録り貯めしていたアニメ「SK∞ エスケーエイト」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。
スケボーアニメ。何故スケボーか？五輪関連かな？
主人公(青)は以前、スノーボードをやっていてその素養があるからスケボーも上手く滑れるみたいな描かれ方をされていますが、ここにまず疑問、という説得力・納得がありません。
素人感覚ですが、雪で均された表面ツルッツルの雪面を板全体でバランス取って走るスノーボードと
多少は均されていても凹凸の激しいオフロードの地面をタイヤの回転で走るスケボーではかなり違うと思うのですが…。
もしこれが逆なら…スケボーやってた選手がスノボーに転向して上手く行くというのならまだ納得があるのですが…。
他にもまだ納得できない、というかつまらない構成が目に付く点があります。
序盤、小学生チャンピオンと競う展開となるのですが、
その小学生チャンピオンの背景が薄っぺらすぎる！
使い捨てのゲストキャラのバックボーンであればあの過去回想で良いのかも知れませんが、
その後もレギュラーで登場するキャラの背景としてはテンプレで詰まらな過ぎです。
あんな薄っぺらな過去であればもうキャラ初登場時に過去回想流すくらいの事やらないと…本番レースまで引っ張ってやる過去回想じゃないでしょう…。
ホント合わないわこの脚本家とは…。もう「一捻り」できなかったのかね、出来ないのなら～薄っぺら過去しか描けないのなら～引っ張らずにサラッと軽く流す過去回想に行く構成にすりゃ良いのに…。
(この「一捻り」が巧く構成できてる例を一つ上げると、「大きく振りかぶって」ですね。主人公ピッチャー三橋の針の穴を通すコントロールの良さ、しかし今まで試合では一度も勝った事がないという設定。
最初自分は、三橋の普段の性格から極度の上がり症でマウンドに立つと緊張して実力を発揮できないというつまらない設定かな～そんなつまらない設定で長々と引っ張ているとしたらもう下の下の評価になるわ～と考えていました。
そして、明かされる三橋の秘密…三橋の祖父がオーナの野球チームで投手を任されていたが勝てず、しかしそれでも投手に起用し続けられる事にチームメイトから「オーナーの孫だから依怙贔屓だ」と思われ更に委縮し勝てなくなる、という過去が語られました。
あ～なるほどぉ、ただの上がり症とかだったらどうしてくれようかと考えていた自分の想像を超える面白い過去回想、これなら引っ張る意味も分かるわという構成なのでした。
それに比べて、本作のこの小学生チャンピオンの過去のうっすい事…もう一捻りした過去回想創るか、でなきゃ初登場と共に軽くサッと薄い過去語るかにすりゃ良いのに…と感じるのです)
他にも、中盤主人公(赤)が悩みダークサイドに陥りますが、これはあくまで中盤の山(第6、7話長くて第8話まで)という構成だと考えていました。
しかし9話、10話まで引っ張るという構成…しかもその決着が予定調和、つまらない結論。。。何だよ散々引っ張って主人公(赤)をウジウジ悩ませての何の捻りもないそのつまらないテンプレ結論アホかこの構成、そんな引っ張るならもう一捻り凝った構成にしないのかよ！こんなつまらない話の決着なら1、2話使えば充分でしょ、それを3話も4話も使いやがって…という感じなのです。
そして、主人公(赤)復活とともにトーナメントにも途中参戦という(ちょっと無理やりな展開ですが)展開となり、ここで主人公(赤)がもう一人の主人公(青)と「決勝で戦おう」と言い放ちます。
自分はここで「おっ！？そういう展開か、なら面白い」と思ったのですが、結局はラスボスに負けるという予定調和。はぁ…一瞬でもこの脚本家に期待した自分が馬鹿でしたよ…。(まぁ主人公(赤)が勝つにはそれなりの「納得」を作る必要があるのですがね…この脚本家の力量では無理なので仕方ない展開ですね)
で、脚本はともかく、アニメーションとしては良いですね。さすがボンズといった感じで画はもちろん演出も良いです。
「いわかける！」の感想でも書いたけど、やっぱこういうスポーツの様な動きの速いアニメを作るのは老舗に限るね、さすがですわ。
この映像演出は絶対に脚本の力ではなくアニメータの力ですよ(脚本では軽く1行程度の描写をアニメータが膨らませて見応えのある映像に仕上げている)。
それだけにもっと力のある脚本家に書いてもらっていれば…と残念でならないのです。
Twitterで「SK∞ エスケーエイト」が面白い、と流れていたので期待していたのですが、
作画、演出アニメーションは文句なく良いのですが、脚本・構成が上記で述べた様なつまらなさが有りガッカリでした。
「SK∞ エスケーエイト」人気があるのだとしたら腐女子人気なのかしらね、
だとしたらまぁ理解できるけど…はぁ～腐女子諸氏にはキャラカップリングでなく物語構成の本質を見て面白いかどうか語って欲しいわ…。
純粋な作品の評価としては可もなく不可もなくとなります。
(散々脚本に文句言っていますが、構成がメチャクチャという事ではない、ただ変に引っ張った割にテンプレ過ぎてつまらないだけ、無意味な引っ張りでつまらない結果にイライラするだけなので、個人的に好き嫌いは置いといて可もなく不可もなくの評価となります)
以上
