アニメ「アンデッドアンラック」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「アンデッドアンラック」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

一気観したと書きましたが嘘です。昨年末に11話、12話くらいまでは一気に観てそこからは毎週観てました。
いやね、1クール作品だと思ってたからね終わるのを見越して12月末から観始めたのですが終わらなくてびっくりしたわ。あぁ2クール作品だったんだ、とそこからは毎週観てましたよ。

 


で、内容についてですが、最初は不死身と不運という設定に、そしてその不死身の戦い方(血で飛んだり飛ばしたり)をを見て、なんか粗い設定じゃないかと感じて第1話時点ではこの作品大丈夫か?と不安だったのですよね。
しかしそこはジャンプ漫画作品/ジャンプ作家。お話の展開というか見せ方が上手いね。盛り上げるべきところでしっかり熱い展開で盛り上げてくる。
さすがのジャンプイズムというか見せ方・盛り上げ方を分かってる。おそらく子供の頃からジャンプを見て育った作者の中にある/幼少の頃から育まれたジャンプの遺伝子がそれを成してる(まぁ全てのジャンプ作品の作家がそれを理解してやってるとは言えないのでこの作者のセンスという所も大きく在るのでしょうが)。
観ていく内に段々と面白くなってきたのですよね…この辺りはさすがジャンプで連載を続けてアニメ化されるだけはあると感じましたね。

 


まぁ、各章ごと(3~4話単位で構成される)のお話の盛り上げは上手いさすがはジャンプと感じる造りなのですが…、大きく作品全体で見た時はちょっと…纏まってないと感じるというか後付け感・ツギハギ感、設定/路線変更感を感じるというか。。。


例えば最序盤の組織との対立からの主人公達が組織に入る流れの話であったりとか…、最初から構想・構成されているとすればもう少しスマートというか納得できる設定・展開を考えておくのではないかなと感じたのですよね。
おそらく最初の山場的な盛り上げ所のためだけに作った「主人公vsヤバい敵対組織」みたいな感じだったのでは、と考えたのですよ(もし人気が出なければ「vsヤバい組織」と俺たちの戦いはこれからだ、続く…的に終わらせることもできる様に)。
中盤以降の組織と主人公たちとの関係から考えれば命のやり取りをする様な関係性は要らなかっただろとしか思えない、最初から考えられてた訳ではない…あくまで山場づくり優先のため、、、と。
そこら辺はまぁ週刊漫画、ジャンプ漫画の宿命か、アンケート至上主義の犠牲になった部分があるのかも…だからこそ先の先まで考えての構想は為されていない、アンケートのための瞬間的な山場づくりを優先させた/求めたが故の作品全体として観たときの構成の弱さ(章ごとのエピソードに比べて納得の弱さ)が感じられてしまうのですよね。

 

 


あとは、UMA設定がちょっと…。
否定者と戦わせるために/勝負になる戦いにするために無理に訳分らんく強くしてる感じ。
そのUMAの持つ純粋な能力のみではなく再生能力を持っていたりとか作者都合・物語都合で倒しにくくしてる感じを受けるのですよね。
強さ設定がしっかりしていれば良いのですが(納得するだけの設定があれば良いのですが)、苦戦させるという物語展開のために/UMAの脅威・強敵感の演出の為に純粋な能力以上の強さを盛ることに納得がない…。
いやね、能力の相性によっては完封するとかあっても良いのにね、とか思っちゃうのですよ。

 

 


と気になる点・納得のない点も書きましたが各章ごとのお話は基本的には熱く盛り上がる感じで好きですよ。
各章ごとで見ればしっかり設定・納得も作られてると感じ、例えばアンノウンの設定はなるほどと納得しましたよ。
なぜ主人公たちはアンノウンを認識できているのだろうとずっと疑問に思っていたけど、最終話を観てなるほど本物はやはりずっと認識されないままなのね、と納得できる設定/仕掛けが明かされ面白かったですよ。

 


そんな感じで各章ごとで見れば盛り上がり所、魅せ場、面白さもあるのですが、作品全体で見れば円卓の設定も良く分からんというか無理くりに感じるし、神の設定、否定者の設定そのものなんかも意味分からんというか深く考えてもしょうがないかな、考えない方が良いのかなと感じる部分もあるのですよね(例えば「不運/不幸」の能力を例に挙げると、「不死身/不死」の様な再生能力を持つ対象に対して隕石が衝突する「不運/不幸」と再生能力等ない対象に隕石が衝突する「不運/不幸」は同じにならないと考えるのですよね(「不死身/不死」にとっては大した「不運/不幸」ではない)。公平に「不運/不幸」を与えるなら「不死身/不死」にとっての「不運/不幸」でないと意味がない(隕石衝突という事象が、再生までに多少時間がかかる大ダメージというだけの「不死身/不死」の再生能力持ちにとっては一時的な行動制約/制限にしかならない程度の「不運/不幸」と、一般人の身の上に起る隕石衝突の「不運/不幸」が同じでは意味がない)と思うのですが…その辺りはどう設定されてる?)
そこがちょっと残念な部分でもありますね。

 

 

 

あと、気になったついでに作画・演出面について。
第1話を観て感じたシャフト味。監督や作監を調べたらやはりシャフトの作品に関わってた方でしたね。
まぁちょこっと薄~くシャフト味を感じるくらいだから気にならんけどさぁ、シャフト/新房を連想させる様な作画・演出表現よりオリジナル性を出した方が・追及した方がが良いんじゃないかと感じた、というお話。

 

 

 

色々と不満点も書きましたが、基本的には熱い展開に盛り上がり物語にも入っていけて視聴前の期待を大きく超えてきて面白く楽しめましたよ。
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上