アニメ「地球外少年少女」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「地球外少年少女」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


必要最低限のキャラ紹介、世界観設定の説明が終わった後に宇宙ステーションでの事故が起こることから物語が始まる…最初はパニックムービー的なジャンルの作品かなと思っていたのですが、中盤以降はミステリサスペンス的要素がメインとなっていきます。
(最後ら辺にあったAIに対する知能制限解除の件はゾーニングにつながる(まだ分別が付かない子供に一気に情報開示するのではなく成長に応じて段階的に解除・開示する)みたいな話に感じられ個人的にちょっと興味深い部分もあったね)

 


限られた時間内な(1クール、2クール程の時間がない)ので、序盤の必要最低限のキャラ紹介や世界観設定説明を飲み込むことに追われ、その後息つく間もなくミステリサスペンス的な要素が襲ってくるという構成がちょっと損してると感じる。せめて1クール(12~13話)の時間/余裕があればもう少し丁寧にゆっくりキャラや世界観、展開を描く事が出来ただろうに…。

(まぁそのせいか/時間的余裕がないせいかどうかは怪しいのですが、配信者お姉ちゃんの設定も浅いよね。どこかで見た事ある様な数字に取りつかれたYOUTUBERキャラという薄っぺらさ…、また月生まれ少女もキャラとしては弱い…というキャラの説明・紹介の弱さ、魅力/深みを描く時間の足りなさを感じる)

 

 


終盤は「逆シャア」みたいな展開になってAIが地球に彗星を落として人類を3分の1まで間引き/減らそうとするみたいな話になります。
主人公達の活躍でなんとかそれを阻止する展開が描かれるのですが、物語の最後で描かれた(ナレーションベースで語られた)のは…、(宇宙ステーションでの事故の様子がライブ配信で中継されていた)主人公達を観て(主には配信お姉ちゃんの活躍というか躍進に憧れて/二匹目のどじょうを狙って)若者たちがこぞって宇宙へ上がろうとして、結局最後の最後はファーストAIが予言した通り人口の3分の1が地球からいなくなる(若者たちが宇宙へ飛び立つ)という結果になったという、実は全てがファーストAIが予知していた通りみたいなオチとなります。
(ファーストAIは最初から「彗星落とし」による粛清・間引き的な地球人口減を考えていた訳ではなかった…必要最低限な犠牲(テロリスト姉ちゃん一人)で地球人口の3分の1減を画策していたのでは、というお話)

まぁそう考えた場合でも、月生まれ少年・少女の他の仲間達(インプラント埋め込まれ仲間の子供達)の犠牲も最初から織り込み済みだったいうちょっとモヤモヤが残るのですがね…。。。

 


そして最後の最後はなんかよう分からんけど「アルジェントソーマ」の様な終わり方。
よう分からんけどセカンドと同じような存在が他にも居た(サードが居た?)という事?そんな設定・説明、伏線あったっけ?

 

 

 

と、時間にしてもキャラや設定、世界観、物語展開にしても、なんか色々と中途半端でしたね。
1クールあれば描けることも増えてまた違ったかもしれない。
前後編合わせて3時間強の作品だった訳ですが…、、、キャラを絞ってお話の要点を纏めて2時間として映画1本分で抑えるかすればまだ綺麗にまとまっていたかもしれない…。


なんか時間も中途半端だしキャラ描写も中途半端だし物語展開も中途半端(間延びを感じたり急展開を感じたり)だし、と全体の構成に疑問を感じるというかそこが残念でした。
(そう考えるとジブリ作品は2時間強の時間の中でキャラを魅力的に描写して盛り上がる物語展開も創る文句なしの素晴らしい構成だと改めて感じるわ)

 

 


キャラ自体は悪くないしと感じるし(キャラを魅せる・描写する時間さえあれば/足りていれば…)、設定や世界観もしっかりしてると感じるので、それらの魅力を充分に活かす物語展開を時間をかけて描く/構成できていればもっと面白くなったと思われるだけにちょっと残念でしたね。

 


色々書きましたが決してマイナス評価ということではなく、充分に良作ポテンシャルを秘めた作品であり1クール作品であったならば…ともったいないと感じる作品でしたね。

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 


以上