アニメ「ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 


悪役令嬢モノな作品。自らに訪れる死の運命を自覚・認識している主人公がそれに抗う物語という悪役令嬢ものフォーマット。
しかし、普通の悪役令嬢モノと異なる点もあります。まぁ最近の悪役令嬢モノ作品で多い傾向なのですが悪役令嬢みたいな設定なのですが全然悪役じゃない/悪いことしてない系なのですよね。
直近で言えば「外科医エリーゼ」や「ティアムーン帝国物語」や「私の推しは悪役令嬢。」、「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」等と同じ感じの所謂「悪役令嬢」ではないのですよね。
悪役令嬢として死で罰せられるほどの悪事を元から行なっていない主人公なのですよね。

 

 

あとは、「悪役令嬢モノ」作品の舞台は大抵ゲーム世界なのですが今作の舞台は違うという点もありますね。

 


そして一番の違いはタイトルにもある様に何回もループしているという点。悪役令嬢モノの多くは主人公が生前・転生前プレイしていたゲームでの知識として未来の出来事を知っていた訳ですが今作の主人公は実際に体験している(「「外科医エリーゼ」や「ティアムーン帝国物語」タイプ)のですよね。
その転生回数の分、人生経験豊富になっていてそこが他の悪役令嬢モノとの差別化を図ることになっていますね。

 

そこら辺りの設定の新鮮さ、そして転生・ループの度に新しい道にチャレンジする主人公のキャラ/メンタルは良かったですね。

 

 

 

まぁしかし色々と気になる点もあります。
まず、そもそも何故主人公は転生・ループを繰り返すのか。
主人公はなにか神様的存在に能力を授かった訳でもなくなんか気付いたらループしてたって感じなのよね。
何故主人公だけにループの能力が与えられた/備わっているのか。そしていつも同じポイントに時が巻き戻る(赤ん坊からやり直すわけではない)、そこに何か意味・理由があるのだろうか?と疑問なのですよね。

 

またタイトルに7回目とありますが、8回目以降もあり得るのかという疑問も。
神様的存在に能力を授かったというのであれば7回のループという制限が予め与えられたということも有り得るのかも知れませんが、死の度に発現する、なんか気付いたらループしてたっていう能力ではそこら辺が何も分からない/明らかにならないのですよね。

 

いや、物語序盤で解説されるものと思っていたからね、何もなくて不満なのよね。
例えば、古い書物に転生・ループしたみたいな人物が存在したみたいな伝説がありその人物は7回転生したらしいという記述が残っていたりすればまだ良かった、疑問が解消されたと考えるのですが何もなかったからね、ちょっとガッカリよ。

 


あとは、令嬢だった主人公が親から勘当されることから物語が始まるのですが、
王子からの婚約破棄で娘を放り出す親にちょっと納得がない。どういう親なんだ?そんなことする親だと一応その親のキャラ設定(これまで育ててきた娘を一切愛情を感じさせることなくあっさり捨てる)を受け入れたとしてもそうすると今度はその環境で育った主人公のキャラ(愛情のない両親のもとで育てられたら相当捻くれると思うけど)、が作中の主人公キャラとちぐはぐ感が出てくるぞ、と納得がないのですよね。

 

また、主人公は王子からの婚約破棄後、5年間(戦争に巻き込まれて命を落とすまで)は色々と新しい経験を重ねているのですよね。それを6回繰り返してる訳でだから30年分の経験をしてるのよね…。毎回毎回違うルートを歩んでいるということはそこに(商人や薬師、騎士、etc…の道の先には)幸せはなかったということなのかね(まぁ死の・破滅ルートを回避するためだろけど)。もう一度あの人生/ルートで先に進みたい(例えば、商人としての人生で5年先10年先を歩んでいきたいみたい)なのはなかったのかね?

 

恋人が出来たり子供が出来たりという幸せを守るために死を回避するというのなら主人公の行動の動機が強くなると思うのですが…、なんか主人公は色んな経験を積んで知見を得て、精神的に強くなってるだけみたいにも見えてしまうのですよね(物理的・身体能力的なものはリセットされる)。

あとは5年で色んな職業がモノになるっていうのもまぁご都合感はあるよね。

 

 

 

と、色々と細かい所は気になるのですが、
作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

(ループ能力の設定については多分納得できる理由は提示されない気がするなぁ)

 


以上