録り貯めしていたアニメ「Lv1魔王とワンルーム勇者」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。
2023年夏アニメランキングみたいなのでまぁまぁの評価を受けていた様なので期待していたのですが…、
俺が視聴済み(感想アップ済み)の2023年夏アニメ作品内で言えば確実に下位層にランキングする酷さの問題作でしたよ。
俺がこの作品の序盤(3話くらい)までを観て思ったのは…、あぁこの作品は「天体戦士サンレッド」みたいな作品かなぁ、でした。
主人公と敵対関係にあるはずの悪(悪の組織)が人間の街で・人間社会で平和に和やかに庶民の生活に溶け込んで暮らしている、そんなサンレッドチックなほのぼのコメディかなと感じていました。
それが…、観進めていくと段々とお話がシリアスになっていくんですよね。。。この作品はほのぼのコメディなんかじゃねえ、全然サンレッドチックじゃねえな…。
(いや、もう序盤から既に妙に悲哀・悲壮感が描かれておりほのぼのコメディではなかったりしたのですがね)
というか、この作品って全体的に/全てにおいて中途半端なんですよね…それがこの作品の問題点なのですよね。
まずは、上記で述べた様にコメディタッチからのシリアス展開という物語構成について。
いやね、作品の掴みとなる・物語の導入となる重要な序盤でコメディを描いておきながらシリアス展開へシフトするという、物語序盤/導入部で示された作品の方向性の急転する展開(まぁそれでも序盤から悲壮感を描いていて後のシリアス展開への布石を打っているのは分かりますが…)に納得がないのですよね。
序盤・物語導入部でギャグ/コメディを描いたのなら(コメディの作風・作品の方向性を示したのなら)全力でコメディに振り切れよ!途中で路線変える様な事するなよ!中途半端な事するなよ!というお話。
物語の最序盤というか前提となる勇者vs魔王(魔族)の戦いの構図…そしてそこで描かれる中世ファンタジー風の世界観、からの10年後の世界観がガラっと現代風になっている(パソコンなどの現代機器やYOUTUBEみたいなものもあるという世界観)という明らかにギャグ・コメディなノリの技術の進歩が描かれている訳ですよね(絶対に10年で進歩する技術水準ではない、ギャグとして受け入れるしか有り得ない世界観の急変)。
そんな風に世界観の設定やキャラクター設定から確実にギャグ・コメディな作品/作風なのですがギャグ・コメディに振り切らずシリアス展開する構成が中途半端で納得がなく問題であるのですよ。
次に、主人公・勇者と主人公・魔王について、というか魔王(魔族)の存在意義の問題について。
終盤の展開は、元勇者パーティ同士の争いというか人間の利権問題の話になっていき魔王(魔族)の存在意義がほぼほぼ無くなるのですよね。
一応、終盤に魔王が勇者を焚きつけるみたいな役割があるといえばあるのですが…その展開(勇者が行動を起こすに至る理由)に納得がない・足りない感じなのですよね。
序盤のギャグ・コメディ路線からシリアス路線への変更に伴いその存在意義を失う感じであり、この事からも最初から綺麗に構成された設定・物語には到底思えない…、おそらく何も考えず(あまり深く考えず)適当に思い付きで・勢いで描いている作者である故の色々と中途半端さを感じる作品になっているのでしょうね…残念な作品ですね。。。
(終盤の登場は最終話に最後の方にちょろっと出てきて、あぁそういえば魔王いたっけ、こいつ必要かなぁ、後半ほぼ空気な魔王だったなぁと感じたほどなのですよね)
あとは、強さ設定が分からんね…全く納得がない描写となっている。
戦士が強いのはまぁ分かる。しかし、僧侶が戦士と近接戦闘でタメ張れるという意味が分からん。戦士と近接戦闘が可能であるのなら魔法使える分、僧侶や魔法使いの方が全然強いんじゃないの?とさえ感じる。
またそもそも魔族の強さが分からん…、人類が脅威に感じるほどの存在だったのか?人間である主人公・勇者や戦士、僧侶、魔法使いの強さ(魔族を簡単になぎ倒している姿)を見るに魔族のその強さの描き方が微妙というかちょっと強い人間が居ればどうとでもなる様な存在にしか思えないのよね…。
いやね、せめて勇者だけが飛び抜けて強くて唯一魔族に対抗できる強さを持っていて他3人はあくまで勇者のサポート的な立ち位置、という描き方であればまだ納得するのですが…、魔族を圧倒する強さを持つ人間が(勇者以外にも)ゴロゴロ居るみたいな設定だと人類の脅威にはならんやろ、という感じなのよね。
まぁこれも作者の設定が色々と中途半端だというお話。
で、全体的に/全てにおいて中途半端なこの
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。
以上