録り貯めしていたアニメ「スキップとローファー」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。
これまで視聴した2023年春アニメの中では面白かった作品。
今作「スキップとローファー」…、これは「明日ちゃんのセーラー服」と同じ、ですね。
いえ、これは別に作風が同じだとか作画が美麗だとかいう事ではなく大雑把に言うと雰囲気というか世界観が同じなのですよね。
それはどちらも「ファンタジー」の様な学園生活であるという点が同じだと感じるのです。
「スキロー」も「明日ちゃん～」も嫌な奴が出てこない、真に悪い奴がいない…、ともすればイジメの対象になり得る言動の主人公が涙を流したり深く悩んだり(全く悩みがない訳ではないですが)鬱展開になったりしない、～リアルではない、こんな学園生活はファンタジーだと感じられる～主人公が好意的に受け入れられる基本的に幸せな物語が展開されるのですが…どちらもそれが良い、それが正解だと感じられる造りの作品なのですよね。
(モデル娘の西城梨々華も嫌な奴かと思ったら最終話で、可愛くなっちゃってまぁというところを見せてたからね)
主人公・美津未…ビジュアル的には可愛く・美人には描かれていないのですがキャラとして可愛いですね。
地方から東京の高校(進学校)へ出てきているのですが、美津未は別に田舎が嫌で都会へ出てきているのではないのですよね。それどころか地元が好きで地元の将来のために官僚になるという夢を持って東京へ出てきているのですよね…、田舎から東京へ出てくる系でよくありがちな地元を・田舎を毛嫌いしているという訳でなく逆に地元が好きという美津未のそのキャラが美津未の純朴さを作っている、キャラとして可愛くなっている訳なのですよね。
下手したら小学生(高学年)or中学生なり立てみたいな精神年齢の主人公・美津未で、その純朴さが学校でイジメのターゲットになる危うさを含んでいた(そういう展開もあり得た)のかも知れませんが、いじめっ子となる様な真に嫌な奴は排除してファンタジー学園生活に舵を切っているのがホント心地よく観れて良かったですね。
クラスメイト・ミカは最初こそ嫌な感じですが、ナオちゃんと出会ってからは素直になれてる感じが良いですよね(お泊り会のお話で、食事会の日程を勘違いしてたと言って戻ったミカを画だけで見せるのも良き)。
他にも結月と誠の関係や、結月と誠の旧友との関係の描き方…変にダラダラ長引かせずサラッと終わらせる展開、以前の(結月と誠の)話がしっかり活きている構成が
ちゃんと考えて物語構成・展開している良い作者さんだなぁと感じましたよ。
(いやね、ここ最近見た作品は考えの足りないと思われる設定、構成・展開のものが多かったからね)
最終話は、不穏な空気を出していた梨々華編を収めて終わりという感じでしたね。
最後はもっと美津未と志摩が良い感じなって終わるものと想像していましたが(OP映像の様な感じの)、仲の良い友達止まりまででしたね。
2期があったら二人の進展を期待したいですね(どちらかがもう少し自覚的になって欲しいかな)
視聴前はそのタイトルから日常系JK物かと想像していましたよ。
で、OPを観たら「スキップとローファー」の原作ってアフタヌーン掲載と…。
アフタヌーンって一度も本誌を読んだ事ないけどこういう系統の作品も載ってるんだと驚きましたよ。青年誌なのでもう少し重い内容を含んでいたり過激な描写があったりするものかと思っていましたがアニメを観た限りで言えば少年マガジンでも行けそうよね…(いや、アフタヌーンのカラーは知らんから適当に言ってるけど)。
あと、この作品はやはりアニメーション制作「P.A.WORKS」の力も大きいと思う。
原作漫画を読んだ事はないのですが、原作漫画をリスペクトしその良さを十二分に引き出しているのではないでしょうか…、アニメを観ていてそう感じた良い作品でした。
観ていて癒されるアニメで面白いは面白かったのですが飛び抜けて…というものはなく、
作品の評価としては、「良」寄りの可もなく不可もなくとなります。
以上
