アニメ「トモちゃんは女の子!」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「トモちゃんは女の子!」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


これまで観た(感想を上げた)2023年冬アニメの中ではトップクラスに面白かった作品。
ジャンルはラブコメですが、コメディの割合が強い…ラブ:コメディ=40:60、もしくは30:70くらいか?
そのコメディ・ギャグ部分が面白く楽しく観れたんですよね。毎話毎話結構笑えるシーンがあり良かったですよ。振っておいて落とすのが上手い良いギャグセンス持ってる作者さんですね。

また昨今のラブコメはラブの要素にエロ要素を絡めてくるのが多い中、この作品はそれがない(全くない訳ではないけれど露骨なエロ・サービスシーン的なエロではなく男女の性差の表現内かなという程度)、正統派ラブコメなのも良いですね。

 


次に、主要キャラ達について。
主人公・トモはもちろん、淳一郎、みすず、キャロルのキャラも良いですね。

 

淳一郎のキャラは第1話を観たとき最初なんだこいつ?とは思いましたが、何かあるんだろうな、この後のお話を観て行けば分かるだろうなと感じられたのでまぁ許容範囲ですよ。
結局、淳一郎はトモを女の子とは認識しているけど昔のトモに対する憧れが強かったんですよね(多分「異世界おじさん」のたかふみの藤宮に対する感情と似ているのかな)…あとはまぁ照れ隠し/誤魔化しもあるでしょうが。

 

 

主人公の幼馴染・みすずのキャラについては行き過ぎた友情みたいな感情(百合まで行くかという感じの)があるのかなとも考えていたのですが、最終盤までの話を観るにまぁ友情をこじらせていただけみたいでしたね。
序盤から結構怪しい感じを出していたので何だろう何を企んでいるんだろういつ明らかになるのだろうと考えていたのですが、
どうやら小学校時代はともかく中学、高校となると体力的にトモと一緒に遊ぶことが厳しくなってきた・付いて行けなくなってきたので、トモに彼氏でも出来たら少しは落ち着くかも…そうしたらトモと一緒に居られる/遊べる、友達、親友でいられると考えたみすずが「自分のために」トモへ女らしくなる事を勧めていたという事でしたね。
なんかキャロルがみすずを煽っていたのもあって何があるのかと訝しんでましたがただ友情をこじらせていただけでしたね…もう少し序盤から分り易くして欲しいというか変に不安を煽る様な事しないで安心させて欲しかったかなとは感じましたね。

 

 

次に、金髪娘のキャロル。
ほわほわ天然系に見えるが実は色々考えている/察しが良く空気も読む(敢えて読まない事も)娘。
表面上はいつもニコニコしてて何も考えてないアホの娘に見えるけど実は内心不安でドキドキしてたり(第2話の友達になるくだりや第9話のキャロル回等)、とキャロル関連回が実は結構好きなんですよね。
また第12話での、みすずがトモに大事な話をしようするシーンで空気を読んで席を外そうとするキャロル、そしてそれを留めるみすず、留められた事(友達・親友として一緒に聞いて欲しいと感じた事)に嬉しく微笑むキャロル、という見せ方が良いですね。
こういう所でのキャラの見せ方、このワンシーンを入れるのが良いんですよね。
(普通に考えたら当たり前の事の様ですが作品によっては例えば、Aというキャラが発した言葉に対してBがどういう反応をしているかというのを見たいと思うシーンがある時、Aのカットのみで終わったり、Bは後姿が映っているだけ(Bの表情が見えない)みたいな事が間々あるんですよね)
あとはキャロルの声、芝居・演技が良い/上手いのもあり良キャラになってますね。

 


振って落とすのが上手いというのはやはり論理的にお話を構成できるという事でそういう作者はキャラやキャラを絡めたお話作りも上手いですね。

 


お話も13話で綺麗に纏まっていて良かったです。
まぁお話がギャグ・コメディが強めだったのでちょっと「良」評価までは行き難いかなという事で、作品の評価としては、「良」寄りの可もなく不可もなくとなります。

 

 

以下雑感

タイトルとOP映像からどんな作品内容かが一目で分かる造りが良いですね。
スピーディーなテンポあるカットも良いですね…オープニング絵コンテは大地丙太郎か、なるほどあのスピード感は納得だわ。

 


あと作品評価とは関係ないけど、
メインキャラが歌うエンディングのキャラソン的な歌について。
キャラソンって中の人/声優が歌うんじゃないんだよね…、その作品の登場人物のキャラになりきって歌うもんだと思ってる。
そういう意味でキャラソンをちゃんと歌ってたのはトモだけだったよ。みすずはそもそも歌わないだろというキャラですが、もし仮に歌ったとしてももう少しローテンションな感じだと思うんですよね。
キャロルは最初の出だしはあ~キャロルだと思うのですが、途中あれ?これはキャロルじゃない、中の人じゃないの?と感じられたんですよね。みすずもキャロルも音程を取ろうとしたら(音程優先させようとして)キャラが崩れちゃったという感じ。

 

男バージョンもなんかあのラーメン屋の息子以外は違う感じ(まぁラーメン屋の息子はキャラソンが歌い易いキャラではあると思いますが)。
淳一郎も空手部部長もなんか本編のキャラよりテンションが高めな感じになっていてちょっと違うなと違和感なんですよね。

 

キャラソン的なもんやるんなら本編内で登場人物達をカラオケにでも行かせて歌わせておけば多少は納得が生まれたかも、と思ったというお話。

…と思っていたのですが、観直したら第3話のCパートで3人娘はカラオケ行ってたんですね(初見時、Cパート飛ばしてましたよ)。しっかり納得を作っていたんですね。…まぁそれでもCパートで見せた様なしっとり系ではなく、明るい感じのテンポあるエンディング曲をノリノリな感じで歌うみすずにはちょい違和感ありましたがね…。


以上