アニメ「忍の一時」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「忍の一時」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


作画のリソースがもったいないと感じた作品。
この作品、視聴前の時点でタイトルからしてもう低レベル・低予算作品臭がプンプンしてたから、最底辺作画を想像していた訳なのですよ。
それが…作画・アニメーションだけを見るとまぁまぁ良いのよ…まぁ、正確には良いというか悪くないという感じなのですがね。
(ufotableやClover Worksが作画が「上の上」だとすると、この作品の作画は「中の上」レベルかな、という感じで最底辺作画を想像していただけに・期待値が低かっただけに思いのほか良かったのよ)

 


まぁ作画面も決してプラスになる様な評価ではないのですが、それよりもやはり設定、お話、キャラクターの造りの拙さが目立ちますね。

 

まずなにより忍者という設定が詰まらない、というか全く活かしきれていない…。
伊賀vs甲賀の忍者バトルみたいな事やりたいのか知りませんが、、、忍者関係ないんだよね…科学技術、兵器の戦いであって忍者である必要ないんだよね。。。
なんだろうね、海外配信を見越しての外国人向けのためだけの「忍者」設定だったのかしらね?ホントこんな科学技術・兵器メインの戦いをやるのなら忍者同士の戦いではなく、日本で暗躍する武器商人の覇権争いという設定でも充分に成り立つよね、と感じる。
忍者設定を活かさない・活かしきれないのであれば設定考え直せよ…。

 


で、次にお話とキャラクターについて。
もうシリーズ全体を通しての構成や一つ一つの話の展開からして納得がない。
物語序盤の学園編なんてもう仲間と知り合うためだけ装置にしかなっていないというアホ構成…いや構成とすら言えない雑な・お粗末過ぎる展開。
またそもそもの導入設定のお話になるのですが、甲賀が伊賀を憎む理由も弱いというか納得がない。
視聴者的には最初から、いやそれホント伊賀がやったの?って感じだったしそんな真偽不明な状態で伊賀殲滅に燃える甲賀に全く納得がないのよ。
そして最終版の主人公の母親の展開…ちょっとしたドラマを作りたいがためとしか思えない、必然性のない展開。
またそれに関連して主人公の幼馴染のヒロインのマイクロチップで操られる云々の話…。たまたま主人公の母親に拾われて育てられたから上述したドラマ作りに絡んでくる話になるけどさぁ…、
全くの偶然だよね?別の所に預けられてたら主人公の母親との関係性なくなるし。。。また、マイクロチップ頭に埋め込んだとしてそれでどういう原理で遠隔から(留置所の中から)操ってんだろうね?しかもなんか術者は視界も共有してたみたいだけどよう分からん理屈だよね?なんだろね、それこそ魔法みたいな超科学なのかね?現代では考えられない様なすっげぇ技術力なのね…、と納得のない事だらけなのです。

 


そしてさらにお話の構成、展開、設定と伴に納得がないのがキャラクター問題。
主人公からしてキャラクターというものが描けていないのですよね…。
公式HPのキャラクター紹介ページには30人のキャラクターが載っていますが、いやいやいや30人もキャラクター紹介載せる必要ないでしょう…ほぼほぼモブキャラばっかりよ、アホなの?
主要キャラなんて8人か多くて10人よ。そしてその8人~10人のキャラクター全てにおいてが全く描けていない。
その原因は、ストーリーの展開ありきでその展開のために必要なキャラが物語に乗っけられているだけだから、なのです。
そしてその物語に乗っけられてるキャラというのは、「キャラクター」という深みや魅力や親しみ・共感の持てる様な「活きている」キャラではなく、ただ物語展開に必要な属性だけを持たされたキャラ、とも言えないような人形・装置でしかなないのです。

 

ストーリーの構成、設定、展開もつまらないならその上に乗っかるキャラクターもつまらない(ほぼほぼキャラとすら言えない造りの登場人物達ですが)、
(作画をそこまで重要視しない俺の評価基準では)作画以外は全体的にかなり酷い作品でしたよ。。。

 


作品の評価としては、限りなく「不可」寄りの可もなく不可もなくとなります。

 

以上