録り貯めしていたアニメ「コタローは1人暮らし」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。
最初、どう観て良いか分からなかった作品。
4歳とは思えないその言動、知識を見せていた事からこれは、見た目は子供、中身は大人・おっさんみたいな、昔の記憶を持っている系の転生モノのお話かなとも考えていたのですが、普通に子供みたいですね。
縦に長い目のデザインがどことなく少年アシベを思い出させる(アシベには白目はないけど)。ゆるい絵でありながら時折見せるダークでトゲのある作風もアシベ(というかアシベの作者の作風)に共通するかも。
で、上述した様に本当に4歳児という設定らしいのですが(転生とか中身はおっさんとかではなく)、口調はともかく知識が絶対に4歳児のそれには思えないのよね…まぁ半分(3～4割くらい？)コメディ要素な作風・作品なのであまりツッコむのも野暮な感じですが。
基本的には親と子供の問題、ネグレクト問題。
ネグレクト被害者であるコタローとコタローが一人で暮らす同じアパートの住人たちの心の触れ合いを描くイイ話系の作品。
イイ話系を描いているのは分るんですけど、なんかこの作品あまり好きくないのよね…。
それは、色々なネグレクト問題を取り上げてはコタローと無理やり繋げて紹介する的な見せ方が気持ち悪い。。。
ネグレクトを漫画の／商売のネタにしてる様な感じを受ける。
違和感なく自然に繋げてられてたら良いけど／作品の中に自然に取り込めていたら良いけど、この作品を観て感じるのは、
色々な事例のネグレクトを作者が調べてはそれを漫画ネタに反映させて～このネグレクト事例は漫画に使えるわ～とネグレクトという問題を金に換えてる様な感じを受けて好きになれないんですよね。
例えば、コタローの母親のあの手袋の件について、え？今までの回想の中でそういう描写あったけ？
なんか作者がつい最近新たに仕入れたネグレクトねたを使うために急にコタローの設定付け加えました的な感じを受けてこの作者・この作品が気持ち悪くなったのよね。
他のネグレクト・虐待ネタにしてもコタローと無理やり接点を作り～例えばあのサッカー少年の回…多分あの1回きりの設定・登場だよね～虐待問題をネタとして消化(昇華ではなくただの消化、消費と言い換えるても良い)している…、
作者が社会派漫画を気取っているのか、読者はこういう話を求めてんだろ～的な感じで作品造りをしているのか知らんけど気持ち悪さを感じるんですよね。
コタローの問題だけに絞って作品造りをするか、明らかに1回きりの設定／虐待問題(仕入れたネタ)紹介の為だけの雑な設定ではなく違和感なく自然に物語に取り込む工夫・努力・作り込みをするか、という事をしないから気持ち悪さが作品に滲み出る事になってんのよね。
新しいネグレクト・虐待ネタ仕入れてきましたよコレ使いましょハハハハ、みたいな感じで担当編集に言われてんのかもしれんけどなんにしても気持ち悪いわ。
まぁ上述した内容は邪推を多分に含んでいるので(あくまで俺が個人的にそう感じたという事であり実際は異なるのかも知れないので…なんにせよ見せ方が下手だという事には変わりはないのですが)、
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。
以上
