アニメ「転生王女と天才令嬢の魔法革命」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「転生王女と天才令嬢の魔法革命」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


ライトノベル作家だった(過去形で良いのか?)渡航がシリーズ構成の作品であり、以前観た渡航シリーズ構成だった「聖女の魔力は万能です」が面白かった事から期待していた作品。

 


物語序盤は展開がゆっくり(良く言えば丁寧に)描かれていて(これは「聖女の魔力は~」でも同じ事を感じたのですが)、そのゆっくり・丁寧さに焦れったさを感じていましたが、これは天才令嬢のキャラをその後の展開(最終盤の展開)を見据えて丁寧に納得がある様に描いている結果なんですよね。そういう所はやはり渡航は上手いなぁと感じるのですよね。

 

 

しかし、中盤以降の展開…、、、これはシリーズ構成・渡航の責任ではなく原作の構成の問題だと思いますが…、構成がダメ・納得がないんですよね。

 

中盤の(主人公・転生王女の)弟と対立する話、そしてこの弟との対立の結果、弟が廃太子となった事で(主人公が)放棄してい王位継承権が復活しこれまでの自由な生活・研究が出来なる事、
そしてそれを憂いた天才令嬢が主人公のために人間やめる的な精霊契約を行うという展開…、、、なぜこんな展開にするんだろ…。

 

 

展開としてはハッピーエンドではなくどちらかというとバッド寄りな感じですが、いやね、これがもし原作がこれで終わるというのならこのバッド寄りな終わりも一つの終わりとしてまぁあるかなと考えますが、WIKI見るとまだ続いているみたいなんですよね。…という事は以降の話はこの天才令嬢の精霊契約の呪縛から解放するみたいな話になるのかなと考えるのですが、それだと今回描かれた物語終盤の出来事が全くの茶番になってしまうのですよね。
主人公や天才令嬢が各々苦悩した時間・共に自己犠牲による最善を考え悩み苦しみ対決までした物語が描かれた事が…、無意味になる/あの時間は・あの苦悩は何だったの?となりかねない展開が予想されるんだけど…、、、その構成おかしいよね?納得がなくなるよね?、と疑問・不満な訳なのですよ。

 


そういう今後の展開(納得のない展開になると予想される事)を考えると、弟が廃太子となる展開・構成はおかしいというか色々と不都合が出る(納得がなくなる)と感じないのかしらね。
せいぜいちょっとした姉弟喧嘩レベルにしておけば廃嫡まではならないだろうに…あんなにスケールを大きくしてまで姉弟で殺し合いみたいな事して、そこまでする動機にも納得がないし手段にも納得がない。あれなに?ヴァンパイアってそんな簡単になれるの?力を取り込めるの?(主人公は竜の力を取り込むのに命の危険を冒す入れ墨みたいな面倒な事までやってたのに)…、、、とこの弟関連の話は構成そのもの、動機、手段と色々と納得のない事が多いのですよね。

 


それにまず思ったのは、王も王妃もまだ若いんじゃない?(知らんけど…)、頑張ってもう一人子供作れば良いやん…主人公も弟もまだ十代だよね多分。もう一人子供が居てもなんもおかしくない年齢(王/王妃)だと思うけど。魔力がある弟か妹ができればそちらの方が良いんじゃないの?(おそらく主人公・王女は転生してきている事が原因?で魔力なしで生まれてるんだよね)
王もまだ若いだろうし次の王子/王女が生まれるまで頑張れば良い話じゃんって思う訳です(今の王でまだ10年20年くらいは現役で行けるだろうと感じる)。
それが誰も犠牲にならない一番良い方法だと思うけど…。王、王妃にもう子供が出来ない、みたいな説明・設定あったけ?なかったよね?とあんな深刻な展開になる物語終盤に納得がないのです。

(あと、終盤になって急に出てきた精霊契約者…何の脈絡もなく出てきたな…。天才令嬢に主人公・王女を救わせるためのアイテム的役割として都合よくポッと出てきた感じ。序盤から主人公・王女や天才令嬢と会話させるなどして登場させても良かったんじゃないの?そういう構成(原作の方ね)にした方がまだ納得が出来たと思うけど…)

 

 


序盤((後半の展開を見据えて)天才令嬢のキャラを丁寧に描いていた事)が良かっただけに中盤~終盤の展開が残念でしたね。
(いくらシリーズ構成・脚本でも原作をガン無視して全く違うお話・構成にはできないだろうからね)シリーズ構成・渡航ではなく原作側の物語構成の問題よね…、残念。

 


作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

 

以下雑感

まぁどうでも良い事なのですが、物語終盤の主人公・転生王女と天才令嬢の友情を超えた百合展開。いや~百合百合しなくて女同士の友情で留めといた方が良かったんじゃないのと感じる…。

その理由は…、どこか見たのだけど今作の主人公・転生王女の転生前の性別って敢えて男か女か分からないように描いているそうなんですよね。いやね、前世・転生前をはっきり描かない(男か女かすらわからない)のは面白いと思うのですが、それならば(女/王女としての)転生後は、百合一歩手前で留めていた方が面白いと思うんですよね。。。

そうする事で、

前世が男だったとすると、前世の記憶を持っている(男としての記憶を持っている)主人公としては天才令嬢を騙している様な気がして最後の一歩を踏み越えられないでいるとその葛藤を想像して楽しむ事が出来るし、

女だったとしても、前世はノーマルだと思っていた/マジョリティだと思っていた自分のジェンダー観が揺らいで最後の一歩を踏み越えられないでいるという苦悩を想像できるし…、と百合展開に突入してしまうよりちょっと仲の良い・良過ぎる女友達くらいに留めていた方が面白く観れると思うんですよね…。

 

百合展開まで行っちゃったらさぁ、実は中身(前世)は男だと想像したら、天才令嬢との

関係を主人公は内心ゲヘヘと思ってるかもしれない…とちょっとモヤモヤするのよ。。。そこら辺の見せ方・構成も上手くないよね。

 

 

以上