故に悩ましいと感じるのですよねぇ。

 

まぁしかし「良」評価作品外から選ぶのもやはり違うよな、一部のエピソードだけではなく1クール(or2クールor3、4クール…一区切りのある作品)という全体の構成/作品全体として考えるべきだろうから、
2022年ベストアニメとなるのは
「明日ちゃんのセーラー服」
ですかね、、、明日ちゃん~は悪くない…、悪くないけど・良い作品だけどなんかあまりスッキリしない2022年ベストアニメとなってしまいましたね。

 

 

以上