「メイドインアビス」 ~「獣相」についての再考察と『ぶち撒けられた「呪い」』についての考察

コミックス12巻買いました。読みました。色々考えてました。
という事で、今回は66話を受けての「獣相」の再考察と『ぶち撒けられた「呪い」』についての考察となります。

 

 

「獣相」の再考察にあたり材料にする・キーワードになるのが、

・『ぶち撒けられた「呪い」』(66話)
・「事故った」発言(66話)
・「オースの盗賊」発言(66話)
・改めて考える「探窟史の恥部」(65話)
・改めて考える「思い出させちゃダメ」発言(65話)
・改めて考えるニシャゴラの「これは言ってもいいのか」発言(63話~ニシャゴラへの「あなたのお頭さんって白笛ですか!?」の問いに対する反応)
になります。

 

 

最新66話で出てきた新たなキーワード『ぶち撒けられた「呪い」』。
メイドインアビスで「呪い」と言えばアビス内の上昇負荷を思い浮かべますが「岸壁街」(アビスの外)で「事故って」起きたそれはアビスの上昇負荷の「呪い」とは別物・別種と考えられます。

では、上昇負荷の「呪い」とは別物だとして、「岸壁街」で「事故って」『ぶち撒けられた「呪い」』の原因は何か?上昇負荷によるものではないとしたら何に起因するものなのでしょうか?

 

ここで考えられるのが…その話の流れから「獣相」若しくは「双子」またはその両方(「双子」の「獣相」)となります。

 

 

地上(岸壁街)で起きた「呪い」の原因が「獣相」と考える理由としては、スラージョが語った「人間性が残っていようが関係なく処分される」にあります。
「獣相」をそのまま生かしておくと「呪い」をぶち撒ける存在になるから、という考えからです。

 

「呪い」の原因が「双子」と考える理由は、『シェルメナの状態』と『「岸壁街」で「事故って」『ぶち撒けられた「呪い」』の唯一の生存者の状態』が酷似している事からですね。
そうすると「思い出させちゃだめ、君も友達も…こうなっちゃうゆえ…」は、もし「呪い」がぶち撒けられたら「君も友達も…こうなっちゃう」という事なのでしょうかね。

 

 

 

で、ここからが「獣相」の再考になるのですが、以前の考察
>六層の負荷…人間性の喪失によって変化した「成れ果て」は処分される、という今の習わし。
>という事は、「成れ果て」が『何らかの理由で』処分されなかった/出来なかった時代の話…それが探窟史の恥部である、と考えました。
と書いており、
『「成れ果て」が『何らかの理由で』処分されなかった/出来なかった』理由として、昔の探窟家達は元人間であった「成れ果て」を飼養し「成れ果て」から産まれた子供(獣相)を食用としていたという非人道的な黒歴史があった…それが「獣相は探窟史の恥部」ではないかと考察していました。

 

 

上述したのは探窟家の能動的行為による黒歴史…過去の探窟家が行った恥ずべき行為としての「探窟史の恥部」を考えたのですが…、
66話で示された『ぶち撒けられた「呪い」』の設定、「オースの盗賊」発言から、もしかしたら「探窟史の恥部」というのは受動的というか探窟家が恥をかかされた的な意味として捉える事もできるのではないか?と考えました。

 


「オースの盗賊」発言…おそらくこの意味はオース原住民(正確にはアビス原住民か)が、後から島にやってきて勝手に住み着いた探窟家達がアビスに潜っては遺物を外に持ち出し売っぱらう様を見ての怒り、憎悪、侮蔑を込めた蔑称だと思われます。

 

そんな怒り、憎悪、侮蔑の対象である探窟家達が「成れ果てた」姿で地上に戻ってきたとして…、そしてアビス内の遺物を勝手に外(海外)へ持ち出し売っぱらうその意趣返しとして「成れ果てた」探窟家達を掻っ攫いアビス原住民が外(海外)の人間へ売り払っていたとしたら…、、、それは過去の探窟家が辱められた行為として「探窟史の恥部」と言えるのではないかと考えました。
(過去の探窟家の時代は(「成れ果て」が治る/知性を取り戻す一縷の望みを持って)「成れ果て」を地上に連れ帰っていた時期があり、探窟家を嫌うアビス原住民にそこを狙われたため、今は探窟家の名誉を守るため見つけ次第処分する様になったのではないかという考察。

そういう探窟家が辱められた過去の経緯があったから探窟家達(白笛・オーゼン)からはアビス原住民は「呪い」の被害者でありながらも「間抜け」扱いされている、のかなと)

 


そして、そんな中で処分されずに生かされていた「成れ果て」から産み落とされた子供…「獣相」。

で、ここからは完全な妄想になるのですが(ここまでも大概ですが)…、
「獣相」にはやはり以前語った様に「魂」(生前の人格、知性、記憶を有した魂)が宿るものと考えています。

 

その上で66話で示された『ぶち撒けられた「呪い」』について考えると…、
「呪い」がぶち撒けられる条件・発生原因・トリガーになるのは『獣相が前世の事を語る』事ではないかと考えました。

 

「思い出させちゃダメ」発言の意味は「前世の事を語るきっかけを与えてはだめ」という事かな、と。

 

『獣相が前世の事を語る』事がNG…そう考えると63話でのリコのニシャゴラへの「あなたのお頭さんって白笛ですか!?」の問いに対する反応…、腕に書いたメモを確認してニシャゴラの「これは言ってもいいのか」発言も最初の印象と違った意味を持って見えてきます。

 

最初(初見時)の印象では、
ちょっとオツムの弱いニシャゴラが自分の所属するスラージョ隊の事を他の探窟家へ話す是非をいちいち確認してるのかと思っていたのですが…、
もしかしたらニシャゴラは以前(生前/前世)別の白笛の隊に所属していて(以前からスラージョ隊/呪詛船団員だった可能性もありますが)、自分の所属していた隊のトップが白笛かどうか答える事が「前世の記憶を語る」事に繋がるかどうかの心配があったから確認していた、という事なのかも…と見えてきたのですよね。

(以前の「獣相」の考察で、ニシャゴラは生前(前世)でオーゼンと戦った事があるのだろう、と書きましたが12巻の幕間ページ(書き下ろされたおまけページ)を見ると「今のニシャゴラ」の状態で戦っていたみたいですね。つい最近の出来事っぽい…、つまりオーゼンとの戦いについて語る事は生前(前世)とは関係ない事だったという訳ですね)

 


前世の記憶を持った「獣相」がもたらす呪い。「前世を語る事」をアビスが許さない…それ故の呪い、それを聞いた者たちには命を落とす「呪い」がぶち撒けられる、という考察となります。

 


しかし、まだ謎が残っているのですよねぇ。
「たとえば右手で二人が同じ…」
この言葉/セリフの意味を「前世の記憶」と合わせて考えようとしたけど分からんかったね。「双子」の場合だと「呪い」の規模・強度がより増すのかも知れない…。

う~ん、まだまだ情報が足りませんね。

 

 


という事で、今回は「獣相」についての再考察と「呪い」についての考察でした。

 

 

 

以下雑感

 

次回の予定は未定です。

ネタもあんまりない…ボンドルドについて深掘りするくらいかな。。。

 

 

あとはスラージョ隊というかスラージョについて。。。

今のとこイイ人っぽいけどホントに信用してよいのか懐疑的なのですよね。

 

生きて最下層へ至るためには何かしらの準備が必要みたいな話がなかったかしら?

スラージョ隊はスラージョ、ヤタラマル、ニシャゴラ、シェルメナの5人。+捕虜(テパステ)

リコ隊はリコ、レグ、ナナチ、ファプタの4人。

 

魂的な生贄が必要だとしたら…、そのためにリコ隊と一緒に居るのだとしたら…。。。

まぁスラージョもレグに関しては生贄(仮)には使えない認識でしょうが…そうすると捕虜(テパステ)を利用したとしても(リコ、ナナチ、ファプタ、テパステの4人で)、スラージョ隊が生きて最下層へ至るための生贄には一人足りないのですよね…。それにスラージョ隊はフラパムも入れたら6人?になるし…もしかしたらヤタラマルの棺桶の中に生贄用の祈手でも入ってんのかな?

 

どうなんだろうねぇ…、女性白笛(オーゼン、ライザ)は男性白笛(ボンドルド、ワズキャン(以前述べた通り俺の中ではワズキャンは白笛相当))と比べるとまともで優しい感じだからスラージョもイイ人の可能性も全然あるとは思うけど…。。。

 

 

以上