アニメ「闘神機ジーズフレーム」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「闘神機ジーズフレーム」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


OP、EDのクレジットを眺めてるとほぼほぼ10割、中国人の名前。
へぇ~この作品は中国制作のアニメなんだぁ、と思って観ていました。

 

確かに作品内でところどころに中国要素はあるけど、スタッフ名やらを見ずにお話の作り方や設定や作画だけを見てると、中国アニメとは分からない(作画が怪しい部分もあるけど、今の日本のアニメでも普通にあり得るレベル)、日本の中級・低級アニメと遜色ない内容だと感じました。
まぁしかし、1話内のお話の繋がりがおかしい…、異なるエピソードとエピソードを無理やりつなぎ合わせて1話1話を作っている様な~まるでゲームの小エピソードと小エピソードを継ぎはぎしたみたいな~不自然な造りを感じる事はあるのですがね…。

 

中国制作のアニメで、こんな日本のアニメみたいな設定・お話を作れるんだぁと感心していましたが、放送終了後、wikiでシリーズ構成・脚本を確認すると日本人でした…。なんだよ…、日本人が設定・お話を作って
アニメーション制作が中国の制作会社ってだけかよ!、と中国アニメが日本アニメの様な設定・物語を制作したと感心した事に対し損した気持ちになりましたよ。

 

純粋な中国制作アニメだったのであれば、お~中国アニメもこんな日本アニメの様な作品を製作できるまでになったんだと加点評価していのですが、日本人絡んでたのなら加点無しだわね…まぁどちらにしろ作品の評価としては、
可もなく不可もなくとなります、がね。。。

 


内容についてもう少々触れると、序盤と終盤のみあれば成り立つ構成になってるのもダメな造りですね。
中盤の話はあってもなくてもどうでも良い様な尺稼ぎみたいな話で、全12話ありますが不要な中盤の中だるみ回をゴソッと削ればおそらく1時間半~2時間くらいで纏まってしまいますよ…。
いやね、せめて中盤の話がキャラを深堀するような回になっていれば良かったのですが、ただキャラがワチャワチャしてるだけの中身のない回で中盤を無駄に消費するのですよ。
そんな纏めれば劇場作品として収まる様な物語を薄く薄く引き伸ばして1クールアニメを作るような構成やるなよな、とその綺麗くない構成に好感が持てず残念でしたね。


以上

アニメ「終末のハーレム」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「終末のハーレム」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

男の願望丸出しみたいなアホな設定の作品ですね。
ホント、昔っからこういう設定・妄想の話よくあるよね…無人島に漂着した男一人と複数の女性達…といった設定や、もし世界に生き残った男が自分一人だったら…みたいな荒唐無稽な妄想話(男女逆パターンもあり)。
そういった意味から作品の物語設定・発想に新鮮味を感じる事もなく、また世界中の男がウィルスでほぼ死滅というシリアス設定…そしてタイトル中の「ハーレム」という言葉……、
第1話を観て思ったのは、この作品大丈夫か?この先どう展開するつもりなんだろ?でした。。。

 

いやね、「男がほぼ死滅した世界」という『シリアス』過ぎる設定と『ハーレム』?というコメディタッチな要素?
シリアスとコメディという真逆のベクトルを持つ両翼でこの作品は真っ直ぐ飛べるのか?と先行きの不安を感じたのでした。

 

シリアスとコメディのアンバランスによる失敗…これはつい最近放送されていたアニメ「死神坊ちゃんと黒メイド」でもありましたね。
「触れたものの命を奪う」という呪いの掛かった主人公のシリアス設定でありながらのメイドとのイチャラブ惚気ストーリーという「シリアス」と「コメディ(タッチ)」のアンバランスなアホ展開という失敗作品…。
シリアスにコメディを入れるなという事ではないのよ、そのバランスがおかしいのよ「死神坊ちゃんと黒メイド」は。。。
【シリアスとコメディ】の比が【5:5】、下手したら【4:6】くらいなのよ…。そしてこのシリアス設定が重ければ重いほどコメディ比を軽くしないと作品全体としてのバランスがおかしくなるのよ。。。
死神坊ちゃんと黒メイド」でいえば【8:2】くらいが正しい比率なのですが、作者のセンス、小学館の担当編集のセンスが皆無なのか呪いの設定の重さに対してのコメディ・イチャラブ比のバランスがおかしくて作品として失敗してんのよね。

 

終末のハーレム」第1話を観て抱いた不安は「死神坊ちゃんと黒メイド」の様なアンバランスによる失敗…でした。
が、その不安は、第2話以降視聴で解消されましたね。タイトル中に「ハーレム」と入ってはいますが一応はシリアスメインで話が進みます。主人公が正統派というか清純派なのでハーレム要素は強くありません…、まぁその分No1やNo3の男がハーレム担当となっていてタイトル詐欺をなんとか回避していますね。いや、これで正解だと思いますよ、主人公にシリアス要素を担当させてサブキャラにハーレム要素を担当させるこの方法…この辺りが集英社小学館の担当編集の差ですかね。

 

しかし、アンバランス問題をクリアしてもまだアホ設定問題はありましたね。

 

まず、世界中の男がほぼ居なくなったからといって、残った男に女性達が寄ってくるかといったら、そうはならんやろ…という問題です。
まぁ、その男と子を成せば生活が保障される・優遇されるという設定はある様ですが、観てるとそんな打算で男に言い寄っているというより心底惚れてるみたいな描かれ方なのよね…特にNo3の男の学園編ね。
いやね、この学園編で出てきたタレント志望の元クラスメイトが打算でNo3に嫌々近づく話があるのですが、まぁ普通だったらこういう描き方になるよなぁ、で納得があるのですが、
このタレント志望の娘だけが例外的・特殊で(まぁこの娘の話の骨子は見て見ぬふりをした事に対する復讐がメインだったのですが)、他の女生徒達は全員心からNo3の男に心酔していて、まるで教祖様的に崇められているのですが(もしかしたら学園の女生徒達はマインドコントロールされてるのかも知れませんが、そんな高度な洗脳技術なあるなら男を絶滅させるよりその技術で洗脳すれば良いじゃん…となる訳で)、ここに納得がないのよね…何故そうなる?、そうはならんやろ、と。。。

 

そして次に、最終盤で出てきたMKウィルスの真相と3賢者の思惑?(噂レベルみたいですが…)がアホ設定過ぎる…。
男嫌い?の3賢者が、男なんか滅んじまえとMKウィルスをばら撒いたとか…MKウィルスのワクチン造ろうとしてる奴を葬ったりとか…なんだそれ。。。


作中で語られたのは噂レベルの話なので真相は分からないのですが、んなしょうもない理由で世界中の男を絶滅させたっていう設定なの?アホちゃう?

 

焚書」って自分達に都合の悪い物は排斥するというしょうもない目的のために、歴史や文化を消失させる最も愚かな行いだと考えているのですが、
この作品の3賢者のやってる事って焚書以上にアホな行為よね(規模も地球レベル)…なにが3賢者なのか…愚者の間違いだろ…。。。
まだ真相は分からんですが、作中の断片的な情報から察するにおそらく上述した設定で間違いないでしょうね…(そして、男嫌いの原因も、酷い裏切りを受けたとか虐待・暴力を受けたとかのありふれた理由だろうね)。

 

と、男の欲望丸出しのハーレム状況設定を何とか飲み込んだとしても、その後のストーリ展開、真相の設定に納得がないのでした。

 

いや、しかしこれをようアニメ化したな、と思いますよ。しかもジャンプ+で連載してるみたいですが(読んだ事ないけど)、内容的にヤンジャンとかの方が良くないの?
(ジャンプ+って週刊少年ジャンプの従弟みたいな感じじゃないの?(1つか2つ年下の従弟のイメージ。Vジャンはちっさい弟のイメージになるかね)
週刊少年ジャンプと大して変わらない層(小学生、中学生~)をターゲットにしてると思ってるど、違うのかね?)
内容的にほぼエロマンガですよ、掲載先を考えた方が良い。。。

(アニメも物語の半分以上はNo3の男の学園ハーレム物でほぼほぼただのエロアニメでしたよ…学園編の合間に主人公のエピソードがある感じで誰が主人公だよというダメ構成でした)


作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。


以上

小説「デルタの羊」 ~感想

小説「デルタの羊」を読了しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


「アニメ好きなら読んだ方が良い」、「SHIROBAKOみたいな話」と聞いていたのでいつかは読んでみたいと発売当初から気にしてはいたのですが、つい最近読了しました。

 

ネタバレなしで感想を語ろうかとも思ったのですが、それではさすがに語る事が難しいのでボヤァっと輪郭程度を語る感想にしようと思います。

 

SHIROBAKOみたいな話」と聞いていたのですが、まぁ…違いますね。いや、「アニメを作る話」という意味では同じ枠、同じタイプの作品と言えなくないですが、
この【デルタの羊】は【SHIROBAKO】ほどにお話の構成やキャラクターは出来ていないのですよ。

【デルタの羊】を「【SHIROBAKO】と同じ様な作品」と語る事は暴論であり、
同じ「アニメ制作の話」というジャンル以上には並べて語るものはなく、それは例えば不朽の名作【ガラスの仮面】と昨今連載されている演劇漫画を「同じ様な作品」と語る事に等しく、
同じ「演劇物」というジャンル以外には並べて語る様な共通項などないのに「同じ様な」と同列扱いする感想に違和感を覚えるのです。

 

そりゃあ、同じ「アニメ制作」物で、制作進行や原画、動画、背景美術や音響、プロデューサー等々は出てくるので、ジャンルだけを見て作品の面白さの本質を分かってないと~まぁ…当著の参考文献・資料に【SHIROBAKO】があるので、著者が【SHIROBAKO】を参考にしたであろう場面を読むと~「同じ様な作品」という感想になっちゃうのかもね。。。
(【SHIROBAKO】の面白さの本質はその物語構成の秀逸さなのよ!あとは魅力的なキャラクター達も。…本題から逸れるのでここら辺で終わりにしときます…)

 


SHIROBAKO】と比べると【デルタの羊】は面白味が足りないと書きましたが、良い所・一部面白かった部分もあります。
それは、最初の1章2章3章までの「仕掛け」の部分です。
ネタバレしない範囲でボヤァっと輪郭程度で語ると、
1章を読んで「あ~こいつが主人公か」と思ったら2章で「え?そういう事?」3章で「あ~なるほどね」と唸らされる仕掛けが面白かったですね。
まぁ、その「仕掛け」以外の部分では先にも述べた様に、お話の構成、登場キャラクターに面白味を感じる事がなかった訳なのですわ。。。
お話の構成自体は悪くはない、決してマイナス評価にはならないのですが、取り立てて良くもないというのが正直な感想なのです。

 

あとは、ちょこちょこ気になる部分がありますね。

 

まず一つが、登場するアニヲタ二人の会話について…。いや、俺もアニヲタだけどさぁ、あんなアニヲタスラングオンリーみたいな感じで会話する奴おらんやろ…。
単発単発で使う事はあってもアニメネタオンリーで会話のキャッチボールする様な遣り取りせんやろ…、不自然で気持ち悪いわと感じるのですよね。著者のアニヲタへの偏見からくるのだろうかね(これと同じ事を「ヲタクに恋は難しい」でも感じたな、と書いていて思い出しました)。

 

次に、物語の中枢ともいえる作中作「アルカディアの翼」について。
小説の冒頭にこの「アルカディアの翼」が描かれているのですが、
これがね、今の時代にこの内容の作品をアニメ化しても絶対売れないだろう…作品から感じる雰囲気がひたすら重く暗い感じで絶対にアニメというエンタメに向いてない…、と感じるのですよ。
作中の登場人物達は漏れなくこの「アルカディアの翼」のファンみたいなんだけど、とてもとてもそんなにハマるほどの作品には感じられないのです。ここに「納得」がない。。。

また、この「アルカディアの翼」のアニメ化に中国が関係しているのですが…、
アルカディアの翼」って「反体制」の作品なのよね。「反体制・反権力」って中国政府が一番嫌う物であり、そんなもん絶対許可される訳ないじゃん…とここにも「納得」がないのです。


と、物語の中枢たる作中作「アルカディアの翼」の設定について、納得がない部分が評価を下げてるのも多少ありますね。

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。


…この作品を映像化するなら実写ドラマよりアニメ化の方が向いてますかね(仕掛け的な意味で)。


以上

アニメ「鬼滅の刃 遊郭編」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「鬼滅の刃 遊郭編」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


作画、演出は文句なく良いです。
特に5話か6話だったかの構図、演出は、凄ぇ…、カッコ良いわぁ…と感じましたね(世間的には10話が話題の様ですが)。

 

ただねぇ…、以前の感想でも書いたけど、
作画、演出は凄いと思ったけど、それ以外のキャラクターや設定、物語その構成等に惹かれるところはないのよね。
いやね、これも以前の感想で書いた事だけど、キャラクターや設定、物語構成も悪くはなく、決してマイナス評価になる様な内容の作品ではないのですが…、
それでもやはり画以外は取り立てて語るべきは何もないという評価の、

可もなく不可もなくの作品となるのよね。。。

 

画が綺麗な事は決してマイナスになる事ではありません。
作画が雑・粗い・汚い・酷いよりかは、綺麗に越した事はないのは当然の事なのですが、ただ俺の中では、
作画が超美麗で実写と見紛うばかりの出来、といったりまるでリアルの様にヌルヌル動く作画というのでは評価は高くならないのよね…。
「リアルと見紛うほど美麗」を俺は「アニメーション」に求めてないのよね。そんなに「リアルに近い映像」が良いなら実写を見れば良いと考える訳で、俺がアニメに求めているのはリアルではありえない誇張表現した構図であったり、映像演出なのよ。

 

なので、画が超美麗やヌルヌル動くだけで構図や演出が面白くない作画というのは、俺の中でアニメ作品としての評価はあまり高くならないのよ。
まぁしかし「鬼滅」は冒頭でも述べた様に構図、演出もカッコ良いからポイント高いのですが、他のアニメ感想でも何度か語っている様に俺の中で重きを置く評価は
作画・演出よりも物語構成の綺麗さ、設定、キャラクターの方が上になるんですよね。
そういうった点から、「鬼滅の刃」は俺の中で「良作品」になり得ないのよねぇ…。

 

鬼滅の刃」は決して、設定や構成がメチャクチャとか破綻しているとかではなくマイナス評価にはならないのですが…、特筆すべき点がない・大きくプラスになる点がないという評価になり、
そこへ「お話の構成やキャラクター、設定」に比べて重みが小さくなる「良演出・構図」の加点がある程度で良作品にまで届かないという結果になるのですよね。

 


マイナス評価になってない…と書きましたが、気になるところはあります、それは強さ設定。
強さ設定がよう分からんのよ。多分作者の中でもしっかりした設定できてないんじゃないかな?頑張ったらなんかよう分からんが格上の敵にも勝てるみたいな、ザル設定じゃないのかな、と思われるのですよ。
例えば炭治郎の強さを100とした場合、
音柱の強さはどのくらい?1000くらい?
上弦の陸の鬼(兄+妹で)の強さは5000くらい?(もっというなら妹が500くらいで兄が4500くらいか?)
音柱と上弦の陸の鬼(兄)が1対1で戦った場合、音柱が勝利する事はまず有り得ない様に感じました、それくらい実力の差がある…数値にするとちょっとやそっとでは逆転できない、2倍以上の力量差があると考えました。
原作未読の俺が、アニメを観た感じで登場人物の強さを数値化するなら上記の様になります。

 

まぁ「毒」、というハンデがあったようですが、それもどうかと思うのですよね…。
他の正統派剣士の柱より、「忍」という職業柄、暗器や毒攻撃といったものに精通していないといけないんじゃないの?
それを、アッサリ毒攻撃食らって、中和や解毒も出来ずに苦戦するなんて…(某漫画の暗殺家業の子供は毒耐性もってる設定なのに…、ね。「忍」でこの体たらくなら他の柱はもっと酷いだろ…。思えば炎柱もあっさり下弦の鬼の術中に落ちてたなぁ)。

 

倍以上の力量差のある相手に勝利するのに、「死に物狂いで戦ったからなんとか勝利しました」では納得がないのよね。相手も死に物狂いで戦ってるはずで条件は同じだからそれで力量差が埋まるはずないのよ。
1割2割の範囲の力量差なら気持ちで逆転する事もあるでしょうが、倍以上の力量差ならもう気持ちだけでは無理ですよ…格上の相手に勝利するならそこにしっかり納得と作って欲しいのよね。。。

 

例えばそれは、戦闘力5000の下級戦士と18000のエリート戦士がエネルギー波を撃ち合った場合、5000×3倍の技=15000では勝てず、×4倍の技(5000×4倍=20000)で初めて相手を上回り押し返し勝利する事が出来た、みたいな納得が欲しいのよ。
(同じ様な事を「呪術廻戦」の感想でも書いたかな。「鬼滅」にしても「呪術」にしてもバトル漫画なのに強さ設定に納得がない、そこがどちらもあまり好きくない所)


実力伯仲の相手ならともかく、明らかに格上の相手に勝利するならそれなりの説得力を持たせて、納得を描かないと、俺はモヤモヤするのよ。。。

今回の戦いなんかも、なんかワーワー言ってたら明らかに格上の敵に勢いみたいな流れでよう分からんけど勝っちゃった、(戦闘力の数値的に頑張ってどうにかなる範囲を超えてるのよね…)みたいな納得のなさ…

と、そういうところも「鬼滅の刃」が良作品になり得ない要因なんですよね。


以上

 

アニメ「D_CIDE TRAUMEREI THE ANIMATION」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「D_CIDE TRAUMEREI THE ANIMATION」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


提供にブシロードの名前を見て、あぁブシロード絡みかぁ…と「擾乱」や「ARGONAVIS from BanG Dream!」の事を思い出し、この作品も期待できないなと観る前から気が重くなりました。


で、実際に視聴した結果は…、予感通りの作品でしたとさ。

 

主人公の兄の死の謎を追うという話の筋が物語序盤に示されますが、その後の仲間が増えるエピソードで1、2話消費して終わってからは、話の本筋とは関係ない様な、あってもなくてもどうでも良い様な尺稼ぎ的なエピソードが続く事になります。

 

それが仲間キャラの深掘りに繋がる様なエピソードであればまだ良いのですが、そんな事はなく1クール(13話)の貴重な4~5話を無駄に消費するのですよ。
綺麗くないストーリー構成だなぁと、ただでさえ好きくないCGアニメ作品を観ているなか嫌気がさします。


さらに、構成面以外の設定面でも納得のない点があります。
最終盤、兄の死の真相が語られますが、その主人公の兄の設定がメチャクチャというか無理あり過ぎみたいな…独力、独学で古文書解読し裏で暗躍している教団を突き止めたとか…
なに?その兄貴は?普通の人よりちょっと優秀だったみたいな感じだと思ってたけど、トンデモナイ天才という設定だったの?そんな特殊な家庭環境で育った主人公だったの?最終盤にきてビックリだわ。。。
そして、そんな天才がヤバい連中相手にしてる認識があるなか街中であっさりやられるなんて納得がないのよ。。。

 

また、終盤明らかになる主人公の親友の裏切り展開…、アレなに?放置して終わったけど…、物語展開的に必要・必須だったの?いや、要らないでしょアレ。。。他には物語的に必須とは思えない突然のキャラの死の展開等々、ホント無駄な尺稼ぎ構成、好きくない、美しくない…もうブシロードは細々とカードゲームだけ作ってろよ…。

 

と、そんな感じの作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

以上

アニメ「シャドーハウス」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「シャドーハウス」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

主人公エミリ子の可愛さを描く事に全振りしたのかと感じるほど、エミリ子可愛い作品でした。
全振りは冗談ですが、作画・演出レベルも高く安定していて、作品全体の雰囲気も良く、顔面黒塗りキャラのシャドウをアニメーションにして動かすという試みも面白く感じます。

 

いやぁ、それにしてもやはりエミリ子のキャラクターとしての可愛さですよね。キャラ(性格)、キャラデザ、作画・演出、演技(声)の全部でエミリ子可愛さを盛り上げてますね。
終盤のエミリ子の目がゲジゲジになったときは、早く(少しでも早く・話数を跨ぐ事をしないで)以前のエミリ子戻ってきてと願ってたほどですよ。

 


…エミリ子可愛さ以外の面、ストーリー構成について語ると、
終盤の展開は、盛り上がり所も作られていたり、シャドウ家の謎が少し明かされたり、と一応の終わり・1クールのシリーズ構成としてまとめようとしている造りは良いのですが、
やはり偉大なるおじい様の存在やシャドウ家の謎(その正体、目標・目的等…)が残されたままの消化不良を感じ、物語がどこへ向かっているのか(何をどうやったら何を達成したら物語が終わるのか)が見えず物語全体のストーリーがまぁ…、あまり綺麗に感じないのですよね。

もう少し物語の目標がハッキリ示されたり、1クール終了時のエミリ子達が物語全体のどの位置に居るのかがわかる様な造りになっていれば良かったのですがね。


まぁ、キャラ寄りの作品、作画・演出に力を入れた作品、作品全体の雰囲気に重き置いた作品と考えればかなりレベルが高い作品と言えます。
(しかし、雰囲気を楽しむ作品というにはあまりに謎や設定の比重が大きいと感じますがね)

 

あと、もう1点難点を挙げると

暗闇シーンの見せ方…。

基本的に、館内での薄暗い室内のシーンが多くなる本作ですが、普通の室内のシーンでは問題ないのですが、灯かりの点らない部屋の暗闇シーンでの動きがほとんどなにも見えん。。。

これはこの作品に限らず他の多くの作品にも共通していえる事なのですが、暗闇でのシーンをキャラも背景も黒系ばかり塗りつぶすとホント何も見えないのよね…。昔から思ってた事だけど、もう少し何とかならんのかね、アニメーションでのこの暗闇シーンの見せ方。。。決して作画が描かれていない訳ではなく、何かが動いてるのは分かるのですが、それが「見えない」というのはホント勿体ないと思うのよね…。

 

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

以上

漫画「ワールドトリガー 24巻」 ~感想

漫画「ワールドトリガー 24巻」を読みました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


いやぁ…読み終えて、ホント唸らされましたね…。
24巻はバトルというバトルがなく基本的に机を囲んで喋っているだけで物語が展開されます。
これだけ聞くとすっごい地味な巻な様に思われるのですが、ところがどっこい、面白いんですよねぇ。。。
基本的に会話だけという話・物語展開で1巻をもたせる、そしてさらにその物語に魅入らされる…葦原さんのこの構成力には舌を巻くばかりです。

 

本当に、座学みたいな話のみでこれほど面白く感じるのは、やはりキャラが良く造られてるから、なんですよね。
それは、もし今巻と全く同じ内容を、なにも愛着のないキャラが展開したと考えた場合、そこに面白みを感じる事はなく動きのない展開をただただ退屈に感じるだけだろうと、容易に想像できると思います。

 

アニメの感想でも書きましたが、葦原さんのキャラ造りの巧さ、A級隊員からB級隊員までよくあれだけの数のキャラを創り出して、さらにそれを活かした物語展開が出来るなぁ、と驚嘆するのみですわ。


キャラクター(性格)とそれに合わせた(納得を持たせる)キャラデザを優に50を超える数を創り出し描き分ける凄さ…。
昨今の多くの漫画・アニメのキャラは表面的なキャラ付けのみ…~真面目・優等生キャラ、ワイルド・オラオラ系キャラ、弱き・引っ込み思案キャラ、無口・クールキャラ、陰気・ウジウジ系キャラ、チャラい・パリピキャラ、硬派・漢キャラ、etc…~の表面的なキャラ付け・属性のみのキャラばかりで深みがない、人間味がない、本当の心の内が見えない、つまらないキャラばかりなのですが、
ワールドトリガーのキャラは性格付けがしっかり成されていて、あ~このキャラはこういうセリフ返す奴だよな、こういう事言いそう、というのが容易に想像出来るほどにキャラの魅せ方が巧いのですよね。

 

主要キャラ数名ならともかく、50を超える様なキャラを描き分け、そしてそのキャラを巧く絡めた集団戦・組織戦を描く構成力…
こんな作家さんはなかなか居ませんよ…。

 

ワールドトリガーオフィシャルデータブックには各隊員の家族構成が載っているのですが、おそらく葦原さんの頭の中には、各キャラクターが育った家庭環境がぼんやりとはでしょうが~どういう家庭環境で育ったが故に今の性格が形成されたという設定が~あるのでしょうね。
だからこそキャラクターに深みが、人間味が生まれる…生きたキャラクターになるのだと感じます。


昨今の多くの漫画・アニメのキャラ造りはホント葦原さんを見習ってほしいわ、と考えるのですよ。
例えば、高校生を主役した作品の場合(特にバトル物)で、親や家庭という物が描かれない事が多々あります…その主役の高校生が親元を離れ一人暮らししているという設定です。
そのキャラクターは自分一人の力で赤ん坊から高校生まで育ったはずもなく、どういう家庭環境・どんな家庭の雰囲気で幼少期を過ごし現在の性格が形成されたのか、そこに納得・説得力を与えるために家庭環境を描く事は重要なのですが…、昨今の多くの作品は、面倒なのか冗長になると考えたのか親や家庭という物を排除し・考える事を放棄し、表面的なキャラ付けのみを行う…そこには納得がないのですよ。

 

過去回想でキャラクターの幼少期の印象的な劇的な・性格形成に影響を与える様なエピソードがあった事を描くという手法もありますが、それよりもやはり長年かけて育み形成された性格の基となった「家庭環境」を描く方が明らかにキャラクターに深みが生まれ納得・説得力が出来るのですよ。

 

別に、キャラクターが持ってるその家庭環境の全てを作品上で描かなくても良いのですよ。裏設定として作者がしっかり設定を持ってさえいれば、その片鱗がキャラのちょっとしたセリフや行動理念に表れ(形成された性格の・育った家庭環境の匂わせを行う)、
読者(視聴者)はそこから想像を巡らしキャラクターに深み、人間味を感じるようになり、納得・説得力が出てくるようになるのですよ。
…しかしこれが昨今見られる様な、キャラのバックボーンを排除・設定放棄して表面的なキャラ付けのみの場合、そのキャラを薄っぺらく感じる事になってしまう訳なのですよ。。。

まぁ昨今の多くの作品が、キャラクター重視ではない・キャラクターで勝負してない、ストーリー展開を重視した作品だ、というのならなにも文句はありませんがね…。

 


…ちょっと話がコミックスからズレましたね。戻します。

 

今巻でのやり取りで、さらに各キャラの深みが増す内容となっていますね。
個人的には諏訪が良かったですね。最初の印象は任務中もくわえタバコのチャラい所のある大味な兄ちゃんかと思っていたのですが、
しっかり隊長なんだなと諏訪に対する認識が変わりましたね。
(あと、諏訪と香取のやり取りには笑いました)

 

他のキャラについても、よりキャラの深みが強まる内容で面白く、また、隊員達だけでなく大人キャラの会話も楽しかったですよ(根付のキャラは好きですねぇ、俺は)、
いやホント終始ニヤニヤしながらページをめくってましたね。

 

キャラ造りが巧いだけでなく葦原さんは話の構成も巧みなんですよね。
キャラの魅せ方、その後の活躍のさせ方という物語展開の先を見据えた構成が巧いですね。

今巻でひと際印象強く描かれているキャラといえば香取だと思いますが、今巻のこの展開・流れもおそらく香取初登場時から計算・構築されていたのだと考えられます。


香取(と華)のキャラは主要キャラ以外では珍しく(というかほぼ唯一?)過去回想が描かれているキャラなんですよね。同じ様な境遇の三輪(華と同じ境遇)には過去回想はなく他のキャラからの語りベースで過去が語られるのみとなっています。


おそらく(今から思えば)、主人公・三雲修と今後深く関わる事が初登場時すでに決まっていたからこそ描かれた(香取(と華)により深みを与える)過去回想だったのでしょうね。

 

葦原さんの頭の中ではどれだけ先の展開が詳細に構成されているんだろうなと今後が楽しみでなりません…無理せず養生して欲しいです。

 

葦原さんが、今後どういう展開を考えられてるのか分かりませんが、ちょっと気になるというか怖いのが、
ボーダー主要キャラ隊員に人死にが出る展開…。

 

これまでは敵の侵攻がありながらもボーダー隊員・A級からB級までが協力しなんだかんだで人死にがなく乗り切り(非主要キャラのC級隊員の拉致や名前も顔も分からない本部隊員の死はありますが)、部活の延長・スポーツみたいな感じでやってきてますが、
もし今後主要キャラ隊員に人死にが出る展開になった場合、作品全体の雰囲気・展開がガラッと急変する恐れがあります…しかし、かと言っていつまでも敵ネイバーをなおざりにも出来ず、敵ネイバーと緊張感のない戦いをやる訳にも行きませんし…と。。。
今後の展開はホント想像がつかないのですが、葦原さんなら良質な「エンタメ」作品を作ってくれる事を信じて楽しみに待ちたいですね。


以上