アニメ「もういっぽん!」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「もういっぽん!」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


2023年冬アニメで話題になっていた作品の一つだったと思います。
良かった・面白かったという評判を聞いていたので期待して観始めたのですが…、主人公は元気っ娘で可愛いけど、話題になるほどのもんか?と3話か4話くらいまではそんな感じの評価でした。


しかし、観進めて行くと段々と分ってくる、この作品の面白さ…それはキャラの心情描写/表現が巧い・丁寧なんですよね。
絵(画)だけではキャラの心情が伝わらないと思ったらしっかりと言葉でセリフでモノローグで表現する、そしてそれプラス絵(画)でもしっかり魅せるという表現。
おそらく原作漫画(未読ですが)の作者のセンスが素晴らしいんだろうね。絵で魅せるべき所は魅せ、(絵だけでは)足りない/読者に伝わらないと感じたら言葉でも語る事によって魅せる、その辺りのセンス(読者に寄り添うセンス、独り善がりな作品になっておらず読み手の納得を考えて制作する事が出来るセンス)が絶妙なのよね。

 

 


俺がアニメ感想の中でちょくちょく語っている事ですが(直近で云えば「ツンリゼ」感想)、アニメだからと云って全て(キャラの心情等)を絵(画)で表現しようとするのは違うと思う(無理だと思う)訳なのですよね。
だから必要なシーンではモノローグなりナレーションなりでキャラの心情を言葉で説明して良いと考えているのですよ。
それを…「アニメーションだから絵(画)で表現すべき…」と盲目的な・凝り固まった考えで制作しているとそこに納得がなくなるのですよね。

 


で、今作「もういっぽん!」はその辺りの塩梅が巧い、、、語るべき所は語りでキャラの心情を魅せ、絵(画)で魅せるべき所はそのキャラの心情にマッチしたカットでしっかりと魅せる、その魅せ方が巧いため観ていて盛り上がるんですよね。
この作品って特別お話の構成・展開が巧いだとか設定や伏線の張り方が巧いとかそういう事はないのですが、キャラ心情描写/表現に納得がある様に描けてあるからそれだけで充分面白くなっているんですよね。
(正直、大会の結果は勝っても負けてもどちらでも良いと思って観てました…ただ未知たちの試合をまだまだ観ていたいとだけ思ってましたね)

 

ライバル校のキャラなんかも大会でのポッと出のキャラのなのですが、要所要所での語りの入れ方、キャラの心情を巧く表現した作画で深く感じ入る事が出来るようになっているのですよね…、(このライバルキャラ達の設定/エピソード自体は普通なのですが)

要所要所での挿入する語り・言葉の内容、タイミング、そしてそのキャラの心情をさらに高める構図・カット…、とキャラの心情描写・表現、魅せ方が巧いために面白く感じるのです。作者のセンスが良いなぁと感じるわ…。

 


このキャラ心情描写/表現はアニメオリジナルの表現、演出ではないと思うので(原作未読なので分からんのですが…アニメオリジナルの表現、演出だとしたら監督のセンスとなりますね)、原作漫画の作者・村岡ユウさんの絶妙な秀逸な(キャラ心情描写表現の)センスだと考える訳ですが…、ホント今作を観ていて村岡ユウさんの別作品を読んでみたいと思いましたからね…、今作の原作漫画についてはアニメで続きを観たいという思いもあり悩ましい所…。

 

今期のお話では試合に出れなかった南雲ちゃんの活躍を観たいので2期を期待してますよ(南雲不出場の話を観たときは、あぁこれは最終盤の試合で2勝2敗となって戦わずに負けるよりは、と南雲が最後の最後に試合に出て勝利して南雲にも活躍の場が与えられる…という構成かなと思っていましたが、ブレずに不出場のままでしたね)。

 


すぐにでも続きが観たい、読みたいと感じる面白い良い作品で、
作品の評価としては、「良」評価となります。

 

 

あと、柔道の団体戦って勝ち抜き戦なのね。勝ち抜き戦ならではの駆け引き、ドラマがあって面白いね

 

 

以上