アニメ「星屑テレパス」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「星屑テレパス」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


きらら系原作な作品。
ジャンルは日常系+SF…SFといっても「すこしふしぎ」のSF。
SF設定は自称宇宙人娘が出てきておでこパシーという能力が使える程度。


そんな日常系+SF(すこしふしぎ)な設定の物語作品ですが…、う~ん全体的に悪くはないのだけどキャラだったり物語展開・魅せ方だったりが弱いと感じたのですよね。

 

 

 

まず主人公のキャラクターについて。
自己肯定感の低い内気な性格というのは分かりますが、そこから「地球にはもう居場所はない、宇宙へ行く」という思考・発想に納得がない。
いやね、これはただの現実逃避な訳なのですが主人公がそれを自覚していればまだ納得があるのです。しかし、作中そんな描写はなく本気で地球にもう居場所がないからという理由で宇宙を目指している、みたいに描かれているのですよね。
(その本気度が故に内気な主人公が自分から動き自称宇宙人娘と友達になる流れとなっています)


宇宙を目指していると主人公は語ってはいますがNASAや宇宙飛行士になることを目指している訳ではない(そのための勉強や進路を考えてる訳ではない)のですよね。
このことからも「~宇宙へ行く」が現実逃避であることは明らかなのですが、主人公はそれを自覚しない、自問自答しない…そこに納得がないのですよね。

 

直近アニメで自己肯定感が低い主人公と言えば「僕ヤバ」の主人公が居ますが、この作品がもし「僕ヤバ」ほどに主人公の思考を丁寧に納得ある心情描写を行う作品であったならばモノローグで『「~宇宙へ行く」…これは現実逃避だ、分かってる』と自問自答して自覚・認識していたことでしょうね。そういう納得させる様な心情描写がないのが残念なのです。


あと、主人公の性格…自己肯定感の低さや内気さには共感する部分もあるのですが、ちょっとオドオドイジイジが過ぎるかなぁと。いやね、牛の歩みではありますが少しずつ成長はして行ってるのは分かるのですがもう少しテンポよくというかストレスを感じない程度に成長を描いて欲しい…それか相棒の宇宙人娘が適宜主人公を引っ張る・背中を押すということ(役割)をして欲しかったかな。

 

 


で、その宇宙人娘ですが…、キャラクターが分からなくなることがあったのよね。ギャグ・コメディの日常パートとは違うシリアスパートの時、あれ?コイツこんなキャラだっけ?こんな喋り方・声だっけ?と分からなくなることがあったのですよね。

(これは主人公にしても同じことを思った時がある(ほぼ全てのカットで顔を赤らめている主人公が顔を赤らめずにハキハキと喋るシーンだったか))


まぁこれは納谷音響監督のディレクションによるものかもしれないけど…、それで良いのか(こんなキャラだっけ?キャラ違ってないか?と)ちょっと疑問に思ったというお話。

 

(あと余談ですが、宇宙人娘は「ダイの大冒険」のゴメちゃんの様な存在だと思ってる。主人公が流れ星にお願いして(自分を理解してくる・友達が欲しいという願いから)生まれた存在だと思っている…この辺りの設定も少し不思議/ファンタジーかな)

 

 


次にショートカット娘。
なぜ主人公と友達になったのかよく分からない(なぜ主人公を選んだ?ただ席が隣だったから?世話焼きな性格だったから?)。キャラクターとしてもよく分からない。もう少し深みのある・意義のあるキャラクターとして納得のある絡み/物語展開で描いて欲しかったかな。

 

 


最後にメカニック担当娘。
主人公と同じくこのキャラの本気度もよう分からん。あと、ちょっと性格をきつく描きすぎてやしないか…。
いや、登場当初からきついなぁ、難しい性格してんなぁ、取り付く島もないのでは、と感じていたのですが…、やはりそれが災いしてか(個人的な感想・感覚ですが)主人公たちに対して態度を軟化させるシーン(初加入時と再加入時)において「えっ?えらくあっさりデレたなぁ」とその肩透かし感というかちぐはぐさ(性格のきつさ・難しさ描写の割にデレに至るまでの描写が弱い・軽い)に納得がないのですよね。

 

 

 

キャラはこれくらいにして次にお中盤~終盤の物語展開について。
ロケット飛ばし大会の勝敗ですが…、負ける・敗退すること自体は別に良いのです。しかし、敗退するならそれをしっかりと・負けるべくして負けた納得を持って描かなくてはいけないのですよね。
それをナレーションベースやダイジェストで描くことはホント納得がない。アホかと思ったね。
いやね分かりますよ、大会自体を描きたいのではない…その敗北/挫折からの立ち直り/再生こそを描きたい、大会ではなくそちらの方に尺を使いたいが故なのでしょうが、、、それだとしてもその後の話の内容が面白くない・響かない(ただキャラがなんか感動っぽいセリフを泣き喚いているだけ)のでその物語構成に納得がないのですよね。

(大会をナレーションベース、ダイジェストにした割には敗北/挫折からの立ち直り/再生の物語に納得がない・弱い、という構成のダメさというかアンバランスさ・つり合いが取れていないことが問題)

 

 

カニック娘の項でも述べた様に再加入のお話においても何かよう分からん理由(納得のない・薄い・弱い)で元に戻ったからね。全体的にキャラ、ストーリー共に納得が弱いのよね。

 

 

最後もよう分からんで終わったし…。。。この作品って今後どのように展開すんの?ロケット大会メインで行くわけじゃないよね?それだとお話の大筋が分からんくなるし。
かと言って高校の部活の枠超えて本物のロケット造る訳もないし…、展開考えてあるのかな?

 

 


キャラ、物語展開、魅せ方だったり色々と弱い薄いと感じる作品で
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上