アニメ「神様になった日」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「神様になった日」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


「麻枝 准」原作・脚本の作品。
麻枝准…正直あまり好きくないのよね。何が好きくないかというと構成のエグさです。
決して構成が出来ていない訳ではなくそのエグさが個人的に好きくないのです。


その構成のエグさというのは、「CLANNAD」や「Charlotte」を観ても分かりますが…
序盤で主人公とその周囲の人たちの幸せな日常というものをこれでもかと描いておいて、
その「幸福の時間」を受けての中盤~終盤近くまでは主人公を「絶望の底」まで叩き落し「長く辛い時間」を彷徨わせ
最終盤で主人公が何とか救われるという描き方のエグさです。
一応最後には主人公は救われる事になるのですが、中盤~終盤近くまでの不幸のどん底っぷりが序盤で描かれた幸福の時間との凄まじい落差と相まって
観ている側としては手放しにはハッピーエンドだと思えないモヤモヤ感が残り続けるのです。
序盤に描かれた幸福度が『100』だとすると、中盤~終盤近くの絶望の底は『-100』でその状態が長く続き、ようやく上がった最終盤での結果は『30~40』といった感じなのです。
この「幸福の絶頂」から「不幸のどん底」に叩き落しドラマを作るという手法、そして最終盤・物語の終幕が、序盤で観た「幸福の絶頂」までは戻らないまま終わる~もうあの幸せな日々に(完全に)は戻れない~という
モヤモヤの残るハッピーエンドの描き方が好きくないのです。


今作の「神様になった日」はどうだろうな~と観始め、中盤6話ぐらいまで観たところでまだ大きな不幸が訪れないなぁ…、
放送前の特番で麻枝准が大病を患いそれを乗り越えて制作された本作という紹介がされていたので、新しい麻枝准作品となるのかなと若干の期待もあったのですが、
9話辺りで不幸のどん底に落とされ(これまでの麻枝准作品と比べるとまだマイルドな落差ですが)、最後は一応ハッピーエンド?とはなりますが、やはりモヤモヤ感の残る「いつもの麻枝准」作品でした。


観ている側に何か深い意味を考えさせるための敢えてのモヤモヤ結末ではなく絶頂からどん底への落差のジェットコースターを作りそこから何とか這い上がって終わったという以上にはその意味を見出せないエグさが窺える構成がやはり好きくないのです。

 

まぁ決して構成が出来ていないとか構成がメチャクチャという話ではないのですが、個人的には好きくないのよね。
なので個人的な好き嫌いは置いといて作品の感想としては可もなく不可もなくとなります。

以上