アニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


色々と微妙だった作品。

 

主人公の属する小国と敵対する強大な帝国との構図、その描き方は面白くなりそうな物語だったのですが…。

 

まずなによりダメなのがキャラがつまらん!主人公をはじめどのキャラにも魅力を全く感じない(まぁ唯一あの主人公チームの小隊長みたいなのが僅かにキャラがあるくらい…それでも弱いのですが…)。
最初こそ面白くなりそうな感じがあったのですが、キャラに魅力がないため話の展開をただ眺めているだけみたいな感じで物語を観ていましたね。
キャラ設定がしっかり出来てそのキャラと絡めた物語の展開が描けていれば面白くなる余地は十分にあったと思うのですがねぇ…残念な作品。

 

 

キャラついでに言わせてもらうと、第1話のあの描き方。。。
仮面姿のまま話が進んで行ってさぁ、早よ顔見せろよと思いましたからね。あんなモブみたいな描き方で見せられてもキャラも何もあったもんじゃないのよ。
主人公は途中から顔見せるけどさ、後の兵士二人は結局最後まで顔見せんからね(最終話でチラッと見えますが)…お前らホントにモブだったんかい!と驚きましたよ。
で、第2話から本当の本編開始みたいになるのですが、あんな描き方の1話なら最初から要らんやろ、第2話からの始まり(小隊配属から)の方がすんなり入れた気がする、とその構成にも疑問を感じましたよ。
まぁこの小隊の仲間キャラ達も表面的な属性付けのみであり深み・魅力がなく弱いんですけどね。

 


そしてキャラ問題以外でも微妙というかよう分からんと感じる事がちらほらと。

 


まず、この作品世界の技術レベルについて。
作品内に登場する機器類を見ているとこの世界の技術レベルはリアル/現代と遜色のないレベルみたいですね。
戦車やコンピュータもあり、さらにこの世界では機動兵器が通常運用されているというリアル/現代の技術よりも高度な技術レベルにも感じられます。
しかしそれでいて、戦闘機や戦略兵器は出てこない(描かれていない)様でその辺りの技術レベルのちぐはぐさが気になります。
なんだろ?この作品世界にはミノフスキー粒子みたいなものでもあるという設定なのかな?多分そんな設定は語られていないと思うけど…よう分からん、納得がないのです。

 

あと魔法みたいな不思議な能力も存在するようだけど…これもよう分からん。
戦局を左右するほどの~戦略兵器みたいな~扱いにはなっていない様でたまにちょろちょろっと申し訳程度に出てくる感じで魔法の有用性・優位性もよう分からんし、科学兵器とファンタジー融合している世界観なのかもよう分からん…。しっかりした世界観を作ってくれ、見せてくれよ。。。

 


また、これは見せ方・物語の構成のお話になるのですが、
敵国である帝国にTHE・主人公みたいなキャラが出てくるのですよね。
それを観て、えっ?帝国側が正義なの?いやでも帝国は明らかに侵略してるよな、とその描き方に混乱してしまいます。
これがもし主人公や帝国側のTHE・主人公キャラが国の中枢、トップにいるキャラであるならば二人で和平を目指すみたいな展開にもなるかもしれませんが、どちらも一兵卒であり、そんな展開はあり得ないと考えられ、ではなぜ帝国側のTHE・主人公みたいなキャラを描く必要があるのかよう分からん、1クールで物語を纏めるにはもう少し整理して構成せんと無理だろ、とその見せ方に納得がないのですよね。

 


あとは主人公の能力というか設定について。
今作の主人公って特に何かに優れた能力を持っているとか主人公しかもっていない特殊な能力を有しているとかの設定がないのですよね。
それに加えて上述したキャラが弱い/魅力がない問題も相まって主人公の意義が薄いと感じてしまうのですよね。

 

せめて主人公のキャラが分かり易い・最初から最後まで一本筋の通ったブレない性格のキャラであればもう少し物語に入って行けたかもしれないのですが…。

 

 

キャラや作品世界観の設定、お話の構成等々、色々と微妙で残念な作品でした。

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上