アニメ「怪人開発部の黒井津さん」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「怪人開発部の黒井津さん」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


基本的には「天体戦士サンレッド」な作品。
まったりゆったり脱力系庶民派の悪の組織を舞台にしたギャグ作品です。

 

言ってしまうと「天体戦士サンレッド」に萌え、(ちょい)エロ要素をプラスした作品ですね。
萌え、エロ要素で差別化を図る事が出来ていて、オタク向けに取っ付き易くなっていて良いとは思いますが、まぁその分ギャグ作品としては「~サンレッド」に負けてますよね。

「~サンレッド」に比べるとギャグは負けてはいますが貶めるほど悪くはなく普通に何も考えず頭を空っぽにして観れるギャグ作品でしたよ。

 

あともうひとつ「~サンレッド」との相違点を上げると、この作品は実在の?ご当地ヒーローとコラボしているんですよね。
しかしこの、ご当地ヒーローとのコラボは作品評価には特に関係ないのでどうでも良いのですがね…いや、もしかしたら自分の地域のご当地ヒーローが登場してたら評価につながったかもしれん…(自分のとこのご当地ヒーローなんて居るの居らんのかすら知らんが)。

 


主人公のキャラについてですが、イマイチ「主人公」としては弱いように感じられますね。
最初は、立ち位置として「助手」である必要ないんじゃないか(博士の位置で良いのでは?)と思ったのですが、出世して大幹部を狙っているという夢が語られ
なるほどそれなら助手の位置でも良いかな(博士の立ち位置では出世欲はないはず)と納得しました。
しかしねぇ、出世のために仕事(怪人開発・研究)に奮闘・勤しみ、頭を悩まし困難に立ち向かう主人公が描かれるのですが、あくまで仕事としてのキャラ(出世するための)…、人間味というか深みが感じられないキャラとなっているんですよね。。。まぁ可愛いんですけどね…キャラとしては弱い。。。

 


あと、この作品の高評価ポイント挙げると第11話ですね。
第1話を観たときからこの作品は「~サンレッド」だなと感じていたので第11話でサンレッドの面々が出てきたときは嬉しく思いましたね。

「~サンレッド」の作者くぼたまことさんに話を・筋を通し、「~サンレッド」へのリスペクト・オマージュが感じられるのが良いのですよ。

 

いやね、たまに漫画なんかであるからね。
この漫画は絶対あの作品/あの作者の影響受けてるだろっていう作品がたまにあるのですが、その漫画作者のプロフィール・インタビュー記事なんかに載ってる好きな漫画・影響を受けた作品にその名前がない…という事がね。。。
(例えば、○○○○○という漫画家は絵柄や青年誌向きストーリー漫画を描いてるところから絶対に浦沢直樹に影響受けてるだろ!と感じたのですが、好きな漫画、影響を受けた漫画家に浦沢直樹の名前がないのよね…うそこけ!と思ったね)


もしこの「~黒井津さん」が、『天体戦士サンレッド?そんな作品知らんよ!』というスタンスだったら俺は「うそこけ!」(超マイナー作品ならいざ知らずアニメ化もされた作品なので)と腹立ったと思うからね。
しっかり「~サンレッド」を画面に出してくれて嬉しく思ったね(セリフはなかったけど)。
でも、次はもっとしっかりがっつり「~サンレッド」とコラボしても良いのよ…。

 


作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。


以上

 

アニメ「天才王子の赤字国家再生術」 ~感想

アニメ「天才王子の赤字国家再生術」 ~感想


録り貯めしていたアニメ「天才王子の赤字国家再生術」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

タイトルからしてセンスがない作品。
別に天才キャラ設定自体は良いのよ…でもさぁ、「この主人公は天才という設定ですよ」という説明をタイトルでやるなよ…情けない。
天才・頭が良い・ずる賢いという設定の主人公キャラであれば、それは作品の中で見せて行き、読者・視聴者がそう感じれば良い・そう感じさせる造りにすればよいのであって、
それなのにタイトルで説明しちゃうという、最初から逃げてる、初めから諦めてる、楽しようとしてる感じが情けなく感じる訳なのですよ。

 

タイトルに「天才」という言葉を使わずに、性悪・陰険王子や楽して暮らしたい、安泰・安穏と暮らしたい王子みたいな説明タイトルだけにして、
作中でその「天才性」を魅せる・読者(視聴者)に自然と天才王子と感じさせるストーリーにすれば良いのに…それをやらない、できていない…センスないなぁと感じるのですよ。。。

 

また作中での「天才王子」の描き方においてもセンスがない…問題があるのよね。
天才の見せ方がアホなのよ…納得がない描き方なのよ。。。
その描き方というのは以前別作品の感想でも書いたのと同じ手法…「主人公を除いて、全世界中の人間全員がバカ」という描き方なのよね。
周りを全員バカに描いて相対的に王子を天才に見せるというアホ手法・説得力無し手法なのです。。。

読者(視聴者)に、主人公のキャラが「天才である」という設定を納得させるだけの・説得力のある物語描写ができないのであれば(タイトルで直に説明したり、周りから「王子は天才だ!」と語らせる事でしか描写できないのであれば)、
最初から天才設定なんてしなければ良いのに…(読者・視聴者を納得させるだけの天才性を示すエピソードが描けない・描く能力がないのであれば、書かなきゃ良い・そういう設定にしなけりゃ良いのにと思う訳ですよ)。

 


あとは上記に関連して、作者が王子の天才性を示すために他国との外交、戦争を描いているのですが、一国に対して2~3話ペースで次々と色々な国が出てきます。
こちら(視聴者)としては、作品が始まって間もない物語で~主人公の国と他の国家との関係性・力関係なんかも良く分からないままの状態で~ナレーションベースでさらっと他国の説明だけされても理解できるはずもなく~、そんな状態で「王子の知略により他国との外交・戦争を優位に制しました」という物語を見せられてもそこに天才性の納得などある訳がないのです…見せ方が下手なのです。。。

 

1クールでやろうと思うなら敵国は1~2国に絞って、主人公の国とその国家との関係性を丁寧に描いて、その上で王子の天才性・知略を見せて読者・視聴者を納得させる物語を描くべきなのに、
読者・視聴者を置いてきぼりで矢継ぎ早に「王子は先を読んで優位に制しました」「王子は実はその先も読んでいました」みたいなエピソードだけ羅列されても納得もなにもないのですよ。

読者・視聴者に、現在の状況や問題点、その問題に対する一般的な解決法・妥協案などを丁寧に分かりやすく説明し、その上で想像の斜め上を行く王子の解答を示す事で「天才性」を描けば納得があるのですが、
ベースの部分(他国との関係性、現状や問題点)の納得がないまま話が進められ「王子があれやった凄いでしょ、王子がこれやった凄いでしょ」の話だけ見せられても「天才性」の納得からは程遠いのですよ…そこが分からんというのがセンスがない(タイトルからしてセンスがない)。。。

 


他に、評価とは別のところで気になったというか嫌いだなぁと思ったのがOP映像について。(これは原作に対してではなくアニメーション制作会社に対して、ですね)
OP映像を本編映像の使い回しで作ってるのよね。。。
これ嫌いなのよ…OP映像のキャラが口をパクパクさせていて観てて気持ち悪いOPだったわ。
OPは作品の顔でしょ!何回も流れるものでしょ!しっかりOP作ろうよ!
ホント、OP映像に本編映像使う様な手抜き好きくないのよ。昔で言うとGONZOがよくやってた手法。。。だから昔からGONZO好きくないのよね。。。
まぁ4話くらいからちゃんとしたOP映像が流れ始めましたが、先述した様にOPは作品の顔でしょ?なんか事情があったのかも知れんけどさ、顔は気合入れて最初から作ろうよね?

またEDも同様に本編映像の使い回し・各話を振り返る映像を流すという内容…。OP、EDどちらも手抜きって、しっかり作ろうぜ…。

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

以上

アニメ「失格紋の最強賢者」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「失格紋の最強賢者」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


第1話のアバンを観た時点では「おっ!この作品気合入ってんなぁ、これは期待できるかもな」と感じたのですが、気合入っていたのは1話のアバンのみでしたね。
いや、もう少し頑張ろうよ…せめて最初の1話くらいはフルで。。。他のアニメ作品でも1話は凄いクオリティだけど…、2話以降は普通…みたいな事はよくあるのですがこの作品は1話もたなかったか…アバンのみですか…。。。

 

で、内容についてですが、
この作品もまたなろう系あるあるの典型な最強系主人公もので、その最強能力でもってブイブイ言わせて周りからチヤホヤされる物語…ですね。
そこについては、「なろう系」のフォーマットなので別に文句はないのでそれ以外の部分で気になる点を述べて行きたいと思います。


まず、主人公の強さ設定が良く分からない…。
戦闘に適した紋章を得るために転生魔法により転生した事で、まだ子供・成長途中であるが故に転生前と比べてパワーダウンしてる様なのですが、それでも転生後の世界では最強クラスらしいです。
しかし、最終盤に出てくる敵には敵わない様で…、なんか強さ設定が良く分からんよね。転生前の強さがどれくらいで、転生後の現状はどのくらいで、最終盤の敵の強さはどのくらいで…というのがよく見えてこんのですわ…。
仲間たちの強さについても…同様ですね(この作品では、仲間キャラのみならずモブキャラ(学生達)も、主人公が修行をつけたり授業を行ったりで鍛えられているのですが、仲間キャラ・モブキャラ達との力量差というのも見えてこないんですよね)。

 

次に、紋章の設定についてもよう分からん。
より強くなるために転生までした主人公ですが(転生魔法なんていう生と死をコントロールする様な魔法が作れるのなら、生まれついた紋章を変える魔法くらい楽勝だろうと考えるのですが…)、
紋章の違いによる力量の差というのも見えてこないんですよね…。紋章の差でどれほど強さが変わってくるんだよ…主人公は転生して紋章が変わった事で強さが2倍3倍くらいに強くなったの?そこら辺(物語のキーとなるはず紋章の重要さというもの)が全く見えてこないわ…。

 

あとは、なろう系あるあるですが、ストーリー展開が単調でつまらない問題。
敵が出てきてそれを最強主人公が倒す→新しい敵が出てきて最強主人公が倒す→繰り返し…(主人公が仲間キャラを鍛える展開もあるけど…)→(最終盤)ちょっと強い敵が出てきて多少苦戦するが最強主人公が倒す。
のなろう系テンプレストーリーですよね。

使い捨ての敵キャラをただ倒すだけのストーリーではなく、魅力的な敵キャラを作ったりドラマを作ったりで面白いお話を作れないもんかねぇ…。なろう系にそういうの求めちゃいけないのかしら?


作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

以上

 

アニメ「異世界美少女受肉おじさんと」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「異世界美少女受肉おじさんと」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


精神的BL、新しい形のBL、いや…こういう形のBLも昔からあったかも…な作品。

 

しかし、まぁ出落ちで終わってる作品よね。
基本的に、最初の設定を説明する第1話と最終話以外は必要ない…正味どうでも良い話でしたね。
第1話と最終話以外の話に、一応新キャラが出たり話が進んでいる様な展開はあるのですが、主人公たち二人の関係性は何も変わっていなくて正味な話なにも進んでいない…、あってもなくてもどうでも良い話…の構成になっているんですよね。

 

なので2話以降はずっと退屈な時間が続きましたよ…。
最終話は多少は話が・二人の関係が進んだかなと思われる中身のある話でしたがね…最終話でのあの「良いところ」列挙は、よくあれだけ多く・長く出来たなと感心しました(まぁ良い所にカウントしても良いのかどうか微妙なのもあった気がしますが)。


第1話と最終話以外で中身のない話が続くというシリーズ構成の退屈さ・ダメダメさであまりハマる事が出来なかった作品でしたね。

 

作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。


以上

 

アニメ「ありふれた職業で世界最強 2nd season」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「ありふれた職業で世界最強 2nd season」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

前作(第1期)も観てたけど、そういえば感想を上げてなかったなと気付きました。
まぁ作品の評価としては、1期も2期も同じであり、可もなく不可もなくとなります。

 

なろう系あるあるの典型で最強系主人公ものでイキリ主人公がハーレムを形成という形の物語…。
そこについては、もはや「なろう系」のフォーマットなので別に文句はないのですが、
それ以外の部分で気になる点がいくつかあるので述べて行きたいと思います。

 

まず、タイトル問題。
「ありふれた職業で世界最強」というタイトルが、タイトル詐欺というか意味を成していないものになっているというか…、
主人公の職業は「錬成師」らしいのですが、その職業の「ありふれた」感の描写がまったくありません。例えば出てくるゲストキャラ、モブキャラの職業が「錬成師」であり
同じ「錬成師」である主人公との力の差を見せるという表現などもないのに「ありふれた職業で世界最強」と言われても…となる訳ですよ。

 

まぁ、戦闘に不向きな職業なのに世界最強みたいな意味でもあるらしいですが…、主人公が強くなった要因って別に職業は関係なく、第1期の最序盤の洞窟でヤバい水と魔物を能力を取り込んだからだよね…職業がありふれたものであろうがなかろうが重要なのは職業ではなくあのヤバい水が運よくあったからだよね…とタイトル詐欺、タイトルが意味をなさないものとなっているのですよ。。。

 

またそれだけでなく「~世界最強」というのも嘘となっていて、第1期でも第2期でも結構な頻度で強敵相手にピンチになっています(雑魚相手には圧倒してますがね)。。。それで世界最強といわれてもねぇ…納得がないのよねぇ…。

 

更に強さの描き方も微妙なんですよね。なんやかんやで強敵相手に勝利しますが、その勝利に納得がない。。。他のアニメ作品感想でもたまに述べている事ですが、おそらくこの作者は強さ設定が出来ていないのですよね。
主人公の強さ、仲間たちの強さ、強敵の強さというものをしっかりと数値化できていない、と感じるのですよ。
例えば主人公のレベルを60とした場合、強敵のレベルが1~2割増しの範囲内(レベル70程度)であれば、接戦になる・なんとか頑張って敵に勝利するという展開にも納得があるのですが、
それ以上のレベル差(数値にした場合レベル20以上の差)がある場合、簡単には逆転できる力量差ではない(いくら不意を打ったからといって勝敗が覆る様なレベルではない)と考えるのですが、
この作者の作品ではそういうしっかりした強さ設定、数値化した強さの設定が出来ていない~なぜ主人公達は敵に勝利する事が出来たのか~(なんか一生懸命頑張ったら勝てたというのではなく、数値的に敵を上回ったから勝てたという納得・説得力がない)と感じるのですよね。

 

また、これは主人公と敵のレベル差が逆パターンのときも同じ事がいえて、不意打ちが成功し攻撃が入りさえすれば最強といわれる主人公があっさりピンチに陥る…みたいな展開にも納得がないのですよね。
いやね、攻撃がまともに入りさえすればどんな高レベルな相手も倒せるのであれば(極端な例で言えば、レベル1だろうとレベル100だろうと防御力は同じという設定なのであれば)、
相手に気付かれずに近づく事が出来る様なステルス能力を持ったキャラ(ハンター×ハンターのメレオロンの様なキャラ)が最強になるよね。。。そこら辺どう考えてんだよ、と納得がないのよね…。

 

そして、ストーリ展開についても。。。

第2期の終盤はクラスメイトの話になるのですが、別に要らんよね…。

主人公達のレベルを60としたら、クラスメイトはおそらくレベル10~20くらいではないでしょうか(アニメを観て自分が感じた強さ設定です)。

主人公達が高レベルダンジョンで戦いを繰り広げてる中、低レベルのクラスメイトストーリーに話が移っても、なんだかなぁ~、どうでも良いな~と感じるのですよね。

クラスメイトの設定がホント活きていないんですよね…(今後の展開からは多少絡んでくるようですが…)。

その辺りの構成・死に設定になっているのがあまり巧くないのよね。。。

 


で、最後が主人公の目標・目的についてですね。
なんか元いた世界、日本に戻るのが目標みたいですが、ここに納得がないのですよね。
あんなイキリキャラで現代日本に戻ってどうすんだろうね…あんな状態でどこかに雇ってもらったり、人に頭を下げたり出来るのかねぇ…。
それにもう精神が一般人のそれとかけ離れてしまっているので現代日本で普通に生活する事すら難しいのではないの?
そして、もし日本に戻ったら異世界での能力も全部消える、みたいな事になればイキり性格のみが残る事となり、そうなるともう目も当てられないよ…。

人もやっちゃってる訳だし…、現代日本に戻ってどう普通に暮らそうと考えてるのか(普通に戻れる訳ないのに)…その目的に納得がないんですよね…。
いやね、これがね「先生」のキャラクターの様な理性を保って・罪悪感、罪の意識を持ちづ付けているキャラクターとして主人公が描かれていればね、現代日本へ戻っても悩み続けながら生きて行く…という展開にまぁ多少納得も出来るのですがね。。。
あのイキリ主人公では日本へ戻ってもそれから後どうしようもないでしょう…。

 


と、タイトル、強さ設定、ストーリー展開、目的などに納得がない作品でしたとさ。。。


以上

 

漫画「かげきしょうじょ!! 12巻」 ~感想

漫画「かげきしょうじょ!! 12巻」を読みしました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。

 

高木ティーチャー編の終わりとなる巻でした。
終わってみればこの高木ティーチャー編は、さらさの深掘り・成長回でしたね(あとは愛の成長回でもあったかな…委員長は思ったより絡んでこず委員長深掘り回はお預けみたいですね)。

 

ベルばらの舞台に立つ事を夢見て・紅華歌劇団の舞台に立つ事を夢見ていたさらさは、中学校で演劇部に入部して同じ志を持つ仲間達と共に演技の勉強・経験を積もうとしていた、という過去が描かれています(金銭的な問題から劇団等には所属できなかったでしょうからね)。
しかし、中学に演劇部がなかったり、創部しようにも人が集まらなかったり等いろいろあって、結局さらさは家で独りベルばら公演を行う事になるのでした…そして、仲間と・皆と演劇をするという経験がないまま、中学を卒業したさらさは紅華歌劇音楽学校へ入学する事になり、
役に入り込むと周りが見えなくなる(さらさの独り公演では誰も困る者がいなかった・止める者が居なかった)という問題の表出と救いが今回の高木ティーチャー編の構成でした。

 

思えば、さらさが周りが見えなくなるのは・役に入り込むのは、演じている役柄が強い怒りや強い悲しみを表す様な感情が昂ったシーンであり、それはもしかしたら中学時代の仲間が居ない状態で独り演技をしていたさらさの強い怒り、悲しみの発露であったのかも知れませんね。
そんな、独りで家に閉じ籠った様な演技しかしてこなかった(できなかった)さらさの壁を壊して、現実に引き戻した~紅華には志を同じくする仲間が大勢いる事を示した~愛がさらさを救い、「オル×エウ」の物語展開と共に
怒りや憎しみ、悲しみから解放されたさらさ(オルフェウス)という見せ方も面白かったですね。。。

 

話の構成はまぁ面白かったのですが…、劇中劇「オル×エウ」の話自体にそれほどハマれなかったんですよねぇ。
劇中劇の読み物として、そんなに熱中できなかったというか夢中になれなかったというか…、ん~他作品と比べるのはちょっと違うかも知れませんが(それもレジェンド級と)『ガラスの仮面』で読んだ劇中劇「二人の王女」なんかは読み物としても展開が気になりそれ単体でも面白く、またその外側にある「演劇物」漫画としても面白い構成になっているんですよねぇ…美内すずえさんは凄えよねぇ。。。というお話。
(ネットのインタビュー記事かなにかで斉木さん自身も「演劇モノ」としては『ガラスの仮面』と勝負しない旨の発言をされていたので、そこまでのものを求めなくて良いのかも知れませんが…)


あと、今巻で気になったというか物足りなく感じたのは、番外編がなかった事。
今、番外編を一番読みたいキャラは煌三郎なんですよね。飄々としたキャラで何を考えているかホントのところは分からないキャラなんですよね、まだ…。
悪い奴、ではないと思うのですが何か企みがあって白川歌鷗(美里屋・丁嵐家)に近づいたのか、それともただの熱烈な白川歌鷗フリークなのかよう分からんのですわ。もしかしたら番外編ではなく本編で語られる事になるかもですがね…。

 

他には、委員長の深掘り話なんかも読みたいですね…これはやるとしたら番外編ではなく本編の方でかな。。。

 

気になるついでに、今巻の話とは関係ないのですがもう1点。
メインキャラクターの1人、星野薫について。
薫はスペック高い様に見えますが、なぜ3回も受験に落ちたのか?何が足りなかったのか?
また、ロミオ役に落ちたりもしていて、なにが足りないのか・なぜ負けたのかをしっかり描いて欲しいのよね、ちょっと気になるのよね、納得が足りないのよね、という点です。

 

 

高木ティーチャー編が終わり、次から新しい話が始まると思いますが…次巻(13巻)の発売が冬ですってよ。。。ちょっと長いですが気長に待ってます。。。

 


以下、雑感。
次の話(41話)はどうやら国広じいさんの話になる様ですね。アニメでは削っちゃった国広じいさんエピソード…。
自分は、アニメ→漫画と「かげきしょうじょ」に入った口ですが、漫画原作を読んでいたら国広じいさんエピは絶対に削ったらいけないという判断になると考えるのですが…何故削ったのか…自分が監督、脚本(シリーズ構成)なら絶対に削りませんけどね。。。
制作側がアニメ2期は絶対制作するつもりはない!と決めた上で削ったのならまぁ文句はないのですがね…。

トゥイッターなんかを眺めてると、2期待望論がありますが、話を削って削って無理して進めてしまったのでアニメ2期は難しいのではないですかねぇ…。


本気で2期をやろうと思うなら、最初から作り直した方が良いと思いますよ…、(以前漫画感想で語った事ですが)原作漫画の頁カット、コマカット、エピソードカットなしに原作7巻・予科生編終了までをアニメにすれば、2クールで綺麗に収められると考えているのですがね。まぁ最初から作り直せば当然、アニメ1期で映像化した分と被り、DVD/BDを買った人は不完全版ともいえるアニメが手元に残る事になるのですがね…せめて原作漫画からのエピソードカット等をしていなければ分割2クールで原作7巻・予科生編までをやれたと思うのですがね…カットして無理やり話を進めていなければ…と今更何を言っても詮無い事ですがね。。。

以上

 

アニメ「プラチナエンド」 ~感想

録り貯めしていたアニメ「プラチナエンド」を一気観しました。
以下、多少のネタバレを含む感想となります。


DEATH NOTE」、「バクマン。」の大場つぐみ×小畑健作品だったので期待していたのですが、設定、ストーリー展開、結末等々、色々とガッカリな作品でした。


まず、13人の神候補という設定やそのバトルロワイアル的な展開から思い出されてたのは、「未来日記」でした。

 

ガワは未来日記に似てるなーと感じたのですが、なんか不思議ですよね。。。
未来日記っておそらくDEATH NOTEで行われた様な頭脳戦・心理戦に影響を受けて描かれた漫画だと思うのですが、

今作プラチナエンド未来日記のガワ設定と酷似しているのは、影響を受けたのか、大場つぐみが「もし自分が未来日記のガワ設定を使って物語を描くならこうする」という
挑戦だったのか分かりませんが、DEATH NOTE未来日記プラチナエンドの流れがなんか変な感じというか不思議で面白いですね。

 

しかし、設定(特殊能力の設定)はともかくストーリー展開がいただけませんね。


赤の矢、白の矢の設定はまだ良いです(特段面白い設定でもありませんが…)。。。
矢の設定自体は『デスノート』の能力を分割したものですね…死の直前の行動を操れるというノートの能力を、他人を(惚れさせる事で)意のままに操れる赤の矢と刺した相手を絶命させる白の矢という能力に分割したもの。
デスノートの能力では「他人を操る」能力と「確実な死」がセットになっていたので、赤の矢の能力は多少は汎用性があるかな?…しかし、同じ人間には一度しか効果がないという制約が汎用性をほぼほぼ消してますがね。まぁ能力設定的には『デスノート』より『コードギアス』の絶対順守のギアスの方が近いですね。
(これも以前書いていますが、『コードギアス』は元々『DEATH NOTE』の影響を受けて制作されていると自分は考えているので、デスノートコードギアスプラチナエンドの流れになっているのがまた面白いですね)

 

矢の能力設定自体は目新しくもなく特に興味を惹かれる事もない設定なのですが、別にマイナス評価にはなりません。
問題なのはそのストーリー展開ですね。バトルロワイアル的な展開は、まぁ…まだ良いですが、そのバトルの見せ方に問題があると考えます。

 

DEATH NOTE大場つぐみに期待していたのは、頭脳戦・心理戦なんですよね。それなのに…物語前半のあの展開。。。真正面から矢を打ち合ったり銃火器使ったり、と「武力・暴力」の使い方、見せ方が期待していた「頭脳戦・心理戦」と巧く噛みあっていないのよね…(それは例えば、DEATH NOTEの第2部(ニア、メロ編)の序盤の誘拐やらミサイルやらマフィアやらの「頭脳戦・心理戦」を無視した・お構い無しに全力で「武力・暴力」で殴りつけてくる展開の様なつまらなさなのです)。
別に「頭脳戦・心理戦」と「武力・暴力」を作品中に同居させるな、という話ではないのよ…「頭脳戦・心理戦の上にある武力・暴力」という巧く絡みあったストーリー展開なら良いのです(それか『嘘喰い』の様に知能担当と武力担当を分けてバトルさせるか、ですね)。


そしてなにより、物語前半の敵役のヒーロー野郎が下衆すぎてね…小さな子供相手に躊躇なく白の矢をぶっ刺したり(そもそも天使は何を思って色々と未成熟な子供なんかを神候補に選んだのかというところから納得がない)、人質を取ったりとただただ下衆でしかない。

そしてそのヒーロー野郎の過去やそこまで下衆な事をやって何がしたいのかという目的もとんでもなく弱く全く納得がないのです。主人公と対峙する敵役に魅力がなければ物語は当然面白くなんかなりませんよねぇ…。
「キラとL」の様な関係の物語を描けなかったのかねぇ…、「バクマン。」でも魅力的な敵役の重要さを説いていたのにねぇ…(DEATH NOTEのLはホント超魅力的なキャラですよね、Lというキャラを創造できた事がDEATH NOTE大ヒットの要因ほぼ半分を締めていると自分は考えています)。

 

また、後半の敵役の博士も特に魅力的でもないし、前半戦は身を潜めて事の成り行きを見守るだけで姿を現す事もなく物語後半になって急にポッと現れた様なキャラに魅力も何もありません、というお話。

 

その後の展開も…。
神だのクリーチャーという話の展開や最後のあの全滅エンド…。
いや…最後の最後に文字だけ出てきた神々?(クリーチャーども)の言葉がこの作品のテーマなのかもしれんが、
大場つぐみは、あの全滅エンドで読者・視聴者が「あ~面白かった、読んで(観て)良かった~」となると本気で・真剣に考えていたのかと疑問・納得がないのすよ。


これならDEATH NOTEの派生作品である「未来日記」の方が面白かったよ…。


作品の評価としては、可もなく不可もなくとなります。

 

あと、どうでも良い事ですが、前半戦の終盤にジョジョ5部の暗殺チームリーダのリゾットが出てきたのは笑った。

 

以上