アニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


一気観したと書きましたが嘘です…毎週観てました。
なので最終話はずいぶん前に観終わってはいたのですが、感想を書く気になれず今に至っているのですよね…悪い意味でね。

 

いやね、色々と肩透かしが凄まじかったのよね。
え?2クールで終わりという肩透かし、物語規模・展開のしょぼさの肩透かし、各キャラクターの関係性の深掘りの無さの肩透かし、最後(物語のたたみ方)の雑さ・急さ・大雑把さ感の肩透かし、となんじゃぁこれ…と半ば呆れて感想を書く気にならなかったのですよね。。。

 

 

まず何より最大の肩透かしは、これは「ガンダム」ではないという作品感であった事。
「鉄血のオルフェンズ ~感想」「水星の魔女(第1シーズン) ~感想」でも語っている事ですがガンダムで描かれている戦い/戦争は「人と人との争い…虐げられた人々、人種、民族の誇り・尊厳、自由や独立を懸けた戦い」だと考えています。

 


今作「~水星の魔女~」ではアーシアンvsスペーシアンみたいな人種/民族間の対立の戦争が起こる事はなく結局は一巨大企業内の暴走みたいな感じの戦いが起こっただけ…「鉄血~」も人種/民族間の戦争ではなかったのですが「水星~」よりさらに規模が小さい・しょぼい感じになってますね!

こんなんガンダムじゃないよ…。

 

 

 

あと、今作「水星~」に限らず俺が個人的に好きくない展開というか納得できない展開が「子供が世界を救う・戦いを止める」系の話/物語。。。
何が好きくないかと言うと…、なぜ子供が中心になって戦っているんだ?いやいやいや大人は何してるんだよ!?とその物語展開・設定に納得がない作品が往々にしてあるからなんですよね。

仮に、子供しか能力を使えない/ロボットを操縦できない、という設定があったとしても世界のため、地球のため、宇宙のために子供たちが戦っているのなら大人はそれをサポートするのが当然だろう、と考えるのですよね。
それなのに大人たちの全力サポート(直接的に戦えない分サポートに徹する的な)がなく子供達が中心になって戦っているという展開・設定の作品には全く納得がなく受け入れられないのですよね。

 

今作「~水星~」で言えば、『主人公が学生』という設定ありきでまず始まったと思うのですが…たかが『学生』が大人を差し置いて戦いの場に赴く展開・設定に納得がないのですよね。
また敵役のシャディクにしてもたかが『学生』にあんな暗躍ができる事と思えないのですよね(いいとこグエル程度の活動が関の山でしょ)。

 

 

次に、各キャラクターの関係性の深掘りについて。
スレッタとミオリネは一度喧嘩というか離れてその後仲直りしてみたいなエピソードがあったのですが、普通ならその後に更に仲を深めるエピソードがあるべきだと思うのですが終盤の怒涛の展開のせいでそんなエピソード挟む余裕もありませんでしたからね…、ホント何故2クールで話を畳んだのだろう(いや、普通にガンダム物のセオリーで4クール(分割)あるものと考えていましたからね)、
なんかそのせいで色んな所に無理が出ているというかそれが肩透かし感になっているのですよね。。。

 

 

シャディクについても全然キャラ描写が足りていないと感じるし(その取り巻きたちについても)…、
エラン(オリジナル)も描写が薄くほとんど分からんキャラのままだったし…、
ラウダについても…なんか第2シーズン開始前に仮面を付けたビジュアルがあったと思うけど結局出てこなかったし(出てないよね?)…、
とそんなキャラ描写不足の中で更にアーシアンスペーシアンの対立の話なんかを描こうとしてどう考えても色々と詰め込み過ぎなのよね。
(グエルはなんだか優遇された感じね)

 

 


また物語展開についても
第2シーズン開始から中盤までの総裁選云々のお話は観ていて退屈でそこからミオリネが地球に行く流れもミオリネが巻き込まれる展開も無理やり感が強く納得のない造りで残念でしたね。。。

 

そしてその物語展開の中でのキャラの言動にも納得のない・引っかかる部分が出てくるのですよね。

 

ミオリネが地球での暴動に巻き込まれた後にスレッタがプロスペラやエリクトの真意に気付くみたいな展開があるのですが…、あれ?お前そんなんに気付ける様なキャラだったっけ?自分で考えるより人に言われた通りの事をやる・あまり考えるのが得意じゃないタイプの人間じゃなかったっけ?と違和感を覚えましたね。
(余談ですが、「第1シーズン~感想」で書いたスレッタは人間じゃないのでは…はハズレてましたね)

 


また最終盤のプロスペラについても、あれ?お前スレッタに対しそんな殊勝な母親だったっけ?とそのキャラ変に感じるほどの違和感がありましたね。

 

 

なんかホント終盤の展開は2クールで作品を終わらせるために雑に・大雑把に急いで風呂敷を畳もうとした結果、キャラの描写不足やキャラの言動の違和感、物語の急展開…と凄まじい肩透かし感、スカスカ感を感じる事になってしまっているのですよね。

 

 


一応最後はハッピーエンドで終わってるけど…なんか無理やり感がすごいのよね。。。
いやね、俺は物語がハッピーエンドで終わる事自体は好きなのだけど、ちょっと受け入れられない…展開に納得がない、のよね。

 


大河内脚本に元々期待はしていなかったのですが…なんというか予想の斜め【下】を行く終着でしたよ。

 


作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

 

以下雑感


放送中に「呪い」、「肩代わり」、(あと「祝福」もか?)のキーワードから「メイドインアビス」の話題が出ていた(一時「メイドインアビス」がトゥイッターでトレンド入りしてた)と思うのですが…これどういうつもりでトゥイッターに書いてる(トレンド入りさせてる)のだろうね?
第1シーズンの頃から「ウテナ」や「コードギアス」がトレンド入りしててそして今回は「メイドインアビス」…。
なんかさぁ脚本/シリーズ構成・大河内一楼の引き出しにはもう何も入っていないから過去作や他作品からネタを持ってきてるみたいな書き方に見えてさぁ…、大河内一楼を貶めすつもりで自覚的に・認識があってトゥイッターに書いてるのだろうかね?
このネタは○○が元ネタだ!とトレンド入りさせて…それをやられて脚本/シリーズ構成の人間が喜ぶと思っているのかねぇ?
本人がリスペクト・オマージュですと言っているのならともかく、そうでないのなら「自らの引き出しはもう空っぽの人」みたいな貶しにしかなっていなくて嬉しくないと考える訳なのですが…。
まぁどうでも良いですけどね。

 


以上